植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

2022-01-01から1年間の記事一覧

初冬の街散歩

寒さが本格的になってきた。紅葉はほぼ散っており、道端の草も枯れている。街中を歩いて植物を探してみた。 12月の花といえばサザンカである。街を歩いていると色々な園芸種に出会う。画像は赤色のカンツバキと呼ばれるタイプだ。椿という名がついているが、…

オオバン(鳥)

また別の都市河川。沿道を2キロほど歩いた。空は曇って北風が吹いているが、鳥や植物を探しながらだと寒さは感じない。川は街中も通るが、流域は郊外で田畑が残っている。川幅が大きくて水量も多いため水面が広がる。護岸はコンクリートでも中州などに植物が…

飛びたつコサギ

いつもとは別の川。やはり街中で、川幅は広く、ところどころ河原になっている。見ると大きな鯉がたくさん泳いでいる。今日は風が肌寒いが晴れて気持ちが良い。両岸の道は多くの人が散歩やサイクリングを楽しんでいる。 歩いていくと川の瀬にシラサギが一羽で…

ツタが描いた絵2022

昨年の今頃、朝の駅で電車を待っている時ふと気づいた光景。フェンスに張り付いて縦横に広がるツタのツルが、壁に掛けられた風景画のように見えた。 電車が発着するたびに巻き起こす風でどんどん葉が飛んでいく。昨年は気が付いた時にはほとんど葉がなくなっ…

コガモの団欒

もう12月だが、穏やかな日が続く。昼間は晴れて暖かい。いつもの川のコガモ(小型のガンカモ類の一種)たちは今日も集まって泳いでいる。朝方は全員浅瀬で流れに首を突っ込み、水草を食べていた。くるくる動き回って一時も止まらない。何をしているのだろう…

ハゼノキの紅葉

里山の雑木林の中は薄暗い。高所にある葉に陽が当たっており、下から見上げて透過する色を見ている。ハゼノキの真っ赤な紅葉は美しいので有名であるが、こういうのもステンドグラスのようでなかなか良い。 ウルシ科の小高木。樹高は10mほどになる。小葉9-15…

ハマヒサカキの花

里山の環境を残した公園を歩いていて見つけた花。今の時期サザンカなどを除いて咲いているものは珍しい。雑木林の林縁で大きな木の陰になっており、直径4㎜ぐらいと小さい。今の時期でなければ見逃してしまうだろう。 ツヤのある深緑の葉には鋸歯があり、一…

ヒメツルソバのツル

季節が冬へと進み、道端の植物も枯れてだいぶ寂しくなってきた。今頃目立ち始める花がヒメツルソバだ。コガモたちのいる川では護岸に大きく広がって、薄いピンクの花をびっしりとつけている。 タデ科の多年草。ヒマラヤ原産で明治時代に園芸用に導入された。…

ヤマガキの実

うちの狭い庭にいつの間にか生えてきたカキノキ。芽生えからもう十数年になる。樹高が4mぐらいになり花も咲くのだが実ができなかった。今年ようやく実がなった。陽光に映えて美しい。 実の形は少し角張った球形である。大きいものでも径4.5㎝と小型で、明ら…

多摩丘陵のリュウノウギク

先日リュウノウギクについて自然のものを見たことがないなどと書いた。ところが数日前多摩丘陵を歩いていると、雑木林の中の道路沿いに次々とノギクが現れた。日当たりのよい小さな崖のようになっている場所だ。これが植物園で見たものと特徴がそっくりなの…

アオツヅラフジの実

春の林縁で見つけた奇妙なツル植物。いろいろなものに似ているので初めは何者か分からず、花が咲いてようやく名前が分かった。興味を持つと様々なところに生えているのが分かった。その後真夏に若い緑の実ができているのを見つけ、熟して色が変わるのを楽し…

ナンテンハギの花

丘陵地の畑の周辺を歩いていると林縁の繁みの一部が紫色に染まっていた。今頃何の花だろうと思って見に行くとナンテンハギが大きな群落を作っていた。こういうものを見つけると嬉しくなる。 マメ科ソラマメ属の多年草。複葉はナンテンに似た小葉が2枚で、別…

ヒイラギの香り

ひと月ぶりの多摩丘陵。このところ穏やかな日が続いており歩くと気持ちが良い。さすがに草木は紅葉したり枯れたりしており晩秋の風情だ。足元の草は朝露がびっしり覆っていたが日が高くなると消えた。風が吹くと木からザーッという感じで枯葉が舞い落ち、弱…

コマユミの実

植物園の近くに有名な玉川上水(たまがわじょうすい)が流れている。江戸に飲料水を提供するために江戸時代前期に作られた大規模な水路である。両岸は雑木林になっており遊歩道が通じている。コナラなどの落葉高木が多く明るい日陰を作っており、歩くと気持…

キチジョウソウ(吉祥草)

これも植物園にあった植物。一緒に歩いていた人から「めったに花が咲かず、良いことがあると咲く」から吉祥草、と教わった。探すとけっこう咲いていたのできっと近くにハッピーな人が多いのだろう。 キジカクシ科スズラン亜科の多年草。関東地方以西から九州…

