植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

近場の地学

三浦半島長者ヶ崎

神奈川県三浦半島の逗子(ずし)駅から葉山(はやま)にかけての海岸道路は何度も訪れている。公共交通で1時間とちょっとだから一応近場だ。海の向こうに富士山が見えて絶景である。まだ正月気分が残っていてメデタイ気分になる。 目標はずっと気になってい…

木の実草の実10月上旬

雑木林の中を歩いていると様々な草木に実がついていることに気が付く。 ホオノキ(画像上) モクレン科。5,6月に咲くクリーム色の大きな花が咲く。それがドリアンのようなトゲトゲの赤い実に変わっており異様な感じを受ける。一部の実は裂けてツヤのある赤い…

三浦半島荒崎海岸

神奈川県三浦半島にある荒崎(あらさき)海岸。浜に出ると広大な岩礁が広がっている。黒と白の地層が交互に続いており、この角度から見ると焼け焦げたような異様な風景である。 黒い層は玄武岩質の火山噴出物(スコリア、溶岩のかけら)で、白い層は砂と泥の…

相模川の玄武岩 その2

河原の石に同じ玄武岩でも特徴が異なるものも混じっていた。富士山の溶岩より赤っぽい色で、生地はレンガのような印象である。気泡は少ない。ところどころにある白い物質はカッターナイフで傷がつかないほど硬い。 考えられるのは枕状(まくらじょう)溶岩で…

相模川の玄武岩(げんぶがん)その1

相模川は神奈川県の中部を流れる大河で、この手の石は下流の海老名市付近の河原でも多い。外見は穴がだらけだが硬く、手に持つとずしりと重い。黒褐色の生地に灰色の点々の結晶(斜長石)が散らばっている。玄武岩とは火山岩の一種で、有色鉱物が多いので黒…

岩に刻まれた同心円

硬い岩石に渦のような模様が刻まれている。周囲にもいくつか渦が見える。何か意味ありげで想像が広がる。場所は先日の神奈川県伊勢原市の丘陵で、丹沢山地の麓にあたる。崖に顔を出していた。 よく見ると渦は同心円で、幅1㎝ぐらいの多数の層からなっている…

迫力の朝焼け

朝5時。窓に朝日の赤い光が差すのを感じたので、東の空を見るとこの雲が見えた。朱色と紫色の強烈な輝きである。急いで景色の開けたところに行ってみた。こんな雲が東の空いっぱいに広がっており壮観であった。画像では全体をお示しできないのが残念だ。 上…

早朝の虹

ここのところ天気が変だ。猛暑の時期に雨で低温の日が何日も続いた。ようやく晴れたと思ったら、しょっちゅう黒い雲が現れて通り雨が来る。天気予報は「晴れ、ただし不安定。折り畳み傘を忘れずに」だ。 朝起きると西の空に虹が出ていた。5時40分頃だ。外に…

積乱雲の中

外に出ると強烈な日差しが眩しい。見上げると、青い空に入道雲がムクムクと湧いていた。正式には積乱雲というが、昔それを体感する経験をしたことがある。 8月にヨーロッパ大陸を飛行機で横断した。広大な陸地には雲一つなかったが、機内のTV の天気図による…

梅雨の終わりの大雨

昨日、援農のNPOの研修農園で作業をしていたら急に大雨になった。画像は温室から見た外の様子だ。風を通すために開けてある窓から、大粒の雨だれがほとんど連続して落ちている。ビニールの屋根に当たる雨の音も凄まじい。 スマホをいじっていた人が「30分で…

大雨の後の空

多摩丘陵の援農でナタネの収穫をした。黄一色だった広い菜の花畑が今は白っぽく乾燥した実の塊に変わっている。これを刈り取り、シートの上で実の中の種をたたき出して殻を取り除き、フルイがけして種を集めるところまでやる。場所が急斜面なのですべて人力…

フジイバラの花

白い花の直径は2.5~3㎝と大きく見応えがある。枝に対して花が大きいので下を向いている。花びらは先端がくぼむハート形。幹が太くなり、高さ2mに達するとのこと。普通のノイバラとは、全体に無毛であること、葉に光沢があること、托葉の形が異なる、などの…

ローム層の中の白い線

多摩丘陵の真っただ中、東京都町田市小野路町の「関屋の切通し」。鎌倉古道の一つだがよく保存されていて切通しの赤土の壁面が観察できる。見えている分だけでも厚さ6-7mあるだろうか。いわゆる関東ローム層である。富士山や箱根火山の火山噴出物が風で運ば…

春霞の江の島

少し気分が塞ぐので春の海が見たくなった。画像は鵠沼(くげぬま)海岸から見た江の島である。ここはいつ来ても明るく、陽を浴びた波がキラキラして爽快な気分になる。空は晴れているのだが白っぽく、江の島は青く影のように見える。春霞(はるがすみ)だ。 …

丹沢石灰岩の断面

以前紹介した神奈川県西部の丹沢山地で採集した石灰岩である。左右10㎝ぐらい。 丹沢は1500万年前には火山島で、遥か南方の太平洋上にあった。これはその周囲に存在したサンゴ礁の化石とされる。比較的新しいため、元になったサンゴや貝殻の破片が明瞭に残っ…

