植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

シラヤマギク

野菊の仲間の中では背が高く、1m以上ある。雑木林の林縁の草叢から少し間延びした感じで頭を出し、先に径2㎝ぐらいの花を8-10個ぐらい付けていた。名前は白くて山に咲くキクだから。しかし街中でもたまに群れ咲いているのを見かける。 舌状花は6枚ぐらいしか…

イヌコウジュ

近所の空き地の草叢。ススキやヨモギが幅を利かせる中で、その根元に隠れるように地味で目立たない草が花を咲かせていた。9月初旬からずっと咲き続けている。花穂に赤紫がかかった小さな花がつくが、あまりまとまっては咲かないようだ。気を付けてみていると…

コシロノセンダングサ

今頃はちょっとした空き地があるとアメリカセンダングサが繁っていることが多い。花弁のない(筒状花のみ)オレンジ色の小さな花を咲かせている。引っ付き虫(種)が大量にできて嫌だな…。と思っていたら、よく似ているが花弁(舌状花)のある種類を見つけた…

タカサブロウ

朝の雨で水滴が付いているせいかもしれないが、濃い緑の葉と透明な花びらが冷たく澄んだ感じで爽やかである。 これも変わった名前だ。漢字で書くと高三郎。昔そういう名前の人がいて…、などと諸説あるが、由来ははっきりしない。図鑑で知っていたが、見るの…

キアゲハとツリフネソウ

多摩丘陵の小道沿い。ツリフネソウの花の近くにキアゲハがとまっていた。近づいても逃げない。蜜を吸うわけでもなく、何をしているのか…。ともあれ、色の取り合わせはなかなか良い。 キアゲハは普通のアゲハと形や大きさはほぼ同じだが、黄色が強く、黒い網…

オニグルミの実

相模川の河川敷や堤防周辺にはこの木がとても多い。今頃は実の房がたくさんぶら下がっている。川を流されてきたものが根付いたのだろう。しかし頻繁に増水があり他の木が生えないような場所で、大木になっていることは驚異的である。 オニグルミは日本全国に…

ヤブツルアズキ

これがツルマメのところで述べた、日本に自生するアズキ(小豆)の原種だ。近場の丘陵地で結構見つかる。花期も今頃。畑に生えている状態のアズキを知っている人は少ないと思うが、全体に小ぶりな点以外は栽培種とよく似ている。DNAもほぼ同じらしい。 花は…

ツルマメの花

ツルマメはダイズ(大豆)の祖先原種とされており、日本及び東アジアに自生する。花はダイズそっくりだが、ツル性で、三葉複葉型の葉も小ぶりだ。豆も小さい。 ダイズは古くから東アジアで広く利用されてきた。日本でも縄文式土器に圧痕が付いているなど歴史…

ツリガネニンジン2020

やっと涼しくなってきた。真夏とは様子が変わったかなと思って、多摩丘陵を歩いてみた。思いついたらすぐ行けるのが良いところだ。 バス停を降りて小路を登っていくと、すぐにこの花が目についた。毎年見ているが、秋らしいといえばやはりこれだろう。薄紫の…

ウドの大木

多摩丘陵の畑地の片隅。突然という感じで大きな花穂が広がった。ついこの前まで葉だけでまったく目立たなかったのに。高さは2m近くある。画像は一部分で全体はもっと大きく広がっている。これだけあるとなかなかの迫力である。 これが有名なウドの大木である…

ニシキソウ

緑の葉に茎が赤く、二色草が名前の由来だ。相模川堤防で地面にへばりつくように枝葉を伸ばしていた。 トウダイグサ科。いつも思うのだが、この科の花は実に奇妙な感じを受ける。雄花と雌花は別だが一体化している。白い花びらに見えるのは、蜜が出る腺体とい…

メドハギ

近所の駐車に使われている空き地。草叢からまっすぐな茎がシュッと何本も伸びている。最初は何の草かわからなかった。そのうち短い分岐が多数出て、マメ科の特徴がある花が付き、ようやくメドハギとわかった。葉も花も落ち着いた色なので目立たない。 これも…

ユウガギク

昨年、秋が深まったころ、野菊の魅力にひかれて多摩丘陵を歩き回った。近場の代表的な野菊は、カントウヨメナ、ユウガギク、ノコンギクの三種類である。互いによく似ていて識別に首をひねった。結局、ほぼノコンギク(野紺菊)であったと思う。 今年はまだ暑…

