植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

サワフタギ

丘陵地の雑木林の中。コナラなどの高い木の下に高さ3mぐらいの木があり、純白の花をいっぱいに付けていた。花は直径8㎜ぐらい。筒状の花が根元で5枚に分かれている。多数ある雄シベは花びら(花冠)より長く、フワッとした羽毛のように見える。香りはな…

4月下旬の野の花

多摩丘陵の春は、野の花が次々と入れ替わっていく。3月下旬から4月初旬に一度スミレなどの開花のピークがあり、その後しばらく間があって、例年はゴールデンウイークごろにもう一度一斉に花が咲く。新緑の下で目立たないが、個性的な植物群である。 今年は…

竹林の中

雨上がりの日曜日。管理を任されている多摩丘陵の竹林でのタケノコの試し掘りに参加した。雨後の竹の子というから期待したがほとんど出ていなかった。一時間ぐらいでようやく人数分採れた。昨年は多かったので今年は裏作のようだ。 画像では竹が密に生えてい…

高尾山の植物:春

高尾山は標高600mである。山道を歩いているとスミレ類のほか、ヒトリシズカ、イカリソウ(画像上)、ヤマルリソウなど、近場の丘陵地(里山)ではほとんど見かけなくなった植物が普通に咲いていた。一方、山地でしか見られない春の花には、すでに紹介したも…

ヨゴレネコノメ(汚れ猫の目)

これも高尾山。登山道の渓流沿いにヨゴレネコノメが群生していた。花は終わっているようで、茶色い粒状の実が葉の上に乗っている。濃い緑に黄色い苞葉(ほうよう)が、そこだけ日が当たっているようで美しい。以前から見たかった植物である。 山地は、標高に…

フタバアオイ

徳川家の紋所で有名な三つ葉葵のもととなった植物である。葉の形と葉脈の様子を見ると納得できると思う。大きな園芸店の山野草コーナーで鉢植えを見たことはあったが、高尾山では普通に自生していて群落になっている。しかも今回は花まで付けていてうれしく…

ナツトウダイ(夏燈台)

画像だけ見せられると「何じゃこりゃ」となるが、ナツトウダイという植物の花である。何かに似ていると思ったら色といい形といい岡本太郎の作品ぽい。(前の)大阪万博(1970年)のシンボルである太陽の塔をつくった芸術家である。 この植物の花序は独特で複…

カスミザクラ

高尾山を登っていくと中腹あたりに満開の桜の木があった。今頃?花色は白で、わずかに紅色を帯び、春の日差しに輝いている。山の上でもほぼ終わっているヤマザクラとは違うようである。 カスミザクラだと教えてもらった。なるほどそれで納得だ。一番遅く、深…

高尾山で出会ったスミレたち

よく晴れた日曜日、高尾山(東京都八王子市、高さ600m)のフットパスに参加した。目当ては今盛りの色々なスミレ。先導するのはスミレ博士といわれる先生である。(カッコ内は漢字名と代表的な花色) タカオスミレ(画像上、高尾菫、白に紫の筋) 高尾山の名…

道端の花4月初旬

いつもの川沿いの道路で見かけた花。要するに雑草だ。これからイネ科やキク科の夏草が一気に伸び始め、生育が旺盛なのであっという間に場所を占領してしまう。その前の春の一時期、急速に成長し、花を咲かせ種を作る植物群である。 セイヨウカラシナ(画像上…

4月初旬の野の花

ここ1,2週間、多摩丘陵のあちこちで見つけた花の画像集。 イチリンソウ(上)は神社の林縁で毎年花をつけている。今年は花が多いようだ。本当に1輪ずつ咲く。すぐ近くにニリンソウの葉が見えたが花はまだだった。画像下は1週間後のもの。こう見ると似て…

クサイチゴの花

いよいよ4月。多摩丘陵は様々な花が咲き次々と入れ替わる。草刈りがされた里山の斜面に白いものが見えたので近づくと、一叢(むら)のクサイチゴの花だった。今年もこの花が咲く季節になったなあと思う。 背丈が20㎝ぐらいしかなく小さいのでクサ(草)と…

ヤマルリソウ2023

一昨年多摩丘陵を歩いているとき偶然出会った花だ。昨年同じ場所に行ってみたが時期が遅かったためか見つからなかった。今年こそはと探し回ったが見当たらず、あきらめて帰ろうとしたとき目に入った。幻のような花である。 ルリ(瑠璃)という名の通り鮮やか…

マルバスミレ2023

多摩丘陵に多い白いスミレだ。今至るところでタチツボスミレの花盛りだが、たまにこのスミレが混じっていたりする。雑木林の林縁など明るい日陰のような場所を好むようだ。 花は少しヨレた感じで先日のヒゴスミレほど整っていない。花色は白色~ピンク色とさ…

ムサシアブミの芽

雑木林の下の地面から不思議なものが伸びだしていた。異様な形といい肌色に近い色合いといい不気味なものを感じる。よく見るとまだらの模様や斑点があり、蛇か毒キノコを思わせる。 近くに更に成長したものがあり、すぐムサシアブミ(武蔵鐙)の芽生えと分か…

