植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ナラ枯れ:カシナガトラップ

住宅地の中に残された雑木林。周辺の人々が下草刈りなど保全活動を行っているので里山特有の植物などが残っている。最近行ってみると画像のようなものが設置してあった。 この雑木林は主としてコナラというドングリの木からなっており、何本かの幹にビニール…

ヤマボウシの花

今頃花で真っ白になっている少し高い木はだいたいこれだ。少し前ならミズキだった。横に伸びる枝から垂直に花序が伸びて、上向きの花がずらりと並ぶ。画像はたまたま民家の庭にあった小さな木で見たもの。花が大きくなっていく様子が表れている。緑色の水の…

梅雨どきの黄色い花

今年は季節の進むのが早くもう梅雨のような気候になっている。今頃、民家の庭や公園の植え込みなど至る所で黄色い花を次々とつけている木がある。キンシバイとビヨウヤナギである。どちらもオトギリソウ科の樹高1~1.5mの小低木で、外見はよく似ている。実際…

アメリカフウロの実

黒光りする角ばった釘のようなものが多数突き出し、根元が膨らんで5つの房になっている。よく全体が真っ黒になっており、道路脇の草地などでこれを見かけると一瞬異様なものを感じる。ウニ?、フェンシングの刀のようにも見える。この画像では写っていない…

ヤブジラミの花と実

これは半月ほど前の画像。まだ花が残っていた。径3-4㎜でよく見ないとわからないが、結構凝った形なのを示したくてこれにした。5弁の花びらは大きく波打ち10弁に見えるものもある。花の下の子房は毛が多く、一気に膨らんでトゲトゲになる。 今は小さなトゲが…

ケムリノキ

ハンカチやブラシの木は知っている。実物を見るとなるほどと思う。ケムリの木というものもあることは知っていた。街中でそれらしきモヤモヤした花(?)を付けた木を見ることも多い。最近郊外を歩いていて、民家の庭からちょうど目の高さに花穂が出ているも…

カルガモの親子

もうおなじみだが可愛いものはカワイイ。コガモはお尻のあたりにある白点がチャームポイントだ。みな違う方向に泳ぎまわっている。それを見守るハハガモは背筋が伸びており、慈愛に満ちたまなざしにはちょっと感動してしまった。 カルガモは全体に黒っぽい灰…

スイレンの花

睡蓮と書くと、眠ったようなけだるい午後の蓮(はす)の花のイメージが浮かぶ。同時に湿り気を帯びた暖かい空気と、とろんと濁った池の水面の雰囲気も感じる。 ある住宅地の中の公園の池でもう睡蓮が咲いていた。目を奪われるようなピンクのグラデーションの…

トウバナ

これも目立たない小さな花。果樹園の木の根元で他の草に覆われそうになりながら咲いていた。野の花に興味を持つようになり、多摩丘陵を歩くようになって数年経つ。だんだん見えてきた景色だ。 一見してシソ科とわかるカタチだ。草丈は10㎝ぐらいで小柄。花は…

キブシの実

今日は走り梅雨のような天候で、丘陵地の雑木林の緑の葉もしっとりと落ち着いている。エゴノキやウツギなどの白い木の花は盛りを過ぎ、今はスイカズラの白と黄色の花が甘い香りを漂わせている。 ふと見ると目の前の木の葉陰に、緑の実の房(10㎝ぐらい)が多…

オカタツナミソウ

5月も半ばを過ぎ多摩丘陵の木々の緑も濃い。そのため雑木林の中の小道はかなり薄暗くなってきた。小道沿いの斜面の草叢にこの花が点々と咲いていた。草丈は30㎝くらいあり、普通のタツナミソウより花も大きい印象である。花に透明感があり、色が淡くて白っぽ…

トウダイグサの花

トウダイグサの花はじつに変わっている。全体に黄緑~黄色の葉が折り重なっているので構造がわかりにくいが、奇妙な形の丸っこいものは雌シベが膨らんだ若い実で、黄色い粒は雄シベだ。同じ科でよりシンプルな花のニシキソウのところで解説したので(2020-09…

ベニカミキリ

雑木林の中の小道を歩いていてふと見ると、木の葉の上に真っ赤な虫がいる。こんなに目立つ色で鳥などに狙われないのかと思う。上方は木が覆っているので、空からの攻撃からは一応死角になっている。あと赤は警戒色というか、天敵が嫌うのかもしれない。 調べ…

マユミの花

花そのものはごく小さくて地味である。拡大すると4枚の花びらは白いが、少し離れると黄緑色に見えるので見過ごしてしまう。「木の花」はそういうものが多い。 初めは何の花かわからなかった。丘陵地の整備された遊歩道沿いでよく出会う。こういう場所は永年…

