いよいよ4月。多摩丘陵は様々な花が咲き次々と入れ替わる。草刈りがされた里山の斜面に白いものが見えたので近づくと、一叢(むら)のクサイチゴの花だった。今年もこの花が咲く季節になったなあと思う。
背丈が20㎝ぐらいしかなく小さいのでクサ(草)という名前がついているが、キイチゴの仲間で、ちゃんとした木である。小さいので草刈りを免れたようだ。今の時期以外は目立たないが、よく見ると雑木林内外の至る所に生えている。花は純白。木漏れ日を浴びて輝くようだ。
葉は3枚か5枚の小葉からなる。背丈に対して花が大きく直径2㎝ぐらいある。バラ科の特徴として、5つの花弁の中心に大量の雄シベに囲まれた雌シベが見える。実は真っ赤な集合果でパフェにのせられるラズベリーraspberryの形をしている。5月の連休明け頃に生り、甘く食べられる。