植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

2020-01-01から1年間の記事一覧

イノモトソウ

葉が単純なタイプの白っぽいシダ植物で、冬も枯れない。街中のほぼ垂直の古い石垣に生えていた。昔は石垣が組んであった井戸のたもと(許)、という意味の名前が納得できる。以前紹介したオオバノイノモトソウよりずっと小ぶりで、画像の左右10㎝ぐらい。 よ…

アオサギ

東京都と神奈川県の間を流れるその名も境川(さかいがわ)は、流域全体が護岸された典型的な都市河川である。しかし、多摩丘陵と相模原台地の境界でもあり、周辺は住宅密集地ながら緑が多く、水質も悪くない。両側に広い遊歩道があり散歩やジョギングに最適…

家の中の魔物?

七沢石 ウチにいると、確かここにあったとか、直前に置いたはずのものが、いくら探しても見つからないことがある。そこらを整理しても、ひっくり返しても出てこない。ところが、コトが何とかなって必要がなくなった直後に、何かを動かすとポトリと落ちたもの…

ステイホーム中の気配

ペリドット(橄欖石) 最近、家の中にいることが多い。外は晴れて寒いが風はない。 午前10時過ぎ。家の中は私一人で、一階のリビングの隅にあるパソコンに向かっていた。しばらく集中した後、ふと周囲が無音であるのに気づいた。エアコンの音は微弱だ。 そん…

植物化石:中津層群

JR相模原駅から南西方向に向かうと、まっ平らな相模原台地の広さを実感する。途中2回、30mほどの急坂(相模川の段丘崖)を下ると相模川の河川敷である。段丘の下は相模川によって掘り下げられた基盤となる地層で、関東ローム層などの新しい地層に覆われてい…

フジのツル

雑木林の木の葉が落ちてしまうとこんな光景が現れた。フジ(藤)のツル(蔓)である。これまで何度も前を通っているが、全く気付かなかった。高さは3‐4m、奥の方まで続いている巨大な株だ。右のほうに見える絡みつかれた木は、枯れて白骨化している。 藪に近…

多摩丘陵の礫(れき)

多摩丘陵の西端近く、ハイキングコースになっている七国(ななくに)峠付近(町田市)の切通し道に落ちていた礫(石ころ)である。この丘陵はほとんどが赤土(関東ローム層)か砂泥層(上総層群)からなり、人為的に運ばれたものを除いて、石ころ自体が珍し…

ハナミズキの実

ツヤのある赤い実が弱い日差しを浴びて冬の青空に映える。見ていると、寒さに負けずに頑張ろう、という気になる。実だけでは何の木かわからないので、残った葉を一枚入れてみた。 ハナミズキは、花びらに見える4枚のガクが散った後、中心部の本来の花の後が…

冬のアザミ

落ち葉が散り敷いている雑木林の縁でアザミが咲いていた。変わった種類かとよく見てみたが、花の下の苞(ほう、花を包むガク)と小葉の形から判断すると普通のノハラアザミであろう。本来は8‐10月が花期で、最初は狂い咲きかと思った。しかし枯れ残ったもの…

カラスウリの実

トロピカルフルーツのような派手な赤色だ。しかし草が枯れ木々が葉を落としたところに、萎れた葉とともにこれがぶら下がっていると、かえって晩秋の侘しさが増すように感じる。 中に入っているのは黒い種と若干のオレンジ色の果肉が絡みついた繊維のみ。苦く…

ワラビの黄葉

多摩丘陵の畑の周辺。南西向きの斜面が全体に黄色くなっていた。ここは定期的に草刈りがされるので木がほとんどなく、夏草が枯れると地面がワラビに覆われていることがわかるようになる。それが枯れる前に黄変しているのである。 実はこれがワラビなのか確信…

ヤツデの花

朝晩冷え込むようになってきた。サザンカなどと並んで、この花も寒さにめげず晩秋から初冬(10‐12月)にかけて咲く。タラノキやウドと同じウコギ科。葉は似ていないが、ボール状の白い花をたくさん付ける点は同じである。地味だがよく見ると味がある。 直径5…

ビワの花

花は径1㎝の白い5弁で、多数の雄シベとツボミが茶色く、全体に薄茶色の地味な色合いの微細な毛に包まれている。そのため目立たず、バラ科と聞いて違和感があったが、花をしげしげとみるとバラやサクラに似ており納得した。 原産地は中国南西部で、我が国には…

キツネのシッポ

キツネノマゴ(狐の孫)という植物の果穂である。夏ごろから白に紫の模様の入った小さな花がポツポツと咲き続ける。穂が柔らかそうで、モコモコしてシッポみたいなことから「キツネ」という名が付いている。黄色くなるのかと思っていたが、画像のように葉と…

晩秋の雲

先月末の晴れた日の空である。枯れススキと葉の落ちた木立ちの向こうにすじ雲(巻雲、けんうん)とうろこ雲(巻積雲、けんせきうん)が見える。ササっと刷毛ではいたようなすじ雲はいつ見ても爽やかな気分になる。 どちらも5~13㎞の高い所に出る雲だが、向…

