植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

カタバミとスミレ

共通点は二つ。一つは科名がそのまま種名であること。前に何もつかない。カタバミ科カタバミ属カタバミ。スミレも同じ。もう一つは都市に適応していること。カタバミは道路の側溝のコンクリートの隙間。スミレは歩道の隅のアスファルトの割れ目でしっかり花…

キュウリグサの花

ちょっと見ただけでは咲いていることすらわからない2-3ミリの花。今の時期、路側のちょっとした地面で草むらになっている。葉をもむとキュウリの匂いがするそうだ。 接写すると、薄い青色で中心が黄色い。小さなヘラ型の葉がロゼット状になりそこから長い穂…

ヤマザクラの花

今頃の多摩丘陵は新芽の季節で、陽光を受けると薄緑色に光って見える。所々ピンク~赤茶色に霞んでいるのはヤマザクラが開花しているためだ。普段は雑木林に紛れているがこの時期は多数自生しているのがわかる。日本の桜の基本原種の一つである。 葉芽と花が…

ヒメフウロ

古い住宅地を歩いていて路傍で見つけた花。植物全体に赤みが掛かっている。以前紹介したゲンノショウコやアメリカフウロと類縁だが、その中でも可愛らしく「姫」の名がふさわしい。 ヨーロッパからユーラシアにかけて広く分布する。日本では伊吹山など一部の…

コスミレ

多摩丘陵の林道を歩いているとき、日当たりのよい林縁で見つけた。花色は薄紫に少しピンク色がかかり、紫色のスジが入る。オレンジ色の雌シベがアクセントだ。それが一株で四、五輪集まって花束のようになっていた。なかなか見ごたえがあるスミレだ。 名前か…

ナガバノスミレサイシン

桜が咲いていよいよ春めいてきた。これからは様々な草花が開花し、次々と入れ替わっていく。一週間もたたないうちに様変わりする。今の時期の多摩丘陵を歩くとタチツボスミレの花盛りである。葉が丸っこいハート形で、地上茎と特徴的な托葉があればすぐ見分…

キジムシロ

東京都町田市のかしのき山公園では、昔の自然環境を取り戻す実験を行っている。元里山の一角で、侵入植物を取り除き冬の枯草を刈って日当たりをよくする。かつて農家さんが行っていた“手入れ”だ。春の訪れとともに急速に葉を伸ばし、最初に花を咲かせる植物…

サクラ:エドヒガンの花

今年のソメイヨシノは早くも開花宣言が出たようだが、近場ではまだあまりほころんでいない。その中でもう満開なのがこのサクラだ。公園などでたまに見かける。関東地方ではソメイヨシノより早く、例年なら春のお彼岸ごろに咲くのでこの名がある。 日本に自生…

ウグイスカグラの花色

葉も花も小さく全く目立たない灌木だ。好きな花なので今年も多摩丘陵の林縁などを探すと、目が慣れたのかいろいろなところで見つかった。 探しているうちに花色の微妙な変異に気が付いた。基本的に左上のような赤紫色なのだが、まれに薄いピンク(左下)のも…

バイモ(アミガサユリ)

中国原産のユリ科植物。ここのところの温かさで一気に伸び花を咲かせていた。場所は近場の公園。その片隅の長年放置された花壇のようなところで、いつもちょっと珍しい野草?を見かける。ご近所の自然愛好家の仕業かもしれないが、たまに見に行くと楽しい。 …

マメザクラ

これも片所谷戸。日本の桜の原種は主なものが7種類あり、その一つである。木はあまり大きくならず枝が細かく分岐する。花も1-2㎝とソメイヨシノより小ぶりで、下向きに咲くお椀型。花びらは丸っこい形で先が凹む。白い花だがガクが赤紫色で少し紅に色づいて…

ヤブザクラの花

今年はソメイヨシノの開花が記録的に早いそうだが、近場でも野生の桜が花を付けだしていた。 ヤブザクラは多摩丘陵に自生する固有種である。原種であるマメザクラとエドヒガンの自然交配種といわれている。華奢な感じのする小高木で、薄暗い雑木林に入り混じ…

キブシの花

今頃の多摩丘陵は花がまだ少なく、花房(はなぶさ)が木の枝全体に垂れ下がった様子は目立つ。画像は花房の一番上の部分。一つの花は径7-8ミリの釣り鐘状で、4枚のガク片の2枚が大きく、4枚の花弁が6枚あるように見える。薄黄緑色の花は蛍光を発しているよ…

道端で見かけた花

3月中旬はまだ寒いが、道端やちょっとした空き地ではではもう色々な植物が花を咲かせている。成長の勢いは地面から緑の草が噴き出してくる感じだ。近場では、オオイヌノフグリ(左上)、ノゲシ(右上)、ナズナ、ミチタネツケバナ(右下)、ホトケノザ、ヒメ…

ヒサカキの花

街の至る所にあるのに全く目立たない木である。唯一存在感を示すのが今の開花の時期だ。花は小さく緑がかった白でやはり地味だが、香りが強く咲いているのがわかる。ただしガスに似た硫黄(いおう)ぽい匂いで、やや悪臭に類するものである。暖かい夜などに…

ハクモクレン

モクレンは中国南西部原産で漢字では「木蘭」と書く。ディズニーアニメ「ムーラン」のエンドロールでは題名が「花木蘭」となっていた。華やかで凛々しくて、主人公のイメージにぴったりだ。 うちの狭い庭にも一本白花種があるのだが、例年3月中旬にポツポツ…

スノーフレーク

名前は「雪のかけら」という意味だが、これも春を告げる花だ。ヒガンバナ科で和名はオオマツユキソウ(大待雪草)、スズランスイセン(鈴蘭水仙)ともいう。栽培が簡単らしく今頃の民家の庭先などでよく見かける。花穂は大きく曲がって下を向き、スズランの…

ピンクユキヤナギ

春の風物詩ユキヤナギの花が咲き始めた。日本や中国に自生するバラ科植物でもっぱら園芸的に栽培されている。通常の純白の種類は花が径6-8ミリと小さいがどっさりと咲き、確かに雪のようだ。 近場の住宅地を歩いていて民家の庭でピンク色の種類を見かけた。…

枯れ残ったタチツボスミレ

春はまだまだと書いたが、咲いているタチツボスミレを見つけた。場所は住宅地に囲まれた神社の杜(もり)の陽だまりだ。周囲に枯れた昨年の茎が見える。中央部の葉が枯れ残っており、少しの温かさで花を付けたようだ。今年は1月頃にも切通しの南向きの斜面で…

アオイスミレ

スミレの仲間では最も開花時期が早い。画像は一昨年の3月11日に撮影したもの。下に枯葉が見えるように、まだかなり寒い日だったのを覚えている。場所は神奈川県四季の森公園。老木の根元が深い鉢のような大きな洞(うろ)になっており、中でこの花が陽光を浴…