オオブタクサ

普通のブタクサは丈1mぐらいだが、2‐3mになる大型の別種。河川敷などで群落を作っている。草叢を少し歩くだけで服が黄色くなるほど大量の花粉を出す。 キク科であるが、野菊などとは似ても似つかない。そのため拡大して花の細かい構造を調べてみた。(画像)…

ママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)

変な植物名の極め付きだ。茎や葉の裏に逆刺(トゲ)が目立ち、触ると痛そうである。継母(ママハハ)がそれで…。生理的におぞましい字面だ。イメージの飛躍にもホドがあると思う。ところが画像のように、実物は花の紅色が冴えて美しい。 里山や河川敷などで…

ガガイモの花

田んぼの周りの日当たりのよい草叢。この花は淡い色のせいか全く目立たない。ツル性で、背の高いブタクサに巻き付き、ハート形の葉は対生している。途中から延びる長い花柄の先に10数個の花が固まって付く。 薄紫の花は、5裂して強く反り返り先が丸まる。ち…

ネナシカズラの花とツル

ネナシカズラを詳しく見ると、ツルの途中に花房があり径3㎜ぐらいの花が固まっている。透明の花びらは5つに分かれており雄シベも5本あるが、アサガオの仲間とは信じられない。 一方、ツルには表面に多数の小突起がある。これが他の植物に接すると吸盤のよう…

ネナシカズラ

相模川の河川敷を歩いていたら、草むらが一部へこんでおり、そこに黄色い糸の塊が絡まったようになっていた。もしやと思って近づくと、やはりネナシカズラであった。図鑑などで知ってはいたが、実物を見るのは初めてだ。 ヒルガオ科のツル性植物。黄色が強い…

ヒヨドリジョウゴの花

つる性の多年草で、雑木林の縁で雑草に絡まって花を咲かせていた。白い花弁から雄シベの束が突き出し、中心に雌シベがある。似た花の多いナス科では一番小さい部類である。外来種の仲間がはびこる中では珍しい日本の自生種だ。偏見だが、控えめで楚々とした…

萩の花

秋の七草の筆頭。しかし近場の里山では普通のハギは見かけない。その代わりよく生えているのは、画像のヌスビトハギだ。ハギは低木だが、こちらは多年草だ。薄暗い雑木林の中の歩道沿いにポツポツと咲いている。 以前一度紹介したが、その時はユニークな形の…

ガウラの花

民家の庭先などでよく見かける。左右1.5㎝ぐらいの小さな花を多数付け、初夏からずっと咲き続けている。 北アメリカ原産のアカバナ科草本。マツヨイグサと同属だが、4枚の花弁が上に偏り、長い雄シベ雌シベが下向きに出る。そのため白い蝶が羽を拡げているよ…

タラノキの果穂

里山の畑の土手で白い大きな花穂を付けていた正体不明の木(8月10日付け)。その時はトゲ無しのタラノキとした。その木に実が成った。黒い液果のボール状の集合で、予想は当たっていたようだ。考えてみるとこの場所は定期的に草刈りなどの手入れがされており…

ジンジャーの花

生姜の園芸種はジンジャーと呼ばれ、民家の庭などでちょくちょく見かける。別名 ハナシュクシャ。1.5m~2mぐらいの草丈で、葉は40‐50㎝あり大柄である。茎の先に白い花を付ける。甘いフローラルな香りが強く、ちょうど食べる生姜の臭いから刺激や土臭さを取…

女郎花と男郎花

里山のススキとササの原にオミナエシ(女郎花)を見つけた。その華やかな黄色に息をのむ。後ろに見える白い花はオトコエシ(男郎花)だ。こう見ると花の色だけでなく葉の形にも違いがみられるが、佇まいは似ている。大きくて少し地味で武骨な感じが、男性的…

イヌホオズキ

近所で見かける雑草。今頃はキク科の花は疲れが見えるし、地味な緑色のイネ科やカヤツリグサ科ばかりで、他に目立つ草花が少ない。白い五弁の花から黄色い雄シベの束が突き出しており、他のナス科植物とよく似ている。ただ比較的小さな花なのでカワイイと感…

ヒメムカシヨモギ(姫昔蓬)

名前は小さなムカシヨモギの意味。しかし、「ムカシヨモギ」の実物が見当たらず、意味も不明である。図鑑などでも説明がなかったので、ネットで調べてみた。 同じキク科の雑草だが、ヨモギとは直接の類縁関係になく明確に見分けられる。あるブログ(「雑草を…