植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

パクチーの花と実

野菜畑の一角でパクチーが栽培されており花を咲かせていた。高さ50㎝以上に伸びていて、葉が上の方ほど切れ込んで糸のように細くなっているので別の植物のようだ。 花は径5㎜ほどと小さく、よく見ると5枚の花びらが非対称に伸びており面白い形をしている。…

暑いほど元気

今年の7月の気温は観測史上最高とのことだった。8月に入っても変わらず、外を歩くと火にあおられている感じだ。そんな時畑などで生き生きとしているのがゴーヤだ。思い切り繁っていつの間にか大量に実を付けている。実の色つやは何とも「元気」という感じだ…

ウバユリ

真夏の今ごろ咲くユリである。近場の多摩丘陵でも見られるそうなのだが、どういうわけか今まで自然のものに出会ったことがなかった。今日、少し離れるが高尾山(東京都)に行ったところ普通に見られたので驚いた。前回のタマアジサイもそこら中で群れ咲いて…

タマアジサイ

先週の奥多摩では川沿いの林縁でよく見かけた。アジサイの仲間だが花期は遅く8-9月だ。まだほとんどがツボミの状態だった。 落葉低木で樹高は1~2m。日本特産種。山地の川沿いなど半日陰で少し湿った場所に自生する。名前の由来はツボミが球形であることに…

多摩川上流のノカンゾウ

関東地方も梅雨明けした。ここのところの猛烈な蒸し暑さが少し収まったような気がする。今日は久しぶりの奥多摩(東京都)だ。深い谷間は緑の木々に覆われ、日差しはきついが気温は下界より2~3度低い感じ。何より見上げる空の青色が澄んでいる。駅から数分…

7月中旬の植物

このところ関東地方は猛烈な暑さで、晴れた昼間に外を歩くのは危険だ。今日はようやく曇って少し風も出てきたようだ。近場(電車で15分)の丘陵地を歩いてみた。木々の緑が濃いので、よく注意していないと見過ごしてしまう。 ウワミズザクラの実(画像上) …

7月上旬の花

梅雨明けはまだだが、ここのところ猛烈に蒸し暑い。 最近10日ぐらいに街や郊外で出会った花。 ハス(画像上) 町田市薬師池公園の蓮池。咲き始めでまだ花は少ない。中をそぞろ歩いていると大きな葉の陰から忽然と花が現れた。中心部が金色に輝いているように…

谷戸田(やとだ)周辺の植物

多摩丘陵の谷は、奥に水が沸いていて小川が流れ出しており、水田として利用されていることが多い。これを谷戸田という。周りの里山も含めて古くから人と自然がかかわりあいをもってきた歴史がある。このような場所は植物も独特である。 タチアオイ(立葵、画…

タカトウダイ(高燈台)の花

トウダイグサの仲間の中では背が高く、この個体は80㎝ぐらいある。花は春4月の高尾山で見たナツトウダイ(夏燈台)のアバンギャルドな花をおとなしくしたような構成になっている。開花時期からいうとこちらの方が「夏」にふさわしい。 トウダイグサ科の花は…

セリ(芹)の花

丘陵地の古い集落の近くを歩いていたら、畑地の草むらの中で白い花が目についた。草丈は40~30㎝ぐらい。ごく小さな花の丸い塊りがさらにいくつか集まって傘のようになっている。なかなか美しいと思う。 一見してセリ科と分かるが、この仲間の植物は特徴が少…

イグサ(藺草)

標準和名は「イ」といい、日本最短だ。多摩丘陵の谷水田の畔に生えていたもの。 藺草といえば畳表に使われ、あの匂いを思い出す。都会のマンションでは畳はもう使われなくなっているかもしれないが、近所ではご町内に一軒ぐらい畳屋がまだある。最近は、純植…

ヤブカンゾウ(藪萱草)

梅雨も後半となり晴れると高温多湿でもう真夏のようだ。駅で電車を待っていたら線路脇の草むらの中にヤブカンゾウの朱色の花を見かけた。今年もこの花の時期になったなあと思う。 水田の近くなど湿気が高い場所を好む。近場の丘陵地ではちょうど田植えの時期…

ナスの花とニジュウヤホシテントウ

グループで野菜を育てている。広い圃場の一角にナスが植えてあり、最近の雨と暑さで一気に大きくなり花を咲かせ始めた。茎も花も鮮やかな紫色でいかにもナスという感じである。(画像上) 葉も立派だがよく見ると表面を何者かにかじられている。もしやと思い…

アジサイ園

梅雨の晴れ間の蒸し暑い日。こんな時に元気な花がアジサイだ。 今年も神奈川県相模原北公園に観に行った。 広大な園地には多種類のアジサイが満開であった。中には珍しい種類もあって飽きない。公園はかなりの部分が林の中で、この植物が好む日陰になってい…

6月初旬:若い木の実

今日にも梅雨入りの発表がありそうな今頃。野山は花の季節が終わって緑一色だ。よく見ると木々が青い実を付けている。花の頃の記憶を頼りに若い実を見ていこう。 ウワミズザクラ(上溝桜、画像上) 房(ふさ)咲きする桜の仲間。サクランボも数珠繋ぎになっ…

