植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

シモバシラ:氷の華(はな)

今日は節分、明日は立春だが、朝はまだ寒く氷点下の気温が続く。公園の一角にある植物園を歩いていたら、奇妙なものを見つけた。裂けたワラのような枯草の根元に丸い氷の塊がある。径3㎝ぐらい。真っ白で、よく見ると細かい筋があり絹糸のようなツヤをしてい…

タムシバの花芽

よく行く公園の立木。葉を落とした木々の中で、いつの間にか無数の花芽(蕾)をつけていた。花芽はフワッとした毛に覆われている。寒さも底を過ぎてようやく少し暖かさを増した陽光に輝いて見えた。 この木は「タムシバ」と名札が付いており、昨年の春、コブ…

カイツブリ

公園の池。小型の黒っぽい水鳥が2羽で住み着いている。警戒心が強く、いつも広い水面の中心付近を泳いでいる。今日たまたま岸の歩道に近い所にいるのを見つけた。やはりカイツブリだ。カメラを向けようとすると瞬間で水に潜ってしまう。15~20秒して2,3m離…

モウソウチク(孟宗竹)

多摩丘陵の竹林。かつての里山ではよく手入れされていたが、最近は放置されて荒れてしまった竹林を見ることが多い。ここは私の属するNPOで管理しており、冬の間に古くて黄色くなったり倒れたりしたものを切って整理している。春から初夏にかけての緑したたる…

ロウバイ2023

もう大寒。一年で最も寒い時期に咲く花だ。ロウ細工のような半透明の黄色い花が満開である。寒さの中で甘い香りを放っている。黄葉した葉が残っていて、鑑賞という点からはちょっと残念。寒さが厳しい年は12月中に葉がほとんど落ちてしまい、花だけのスッキ…

クリスマスローズ

ビルの谷間の公園にある築山のようなところに植えられていたもの。葉ばかり茂ってクリスマスにも花が咲かない。変だなと思っていると、いつの間にか葉が黄変して枯れるとともに、中心部に新しい葉が出て花が咲いている。地面すれすれで俯いてはいるが、薄緑…

ハンノキの花芽

丘陵地の斜面で見つけた奇妙な木。赤黒いチューブ状のものを無数に付けており全体が黒く見える。冬枯れの木々の中では異様である。よく見ると昨年の丸い実が残っていてハンノキ(カバノキ科)の仲間と分かった。湿地を好むハンノキと違って、乾燥したところ…

中空土偶

冬晴れの某日、東京都町田市の考古資料館を訪れた。うれしいことにガラス越しだが撮影可だ。目玉は縄文時代後期(約3300年前)の中空土偶(ちゅうくうどぐう)頭部である。多摩丘陵の一角の田端東遺跡の集団墓から出土したもので、近くにはストーンサークル…

コガモたちのアイドル

いつもの川。例によってコガモたちが集まって朝からワイワイやっている。まだ寝ているものもいるが、流れに首を突っ込んで食事中のようだ。その中に水面をクルクル泳ぎ回っている集団がいる。そこだけ他と動きが違う。 画像ではうまく撮れなかったが、5,6…

ユリカモメ

正月も3日。天気も良いし急に海が見たくなって横浜みなとみらい地区の臨港パークにやってきた。一応近場である。途中のビル街は閑散としていたが、埠頭まで来ると海を眺めたり、散歩したりする人が結構いる。広々として明るくて気持ちが良い。 海の向こうに…

都市河川のカモ

マガモのいた川で見かけたカモの仲間2種。やはり北で繁殖して秋冬に飛来する冬鳥で、習性も似ている。いずれも2~3羽で水面を行ったり来たりして泳いでいる。 ヒドリガモ(画像上) 手前♂、奥♀。画像でははっきりしないが、他のカモ類に比べて身体全体が赤…

マガモのカップル

少し前にオオバン(鳥)を見た都市河川。沿道を逆コースで下ってみた。晴れて寒いが正月で空気が澄んでおり、歩くと気持ちが良い。すぐ目に入ってきたのがマガモである。画像ではオスメス寄り添って泳いでいるが、じつは一緒にいたのはオス1羽とメス2羽で、…

初冬の街散歩

寒さが本格的になってきた。紅葉はほぼ散っており、道端の草も枯れている。街中を歩いて植物を探してみた。 12月の花といえばサザンカである。街を歩いていると色々な園芸種に出会う。画像は赤色のカンツバキと呼ばれるタイプだ。椿という名がついているが、…

オオバン(鳥)

また別の都市河川。沿道を2キロほど歩いた。空は曇って北風が吹いているが、鳥や植物を探しながらだと寒さは感じない。川は街中も通るが、流域は郊外で田畑が残っている。川幅が大きくて水量も多いため水面が広がる。護岸はコンクリートでも中州などに植物が…

飛びたつコサギ

いつもとは別の川。やはり街中で、川幅は広く、ところどころ河原になっている。見ると大きな鯉がたくさん泳いでいる。今日は風が肌寒いが晴れて気持ちが良い。両岸の道は多くの人が散歩やサイクリングを楽しんでいる。 歩いていくと川の瀬にシラサギが一羽で…

