植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

オオバノイノモトソウ

シダ植物は、被子植物にない不思議な佇まいで、興味をそそられるものも多い。しかし、目立つ花が咲くわけではなく皆似ている印象がある。そのため特徴があって確実に見分けられるものを紹介したい。 画像のものは、丹沢山地の杉林の林床に群生していたもの。…

クマよけフェンスの植物

丹沢山地のふもと(厚木市)の集落をつなぐ道路。「クマにご注意!」の立て看板にビックリして足が止まった。今年は長雨や猛暑だったし山の実りも少ないのか…。しかし、道沿いにフェンスがあり「電気柵設置」とある。これならまあ大丈夫だろう。また歩き出し…

コンギク(紺菊)

今の時期近所の民家の庭先などに咲いている青紫色の菊。この色はコバルトでもターコイズでもいわゆる紺色でもない、何というのだろう。晩秋の弱い陽光にもよく映える。 画像はその中で一番大きくて色が鮮やかだったものだ。野山に多いノコンギク(野紺菊)の…

遅いナンテンハギの花

この植物の花期は6月から10月とされる。近場では10月初めぐらいに盛りを迎えて、今は3㎝ぐらいの小さな莢の豆に変っている。画像のものは少し山間部に入ったところで見つけたもので、まだ花盛りだ。葉に朝露が下りるような季節なのにちょっと遅い。ここのと…

カニクサ

シダ植物。ツルがあるし、葉がセンダングサなどに似ている。胞子が付いているのを見たことがない。色々なところに生えており、庭の雑草と一緒に草叢になっていたりする…。などのため、普通の被子植物だと思っていた。 よく見ると、一部の葉の先から指のよう…

ヤマブドウ

相模川の城山より上流は山が多くなり、津久井の町から幹線道路を外れると道の周りは自然の雑木林になる。今は紅葉が始まっており、晴れた日に歩くと何とも気持ちが良い。そんな道の林縁の茂みにヤマブドウを見つけた。 近づくと栽培種の巨峰と似た粉を吹いた…

アキノタムラソウ

多摩丘陵の畑の近く。朝露が残る草むらは寒さで勢いがなくなってきた。その中で紫の花が一本ヒョロリと立っていた。タムラとは群れる様子を指すが、近場ではなぜかポツンと離れて咲いている。花は長い花穂に段々につくが、風で折れたかもう1段しか残っていな…

招かれざる木

街を歩いていると、路側帯の植え込みの中や、民家の生垣から延びている「招かれざる」木を見ることがある。以前紹介したクワ科もそうだが、並木や色々なところに残っている大木から、種が風や鳥に運ばれてとんでもない所に芽を出した木だ。 その代表が同じニ…

相模湖層群の砂岩泥岩互層

先日紹介した城山から5㎞ほど相模川を遡ると、支流である道志(どうし)川が合流する。川沿いには、黒い泥岩と白っぽい砂岩が交互に積み重なった互層(ごそう)が露出している。強い圧力を受けており、泥岩は層状で固くなり薄板を重ねたような頁岩(けつがん…

アメリカイヌホオズキ

白花で夏が盛りのイヌホオズキに対して、今頃まで咲いている類縁種である。草丈は50㎝ぐらいだがよく分岐して大きく広がっている。夏草が枯れてきているので目立つようになった。花は径1㎝とやや小ぶりだがたくさんついている。花びらの周辺に紫がかかってお…

シャクチリソバ

このところずっと小春日和である。先日は晴天の元、ソバの収穫の援農をした。ソバの花は9月下旬が見ごろであったが、今は実に変わっており、枯れ始めていた。 さて、画像の花は圃場の周辺の斜面に群落を作っていたものだ。花だけ見るとソバそっくりであるが…

禍々しい枯草

河川敷の一段上がったところに枯れた背の高い草が林立していた。青空をバックに全体に真っ黒に見える。3m以上あり、先端は不自然に曲がった棘のある鞭のようで、茎の途中にギザギザした塊が付いている。葉は萎れて辛うじてへばり付いているだけだ。何かアメ…

キダチダリア

小春日和の青空に映える。画像のものは高さが2階建ての屋根ぐらいなので4-5mはある。最大8-10mまで成長するそうだ。昔初めて見た時、この巨大さと晩秋から初冬にかけて咲くということが信じられなかった。 派手な花が下向きに咲くが、見上げるとちょうど目…

リュウノウギク

里山公園の一角の陽だまりにリュウノウギクが満開であった。今の時期は、ノコンギクなどが盛りを過ぎ、黄色いヤクシソウとこの花が秋の野菊の季節の最後を飾る。 リュウノウ(龍脳)というのは植物由来の香気成分(ボルネオール)で、ショウノウ(樟脳)に似…

チャノキの花

街中では生け垣になっていたりして色々なところで見かける。10月から12月の晩秋が花期。今は次々と咲き続けている。そろそろ他の花が少なくなってきたので、地味だが街の彩りとして貴重である。 ツバキ科で5枚の花弁から溢れ出すほど多数の雄シベが出ている…

マルバアメリカアサガオ

多摩丘陵の畑の片隅にツルを広げて咲いていた。花は直径2㎝ぐらいで、ラッパ型をしており、浅く五裂して先がとがる。まさに小さなアサガオである。花は薄いピンクとブルーが混じったような微妙な色である。花後はガク片が反り返る。 よく似た類縁のミニアサ…

アイの実

タデ科らしい植物が畑の片隅にある。野草のイヌタデよりずっと大型で50㎝以上ある。これは何だろう?と思ったら、藍染めに使うアイであった。草木染め愛好の方が栽培されているものだ。 タデの仲間は花びらがなく、紅い花被(ガクのようなもの)が開いて雄シ…

早朝の雲

夜明けに窓を開けると空がこんな感じ。空全体に広がった薄い雲のベールが東から巻き揚げられたようになっている。ベールの細かい繊維が光って美しい。 雲の種類としては、巻積雲(けんせきうん)と呼ばれるものと思う。いわゆるうろこ雲やいわし雲だ。昼間な…

シロヨメナの花

野菊のシーズンもだいぶ進んできた。住宅地の中に残された雑木林の小道沿いの白い野菊。この間までシラヤマギクが咲いていた場所だ。よく似ているが花びらの数が多く、草丈も低い。明らかに違う種類だ。いつの間にか入れ替わっている。 となるとややこしいこ…

ワレモコウ

里山公園の日当たりのよいススキ原。様々な秋草も花を終え、そろそろ枯れ始めている。ワレモコウの花穂は突き出したままで色もあまり変わらず、以前より目立つようになっている。中央下の枯れたものはオトコエシだ。 こんな形の花だが、バラ科である。ニレに…

ハマスゲ

菅(スゲ)はカヤツリグサ科などの総称で、スガとも読む。画像の植物はもともと海浜に生えていたものであり、そのためハマスゲの名がある。大型の芝といった感じで地面を覆っていることが多く、秋には画像のような赤茶色の花穂を出す。噴き出している白い毛…

ナギナタコウジュの花

今頃多摩丘陵で次々と咲いていくシソ科植物の一つ。互いに似ていて遠目には判別は難しい。花だけ拡大したのは草丈や葉の形などだけ見るとハッカ(ペパーミント)にそっくりだからである。しかし息をのむような透明感のある薄紫色だ。 この花の特徴は、花穂が…