金鉱石

12月に入ると太陽光も弱々しくなり気分も暗くなりがちである。そこで景気のよい画像をひとつ。金鉱石である。数年前のミネラルショーで買ったもので、実は小さな標本だ。しかし拡大するとこの輝きが何とも美しい。見ているだけで心が温かくなる気がする。 産…

相模湖層群の地層模様

相模川支流の道志川の河原には相模湖層群(3500万年~1600万年前、新生代第三紀)の岩盤が露出している。基本的に泥岩と砂岩からなっており、よく見ていくと実に興味深い模様がみられる。先日は泥岩砂岩互層に縦横に断層線が入ったものを紹介したが、今回は…

オオバノイノモトソウ

シダ植物は、被子植物にない不思議な佇まいで、興味をそそられるものも多い。しかし、目立つ花が咲くわけではなく皆似ている印象がある。そのため特徴があって確実に見分けられるものを紹介したい。 画像のものは、丹沢山地の杉林の林床に群生していたもの。…

クマよけフェンスの植物

丹沢山地のふもと(厚木市)の集落をつなぐ道路。「クマにご注意!」の立て看板にビックリして足が止まった。今年は長雨や猛暑だったし山の実りも少ないのか…。しかし、道沿いにフェンスがあり「電気柵設置」とある。これならまあ大丈夫だろう。また歩き出し…

コンギク(紺菊)

今の時期近所の民家の庭先などに咲いている青紫色の菊。この色はコバルトでもターコイズでもいわゆる紺色でもない、何というのだろう。晩秋の弱い陽光にもよく映える。 画像はその中で一番大きくて色が鮮やかだったものだ。野山に多いノコンギク(野紺菊)の…

遅いナンテンハギの花

この植物の花期は6月から10月とされる。近場では10月初めぐらいに盛りを迎えて、今は3㎝ぐらいの小さな莢の豆に変っている。画像のものは少し山間部に入ったところで見つけたもので、まだ花盛りだ。葉に朝露が下りるような季節なのにちょっと遅い。ここのと…

カニクサ

シダ植物。ツルがあるし、葉がセンダングサなどに似ている。胞子が付いているのを見たことがない。色々なところに生えており、庭の雑草と一緒に草叢になっていたりする…。などのため、普通の被子植物だと思っていた。 よく見ると、一部の葉の先から指のよう…

ヤマブドウ

相模川の城山より上流は山が多くなり、津久井の町から幹線道路を外れると道の周りは自然の雑木林になる。今は紅葉が始まっており、晴れた日に歩くと何とも気持ちが良い。そんな道の林縁の茂みにヤマブドウを見つけた。 近づくと栽培種の巨峰と似た粉を吹いた…

アキノタムラソウ

多摩丘陵の畑の近く。朝露が残る草むらは寒さで勢いがなくなってきた。その中で紫の花が一本ヒョロリと立っていた。タムラとは群れる様子を指すが、近場ではなぜかポツンと離れて咲いている。花は長い花穂に段々につくが、風で折れたかもう1段しか残っていな…

招かれざる木

街を歩いていると、路側帯の植え込みの中や、民家の生垣から延びている「招かれざる」木を見ることがある。以前紹介したクワ科もそうだが、並木や色々なところに残っている大木から、種が風や鳥に運ばれてとんでもない所に芽を出した木だ。 その代表が同じニ…

相模湖層群の砂岩泥岩互層

先日紹介した城山から5㎞ほど相模川を遡ると、支流である道志(どうし)川が合流する。川沿いには、黒い泥岩と白っぽい砂岩が交互に積み重なった互層(ごそう)が露出している。強い圧力を受けており、泥岩は層状で固くなり薄板を重ねたような頁岩(けつがん…

アメリカイヌホオズキ

白花で夏が盛りのイヌホオズキに対して、今頃まで咲いている類縁種である。草丈は50㎝ぐらいだがよく分岐して大きく広がっている。夏草が枯れてきているので目立つようになった。花は径1㎝とやや小ぶりだがたくさんついている。花びらの周辺に紫がかかってお…

シャクチリソバ

このところずっと小春日和である。先日は晴天の元、ソバの収穫の援農をした。ソバの花は9月下旬が見ごろであったが、今は実に変わっており、枯れ始めていた。 さて、画像の花は圃場の周辺の斜面に群落を作っていたものだ。花だけ見るとソバそっくりであるが…

禍々しい枯草

河川敷の一段上がったところに枯れた背の高い草が林立していた。青空をバックに全体に真っ黒に見える。3m以上あり、先端は不自然に曲がった棘のある鞭のようで、茎の途中にギザギザした塊が付いている。葉は萎れて辛うじてへばり付いているだけだ。何かアメ…

キダチダリア

小春日和の青空に映える。画像のものは高さが2階建ての屋根ぐらいなので4-5mはある。最大8-10mまで成長するそうだ。昔初めて見た時、この巨大さと晩秋から初冬にかけて咲くということが信じられなかった。 派手な花が下向きに咲くが、見上げるとちょうど目…