高尾山を登っていくと中腹あたりに満開の桜の木があった。今頃?花色は白で、わずかに紅色を帯び、春の日差しに輝いている。山の上でもほぼ終わっているヤマザクラとは違うようである。
カスミザクラだと教えてもらった。なるほどそれで納得だ。一番遅く、深山で咲いている白い花。霞(かすみ)か雲か…で、カスミザクラ。ずっと見たかった花である。
日本のサクラの基本原種は10ないし11種類とされており、そのうちの一つである。同じような環境で咲くヤマザクラとは花期が1~2週間遅く、交雑しない。時期的に他の木々に交じって咲くので目立たないが、楚々とした佇(たたず)まいが神秘的である。
今回はスミレで忙しかったので近寄ってみられなかった。今度来たときはじっくり観察してみたいと思う。