ヒゴスミレ

公園の中の小さな植物園で見かけたもの。白いスミレ自体はそんなに珍しいものではないが、葉が普通でない。葉柄の先が5つに分かれ、さら細かく切れ込んで細くなっている。 花は直径2㎝ぐらいで、5枚の花弁のうち、下向きの唇弁に紫のスジが入り、横向きの…

三浦半島荒崎海岸

神奈川県三浦半島にある荒崎(あらさき)海岸。浜に出ると広大な岩礁が広がっている。黒と白の地層が交互に続いており、この角度から見ると焼け焦げたような異様な風景である。 黒い層は玄武岩質の火山噴出物(スコリア、溶岩のかけら)で、白い層は砂と泥の…

コガモの食べ物

いつもの川。浅瀬でコガモたちが何かを食べている。コガモのような水に潜らないタイプのカモの食事法は独特だ。クチバシの先端を細かく震わせて藻などをこそげ取り、水と一緒に吸い込む。クチバシは側面が櫛(くし)状になっていて水だけ濾して流し、固形物…

ハマダイコン

三浦半島の荒崎(あらさき)近くの海岸。訪れたのは10日前でまだ風は肌寒く、海辺の植物はほとんど枯れていて、咲いているのはこの花だけだった。いたるところで見られる。花期は3月~5月。名前の通り葉も花も野菜のダイコン(花期は4、5月)によく似てい…

ハナモモとコガモ

いつもの街中の川。3月に入り、暖かい日が多くなり日差しも一気に強くなった。街の様子が違って見える。コガモたちは今日もお食事中。そろそろカップルができ始めているようだ。 川面の鳥たちばかり見ていたので気づかなかったが、ピンク色の花が咲いている…

ハクセキレイ(白鶺鴒)

街中のどこにでもいるのでコンビニ鳥と呼ばれているらしい。基本的に川沿いなど水辺の鳥である。ただ近づくと素早く逃げてしまうのでじっくり観察できる機会はほとんどない。ところが数日前のこと、何故か2mぐらいまで近づいても逃げなかった。川の護岸の上…

ホシハジロ

カイツブリのいる公園の池に新顔の鳥が来ていた。典型的なカモ類の姿である。大きさは前後45㎝ぐらい。頭から首は赤茶色で目立ち、胸と尾のあたりが黒く、羽根がくすんだ白色をしている。くっきりとした色分けが面白い。 調べると、名称はホシハジロ(星羽白…

カワズザクラ

近場の公園で見つけたもの。いわゆる寒桜ではない早咲きの桜だ。花期は2月~3月。ひと月近く咲き続ける。今や街中でも珍しいものではなくなった。まだ2月なので空気は冷たいが、明らかに暖かくなった陽射しに映える花だ。 日本固有種のオオシマザクラ(大島…

雪の上の足跡

昨日はこの冬初めての大雪だった。今日は一変して暖かい日差しが降り注いでいる。多摩丘陵にある畑はすっぽり雪に覆われており、日光の反射がまぶしい。純白の世界もなかなかいいなと見渡していると、畑の中を点々と続く小さな足跡に気づいた。 くっきり残っ…

縄文の積石遺構

先日東京都町田市出土の中空土偶について紹介した(2023.1.9付)。興味を覚えたので、出土場所まで行ってみた。田端遺跡といい、多摩丘陵の裾あたりに位置する。南西側に相模原台地が大きく開け、かなたに丹沢山地や富士山が望まれる。今はニュータウンの一…

ヤドリギ(宿り木)

郊外でバスに乗っていたとき、葉の落ちた雑木林の端の木にヤドリギを見つけた。行ってみると7、8mの高さに直径1m以上の緑のボール状のものがいくつも付いている。宿主の木はサクラで、隣のケヤキの木にも1個見られる。ヤドリギは探しても見つからず、偶然出…

シモバシラ:氷の華(はな)

今日は節分、明日は立春だが、朝はまだ寒く氷点下の気温が続く。公園の一角にある植物園を歩いていたら、奇妙なものを見つけた。裂けたワラのような枯草の根元に丸い氷の塊がある。径3㎝ぐらい。真っ白で、よく見ると細かい筋があり絹糸のようなツヤをしてい…

タムシバの花芽

よく行く公園の立木。葉を落とした木々の中で、いつの間にか無数の花芽(蕾)をつけていた。花芽はフワッとした毛に覆われている。寒さも底を過ぎてようやく少し暖かさを増した陽光に輝いて見えた。 この木は「タムシバ」と名札が付いており、昨年の春、コブ…

カイツブリ

公園の池。小型の黒っぽい水鳥が2羽で住み着いている。警戒心が強く、いつも広い水面の中心付近を泳いでいる。今日たまたま岸の歩道に近い所にいるのを見つけた。やはりカイツブリだ。カメラを向けようとすると瞬間で水に潜ってしまう。15~20秒して2,3m離…

モウソウチク(孟宗竹)

多摩丘陵の竹林。かつての里山ではよく手入れされていたが、最近は放置されて荒れてしまった竹林を見ることが多い。ここは私の属するNPOで管理しており、冬の間に古くて黄色くなったり倒れたりしたものを切って整理している。春から初夏にかけての緑したたる…