リンドウの花

キクとともに秋に欠かせないのがリンドウである。似た色のキキョウよりも青色が強い花色である。花期は9-11月で、茎の先端や上部の葉のわきに太いツボミを出す。花は晴天の時開き、日が翳ったり夕刻になったりするとしぼむ。 中国名の竜(龍)胆(りゅうたん…

リュウノウギク

ノギクばかりが続いて恐縮だが、今の時期は他の花が少ないので仕方がない。今回はリュウノウギクだ。近場の野山では一番花が遅い種類である。花に対して葉や茎が小さく華奢だがどっさりと咲く。白花で地味。しかし今頃は葉が紅く色づき独特の風情(ふぜい)…

シマカンギク

これも薬用植物園にあったノギクの一種。近畿地方以西の海岸や日当たりのよい山地に自生する。台湾、中国南部にも分布する南方系の植物である。海岸などに生え初冬まで咲き続けるため、島寒菊というのが名前の由来らしい。 現在の栽培種のキクの原種の一つと…

ヤマジノギク

これも植物園の入り口付近のポットにあったもの。野生のヤマジノギクを大分県で50年以上前から品種改良を繰り返したとのこと。大型で紫色と黄色の花色はキクの仲間としてはユニークで鮮烈な印象を受ける。 聞いたことのない名前だと思ったら、生育北限は東海…

サフランの花

11月に入りノギクなどを除き野山は寂しくなった。ナラ枯れのせいか今年は紅葉もパッとしない。珍しい種類の植物出会えるかと東京都立薬用植物園(東大和市)を訪ねてみた。入場するとすぐのところにサフランの大きなポットがあった。 早春の花壇でよく見るク…

コガモの換羽

朝晩寒くなっていつもの川は落ち葉が流れている。コガモたちは今日も元気に暮らしている。このところ気になっているオスの婚姻色への換羽がだいぶ目立ってきた。 画像上のものは頭の色が赤茶色に変わり、目の周りから後頭部にかけて緑色に変わってきている。…

メリケンカルカヤ

車通りの多い道路の路側帯やちょっとした空き地などに群生している。今頃茶色く枯れて白い綿毛を出すので目につくようになる。それまでは全体に単純な1本の花穂のような形で、緑一色のため全く目立たない。茎が直立して葉や花穂がピッタリくっついているため…

寝ているコガモの群れ

いつもの街中の川。朝8時半。よく晴れて気温が下がったせいかコガモたちはまだ寝ている。異常なほど集まっているので数えてみた。対岸のものも加えるとなんと34羽が10mぐらいの間に並んでいる。上下1㎞ぐらいはまったく見かけない。みんな無事なのが嬉しい。…

コウヤボウキ(高野箒)

自宅から歩いて5,6分の住宅地にある公園。全体にコナラを主とする雑木林で薄暗い中に小径が通じている。足元にはササが多く、さして珍しい植物はないと思っていた。今日の早朝、散歩で立ち寄ってこの花を見つけた。周囲を見回すとササに交ってあちこちに…

ナガエコミカンソウ

住宅地の道端。一見してコミカンソウの仲間と分かる植物を見つけた。草丈は30㎝くらいで枝と葉の付き方はそっくりだ。ただ実の柄が長く葉の上に乗っかるように並んでいる。実は径2㎜くらいで表面はツルっとして見える。熟しても緑色のままだ。 拡大してよく…

植物園の花

薬師池公園(東京都町田市)の中にある植物園。万葉集に詠まれた植物ということで日本在来の植物が集められている。場所は多摩丘陵の一角にあたる。近場で花を探すときに開花時期や草丈などの参考になるのでたまに訪れている。今の時期は秋風が冷たくなって…

ヤマハッカの花

秋らしい透明感のある青紫の花だ。多摩丘陵では日当たりのよい林縁などに固まって咲いている。草丈は30~50㎝。同じ色のアキノタムラソウと似ているが、毛が少なく花の形がかなり違っている。 花の大きさは7㎜ぐらい。上向きの花びらは先端が4つに分かれ中央…

カシワバハグマ

多摩丘陵の雑木林の中にある暗い道。今の時期、日陰には花が少ないので白い花が目につく。細い花びらが反り返りねじれており、薄茶色の筒状花が10本ぐらい突き出している。なぜこんな独特の形をしているのか理由が分からない。 キク科の多年草。日本固有種。…

コミカンソウ

実の形が小さなミカン(蜜柑)を思わせるのが名前の由来である。確かに縦に白いスジがあるところなど皮をむいたミカンに似ている。大きさは径3㎜ぐらいと小さい。葉の下側に並んでついているので裏返してみないと分からない。熟してくるとポロポロ落ちる。 …

カワラケツメイ

河原決明。河原などに多く、黄色の花や多数の小葉からなる羽状の葉が同じマメ科のエビスグサ(実が決明子(けつめいし)という漢方薬)に似ているのが名前の由来である。この草自体も薬効が知られており、健康茶としても飲用される。 草丈は40-50㎝。マメ科…