アズマイバラ

雑木林の林縁に野バラが咲いていた。シューベルトやウェルナーの歌曲「野バラ」は、ゲーテの同じ詩につけられた曲である。彼らが見ていた野バラはヨーロッパ系の別種だが、曲から感じられるイメージは明るく清純で懐かしい。日本の野バラも変わらない。 多摩…

バイカウツギ

今の時期の多摩丘陵は白い花をいっぱいつけた木が多い。代表は大木になるエゴノキだ。ノイバラやスイカズラも今満開だ。 この木は高さ2-3mぐらいの低木で、雑木林の林縁に生えていた。葉はエノキに似ていて平凡だが、近づくと、星形のエゴノキとは違い、丸み…

ミヤコグサ

近くの空き地に急に現れた花だ。どういう経路でやってきたのだろう。道端に普通というが、見たのは初めてだ。小柄なので他の草の葉陰に隠れていたのかもしれない。 茎は地面を這い、斜めに立ち上がって花を付ける。花は1~1.5㎝と小さいが、鮮やかな黄色が目…

マメグンバイナズナ

4月下旬に近所の駐車場になっている空き地で見つけたもの。草丈は30-40㎝で雑草の中では大きい方。どんどん咲き上がって実に変わっていく。初め花穂は一本であったが、急速に分岐し、今は5本以上になって高さも50㎝を越えている。周囲はあっという間にこの花…

ノイバラと蕪村の俳句

画像はノイバラ(野茨)の花。花のつくりは先に紹介したフジイバラと同じだが、葉の大きさが同じぐらいなので、花が小さい(直径2㎝ぐらい)のが分かると思う。花期も少し早く、もう終わりかけている。地味だが好きな花である。 半ツル性で1-2mほど立ち上が…

フジイバラの花

白い花の直径は2.5~3㎝と大きく見応えがある。枝に対して花が大きいので下を向いている。花びらは先端がくぼむハート形。幹が太くなり、高さ2mに達するとのこと。普通のノイバラとは、全体に無毛であること、葉に光沢があること、托葉の形が異なる、などの…

ローム層の中の白い線

多摩丘陵の真っただ中、東京都町田市小野路町の「関屋の切通し」。鎌倉古道の一つだがよく保存されていて切通しの赤土の壁面が観察できる。見えている分だけでも厚さ6-7mあるだろうか。いわゆる関東ローム層である。富士山や箱根火山の火山噴出物が風で運ば…

ノミノツヅリの花

道路脇の街路樹の根元をよく見ると、ハコベをずっと小型にしてスリムにしたような植物が生えていることに気づく。夏には多数枝分かれして広がり、実をびっしりと着けているのを見たことがある。アスファルトやコンクリートの隙間などにも平気で生えている。…

ウシハコベの花

今頃、市街地のちょっとした地面で黄緑色の草叢を作っている。半日陰の湿ったところを好むようだ。ハコベの仲間で、盛んに分枝して上部が立ち上がり草丈は50㎝ぐらいになる。確かに牛が好みそうな感じである。 一方花は小さく、春先から咲いている普通のハコ…

ツチグリ(菌類)

丘陵地の中の小道を歩いていて、出会うとちょっと嬉しくなってしまう。キノコの仲間は毒々しい色や奇妙な形で思わず警戒してしまうが、こういう愛嬌のあるものもいる。感じ方は人それぞれだろうけど。 マンジュウのような形の子実体が二重になっていて、土か…

フタリシズカ

センリョウ科。雑木林の薄暗い林床に自生しており、春に5~10㎝の白い花穂を1~3本出す。通常は2本で、同じ科で花穂が1本のヒトリシズカに対してフタリシズカ(二人静)だ。 花びらもガクもない。白い粒に見えるのは縮んで丸まった雄シベである。内側に葯…

ムラサキサギゴケ

花を上から見ると鳥が羽を拡げている様に似ている。紫の濃い部分が頭、黄色の模様が背中だ。そう言われると、薄紫のサギ(鷺)が様々な向きで群れているように見えてくる。 昔から「コケ」というのに違和感があった。もちろんゴマノハグサ科の被子植物である…

ツクバネウツギ

近場(一応東京都)の低山のハイキングコース沿い。今は林床の低木が一斉に新緑の葉を広げている。その中で目立つ花がこれ。径1.3㎝、長さ2㎝ぐらい。ロート型の白い花の先が五裂して丸くなっている。覗き込むと花の内面の奥にオレンジ色の網目模様があり、…

ホタルカズラの花

しばらく身近な草の地味な花が続いたので、目が覚めるようなものを入れてみた。 この植物は草丈がせいぜい20㎝と小柄。花の直径は1.5㎝ぐらい。ワスレナグサなどの仲間(ムラサキ科)の中では大きい部類である。草むらに紛れるように点々とルリ色の花を咲か…