テリハノイバラ2023

好きな植物で毎年紹介している。近場では今頃が開花期で、日当たりが良く風が強い河原や丘陵地に多い。葉は普通ツヤのある濃緑色だが、この個体は珍しく全体に黄色っぽくて黄緑色をしている。 花の直径は4㎝ほどもあり野バラの仲間では大型だ。しかし花びら…

5月中旬の花

最近晴れると日差しが強く感じられ空気も湿気を帯びてきて夏の気配だ。今の時期、草木は葉をぐんぐんと伸ばしているところで花を付けているものは少ない。ここ10日ぐらいで街や近場の丘陵地で見かけた花。 ヤマボウシ(画像上) 公園にあった大木。木全体を…

ホオズキの花

畑の片隅。花がほぼ終わったアイリスの植え込みに交じってホオズキが花を付けていた。同じナス科のジャガイモやピーマンと形が似ている。葉の付け根に付いていて真下を向いているため接写しにくい。結局撮れたのはほぼ真横からだ。 花は五角形で径2.5㎝ぐ…

5月初旬の野の花(青、紫)

連休中に近場の低山で出会った花。 ホタルカズラ(画像上) ムラサキ科。一度近くの里山で見かけたことがある。今回は山の中の林縁に固まって生えていた。 ハンショウヅル(半鐘蔓、画像下) キンポウゲ科のツル植物。神社の植え込みに絡まっているものを見…

5月初旬の野の花(黄色)

低山の林の中の道を歩いていて出会った植物。少し谷間のようになっていて、たまに木漏れ陽があるぐらいの半日陰。近くに沢があり、所々崖から水がしみだしているような湿気の高い場所である。先ずは一番目立つ黄色の花から。 キンポウゲ(ウマノアシガタ、画…

ニョイスミレとシラユキスミレ

ニョイスミレは近場では一番遅く咲くスミレだ。丘陵地や山地の沢沿いなどやや湿ったところの明るい木陰に群生していることがある。他の草の中から長い花茎を伸ばし小さな花をつける。花色は白く、唇弁(しんべん、下向きの花びら)に紫色のスジの模様が入っ…

マルバウツギ

連休中低山のハイキングコースを歩いた。東京都と神奈川県の境ぐらい。薄暗い林の中の道には花をつけたコゴメウツギ(バラ科)が次々に現れる。それに交じって大きめの白い花を咲かせていたのがこの木だ。本来は円錐形の花序(花の集まり)が立ち上がるが、…

タツナミソウいろいろ

雑木林の林縁の斜面、半日陰のような場所。今は緑の草でいっぱいだ。その中でスッと花穂を伸ばしているのがこの花。澄んだ青紫色が蛍光を発しているようで美しい。多摩丘陵では至るところで見られる。 シソ科の多年草。本州以南に分布する。名前の由来は、花…

4月後半の木の花

今頃の雑木林の中で咲いている木の花は白いものばかりで地味だ。咲いていることすら気づかない人も多いだろう。葉が鬱蒼と茂って薄暗く、赤や黄色の花では授粉してくれる虫たちに対して目立たないのだろうか。ともあれ爽やかな印象で、今頃の空気感の一部に…

ミズキの花

ミズキは高木で、今頃樹冠に白い花をつける。小花は径8㎜ほど。細い花びら4枚が十文字型につき、4本の雄シベが交差するシンプルな作りで、密集した花序をつくる。遠くから見るとワタを被ったようだ。甘酸っぱい香りがする。 ミズキ科。春先に枝を切る(やっ…

ツリバナ(吊花)

宅地化された丘陵地。その一角に残された雑木林の中の道を歩いた。樹高3mぐらいの木の枝から小さな花が長い柄でぶら下がっている。花が空中ブランコに乗っているような奇妙な感じだ。「吊(つり)花」という名前はよく花の様子を表していると思う。 ニシキ…

カマツカの花

4月も下旬になり、多摩丘陵の新緑も落ち着いた色に変わってきた。今の時期、木の花は爽やかな印象を受ける白色のものが多い。そんな雑木林の林縁でウメに似た花をつけていたのがこの木である。わずかに紅色の入った白い球のようなつぼみも点々と星のようで…

サワフタギ

丘陵地の雑木林の中。コナラなどの高い木の下に高さ3mぐらいの木があり、純白の花をいっぱいに付けていた。花は直径8㎜ぐらい。筒状の花が根元で5枚に分かれている。多数ある雄シベは花びら(花冠)より長く、フワッとした羽毛のように見える。香りはな…

4月下旬の野の花

多摩丘陵の春は、野の花が次々と入れ替わっていく。3月下旬から4月初旬に一度スミレなどの開花のピークがあり、その後しばらく間があって、例年はゴールデンウイークごろにもう一度一斉に花が咲く。新緑の下で目立たないが、個性的な植物群である。 今年は…

竹林の中

雨上がりの日曜日。管理を任されている多摩丘陵の竹林でのタケノコの試し掘りに参加した。雨後の竹の子というから期待したがほとんど出ていなかった。一時間ぐらいでようやく人数分採れた。昨年は多かったので今年は裏作のようだ。 画像では竹が密に生えてい…