植物化石:中津層群

JR相模原駅から南西方向に向かうと、まっ平らな相模原台地の広さを実感する。途中2回、30mほどの急坂(相模川の段丘崖)を下ると相模川の河川敷である。段丘の下は相模川によって掘り下げられた基盤となる地層で、関東ローム層などの新しい地層に覆われてい…

多摩丘陵の礫(れき)

多摩丘陵の西端近く、ハイキングコースになっている七国(ななくに)峠付近(町田市)の切通し道に落ちていた礫(石ころ)である。この丘陵はほとんどが赤土(関東ローム層)か砂泥層(上総層群)からなり、人為的に運ばれたものを除いて、石ころ自体が珍し…

晩秋の雲

先月末の晴れた日の空である。枯れススキと葉の落ちた木立ちの向こうにすじ雲(巻雲、けんうん)とうろこ雲(巻積雲、けんせきうん)が見える。ササっと刷毛ではいたようなすじ雲はいつ見ても爽やかな気分になる。 どちらも5~13㎞の高い所に出る雲だが、向…

金鉱石

12月に入ると太陽光も弱々しくなり気分も暗くなりがちである。そこで景気のよい画像をひとつ。金鉱石である。数年前のミネラルショーで買ったもので、実は小さな標本だ。しかし拡大するとこの輝きが何とも美しい。見ているだけで心が温かくなる気がする。 産…

相模湖層群の地層模様

相模川支流の道志川の河原には相模湖層群(3500万年~1600万年前、新生代第三紀)の岩盤が露出している。基本的に泥岩と砂岩からなっており、よく見ていくと実に興味深い模様がみられる。先日は泥岩砂岩互層に縦横に断層線が入ったものを紹介したが、今回は…

相模湖層群の砂岩泥岩互層

先日紹介した城山から5㎞ほど相模川を遡ると、支流である道志(どうし)川が合流する。川沿いには、黒い泥岩と白っぽい砂岩が交互に積み重なった互層(ごそう)が露出している。強い圧力を受けており、泥岩は層状で固くなり薄板を重ねたような頁岩(けつがん…

早朝の雲

夜明けに窓を開けると空がこんな感じ。空全体に広がった薄い雲のベールが東から巻き揚げられたようになっている。ベールの細かい繊維が光って美しい。 雲の種類としては、巻積雲(けんせきうん)と呼ばれるものと思う。いわゆるうろこ雲やいわし雲だ。昼間な…

城山の成因

城山(神奈川県相模原市)を相模川の下流、西側の新小倉橋の上から見ている。このブログでも何度か触れたが、興味は尽きない。右側の平坦な相模原台地は、相模川で急な崖になって落ち込む。谷にかかる城山ダムは高さが75mなので比高差はそれ以上ある。対岸…

朝焼け

朝起きて外に出ると、空がアカネ色に染まっている。薄曇りで少し靄(もや)がかかっているためか、空の半分ぐらいが赤くなり低い雲が光っている。大急ぎでデジカメを抱えて広く見渡せる場所に向かった。 ちょうど太陽が昇り始めたところでどんどん明るくなっ…

陽射しがキツイ

8月も末になると空もこんな色になってくる。空気はなんとなく爽やかになってきたがまだ暑く、陽射しは一層強くなったように感じる。半月前の猛暑の頃は、まるで焦げた地上からの煙(大気汚染?)で霞んだようになっていて、見上げる気もしなかった。 ふと空…

マメザクラ

これも片所谷戸。日本の桜の原種は主なものが7種類あり、その一つである。木はあまり大きくならず枝が細かく分岐する。花も1-2㎝とソメイヨシノより小ぶりで、下向きに咲くお椀型。花びらは丸っこい形で先が凹む。白い花だがガクが赤紫色で少し紅に色づいて…

丹沢のホルンフェルス

相模川の河原、厚木市のあゆみ橋付近。大小の石がごろごろしている。その中に紫がかった灰黒色で、ぼやけた白っぽい斑点がありそこが少し凹んでいる石がある。硬くてあまり削れておらずごつごつ角張っている一方で、手触りはすべすべしている。画像の左側は…

貝化石:カネハラニシキ

この化石が見られるのは神奈川県愛甲郡愛川町の愛川層群の地層である。860-500万年前の新生代新第三紀のものとされる。当時この付近にあったトラフ(浅い海溝、プレート沈み込みの場)堆積物の砂岩、泥岩、火山角礫岩などからなる。現在は丹沢と関東山地の間…

葉山層群:黒緑色の地層

ここ3回、蛇紋岩についての話題であった。これには、先日の立石海岸での観察(11月12日付)が動機になっている。付近は三浦半島で一番古い葉山層群(2000-1500万年前)と呼ばれる地層からなる。 画像はその時拾った小石である。左側は「立石」に続く海岸を…

近場の蛇紋岩

神奈川県にも蛇紋岩が見つけられる場所がある。三浦半島横須賀市の海岸だ。そこで拾ったツヤのある黒緑色の石を示す。波で磨かれて丸くなり、表面はツルツルしている。 前回示した北海道の標本と比べると、白い脈は見えず、柔らかくも脆くもない。しかし、①…