ツタが描いた絵2022

昨年の今頃、朝の駅で電車を待っている時ふと気づいた光景。フェンスに張り付いて縦横に広がるツタのツルが、壁に掛けられた風景画のように見えた。 電車が発着するたびに巻き起こす風でどんどん葉が飛んでいく。昨年は気が付いた時にはほとんど葉がなくなっ…

コガモの団欒

もう12月だが、穏やかな日が続く。昼間は晴れて暖かい。いつもの川のコガモ(小型のガンカモ類の一種)たちは今日も集まって泳いでいる。朝方は全員浅瀬で流れに首を突っ込み、水草を食べていた。くるくる動き回って一時も止まらない。何をしているのだろう…

ハゼノキの紅葉

里山の雑木林の中は薄暗い。高所にある葉に陽が当たっており、下から見上げて透過する色を見ている。ハゼノキの真っ赤な紅葉は美しいので有名であるが、こういうのもステンドグラスのようでなかなか良い。 ウルシ科の小高木。樹高は10mほどになる。小葉9-15…

ハマヒサカキの花

里山の環境を残した公園を歩いていて見つけた花。今の時期サザンカなどを除いて咲いているものは珍しい。雑木林の林縁で大きな木の陰になっており、直径4㎜ぐらいと小さい。今の時期でなければ見逃してしまうだろう。 ツヤのある深緑の葉には鋸歯があり、一…

ヒメツルソバのツル

季節が冬へと進み、道端の植物も枯れてだいぶ寂しくなってきた。今頃目立ち始める花がヒメツルソバだ。コガモたちのいる川では護岸に大きく広がって、薄いピンクの花をびっしりとつけている。 タデ科の多年草。ヒマラヤ原産で明治時代に園芸用に導入された。…

ヤマガキの実

うちの狭い庭にいつの間にか生えてきたカキノキ。芽生えからもう十数年になる。樹高が4mぐらいになり花も咲くのだが実ができなかった。今年ようやく実がなった。陽光に映えて美しい。 実の形は少し角張った球形である。大きいものでも径4.5㎝と小型で、明ら…

多摩丘陵のリュウノウギク

先日リュウノウギクについて自然のものを見たことがないなどと書いた。ところが数日前多摩丘陵を歩いていると、雑木林の中の道路沿いに次々とノギクが現れた。日当たりのよい小さな崖のようになっている場所だ。これが植物園で見たものと特徴がそっくりなの…

アオツヅラフジの実

春の林縁で見つけた奇妙なツル植物。いろいろなものに似ているので初めは何者か分からず、花が咲いてようやく名前が分かった。興味を持つと様々なところに生えているのが分かった。その後真夏に若い緑の実ができているのを見つけ、熟して色が変わるのを楽し…

ナンテンハギの花

丘陵地の畑の周辺を歩いていると林縁の繁みの一部が紫色に染まっていた。今頃何の花だろうと思って見に行くとナンテンハギが大きな群落を作っていた。こういうものを見つけると嬉しくなる。 マメ科ソラマメ属の多年草。複葉はナンテンに似た小葉が2枚で、別…

ヒイラギの香り

ひと月ぶりの多摩丘陵。このところ穏やかな日が続いており歩くと気持ちが良い。さすがに草木は紅葉したり枯れたりしており晩秋の風情だ。足元の草は朝露がびっしり覆っていたが日が高くなると消えた。風が吹くと木からザーッという感じで枯葉が舞い落ち、弱…

コマユミの実

植物園の近くに有名な玉川上水(たまがわじょうすい)が流れている。江戸に飲料水を提供するために江戸時代前期に作られた大規模な水路である。両岸は雑木林になっており遊歩道が通じている。コナラなどの落葉高木が多く明るい日陰を作っており、歩くと気持…

キチジョウソウ(吉祥草)

これも植物園にあった植物。一緒に歩いていた人から「めったに花が咲かず、良いことがあると咲く」から吉祥草、と教わった。探すとけっこう咲いていたのできっと近くにハッピーな人が多いのだろう。 キジカクシ科スズラン亜科の多年草。関東地方以西から九州…

リンドウの花

キクとともに秋に欠かせないのがリンドウである。似た色のキキョウよりも青色が強い花色である。花期は9-11月で、茎の先端や上部の葉のわきに太いツボミを出す。花は晴天の時開き、日が翳ったり夕刻になったりするとしぼむ。 中国名の竜(龍)胆(りゅうたん…

リュウノウギク

ノギクばかりが続いて恐縮だが、今の時期は他の花が少ないので仕方がない。今回はリュウノウギクだ。近場の野山では一番花が遅い種類である。花に対して葉や茎が小さく華奢だがどっさりと咲く。白花で地味。しかし今頃は葉が紅く色づき独特の風情(ふぜい)…

シマカンギク

これも薬用植物園にあったノギクの一種。近畿地方以西の海岸や日当たりのよい山地に自生する。台湾、中国南部にも分布する南方系の植物である。海岸などに生え初冬まで咲き続けるため、島寒菊というのが名前の由来らしい。 現在の栽培種のキクの原種の一つと…