これも高尾山。登山道の渓流沿いにヨゴレネコノメが群生していた。花は終わっているようで、茶色い粒状の実が葉の上に乗っている。濃い緑に黄色い苞葉(ほうよう)が、そこだけ日が当たっているようで美しい。以前から見たかった植物である。
山地は、標高による温度差だけでなく、寒暖の差が大きく、谷間や林内では日照も少ないため生育環境としては過酷である。しかし清水の湧く谷間や湿地など、いまや平地では見られなくなった環境が残されている。そのため独特の植物群がみられる。この植物も多摩丘陵では全く見かけない。
ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草。濃い緑の葉が赤黒くなり灰色の模様が入るため、ホコリをかぶって「汚れ」ているようだ、というのが名前の由来である。「猫の目草」という名のついた理由については、.適切な画像が撮れなかったので別の機会に紹介したい。
下の画像は別種のヤマネコノメソウ。実が割れて種が見えている。