植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

狭山丘陵の植物10月中旬

狭山丘陵は最高点196m。私のホームグランドの多摩丘陵(最高点220m)とほぼ同じで植物相も似ている。多摩川と武蔵野台地を挟んだ北側になる。古くから開けた地域で、いわゆる里山である。延々と続く尾根道は、頭上を高い樹木が覆っており、時々切れ間から日が差す程度でかなり暗い。路側にヌスビトハギやノブキが多いのは、種がいわゆる引っ付き虫で、人に付いて運ばれたからだろう。

 

ユウガギク(画像トップ)

秋の花を代表するノギクの一種。花期は7~10月とやや早め。日向を好むので、この尾根道では木々が大きく開けたところで見られる。ノギクは皆よく似ているが、淡い紫色の花ビラがやや細長く整った形をしており、下の方の葉の切れ込みが大きいなどの特徴がある。葉を揉むと柚(ゆず)の香りがするとのことだが、良く分からない。

 

シロヨメナ

林縁でよく見られる。こちらは木漏れ日ぐらいしか当たらない暗い場所に多い。花期は8~11月。花は白色。普通のヨメナ(カントウヨメナ)は青紫色の花で、田園の周りなど日当たりが良く湿った場所を好む。

 

シラヤマギク

丘陵地など乾いた草地に多い。草丈は1~1.5mあり、草むらから花が突き出している。花が不ぞろいなところが野生的である。まだ暑い夏の頃からよく見られる。

 

アキノノゲシ

花は淡黄色。丘陵地の平地に近い草地で咲いていた。日当たりの良い所では2m近くまで大きくなることがある。

 

キバナアキギリ

尾根道を歩いていると時々見られる。シソ科で黄色い花が眼を引く。草丈は30~40cm。花期は8~10月。

 

タカアザミ

谷戸の水田の近くで出会った背の高いアザミ。近くに寄れなかったのだが草丈は2m以上ありそうだ。多数分岐した花茎は皆下を向き、紫色の花をつける。先日のハチオウジアザミとは明らかに違う。

 

ササクサ

尾根道の足元は暗くアズマネザサが多い。それによく似た葉でまぎれるように生えている。イネ科の多年草。

 

イヌアワ

イネ科の多年草。木漏れ日が差し込む林縁のようなやや暗く湿り気のある所を好む。種にトゲがあり、これも引っ付き虫の一つ。

 

ボタンクサギ

丘陵を降りてきて民家に近くなった草むらの中で咲いていた。クマツヅラ科。花の香りはスッキリした良いものだが、葉を揉むと独特の臭気がする。中国原産の落葉高木。

 

ヤマハギ

マメ科の落葉低木。花は万葉の昔から愛でられており、秋の七草のハギはこの植物である。雑木林の縁で見つけたのだが、本物のヤマハギかどうかは自信がない。

木の実草の実10月中旬

狭山丘陵の尾根道に至る路は種々の低木が混じった雑木林になっている。そこでゆっくり歩きながら見つけた木の実草の実。

 

ウメモドキ(画像トップ)

モチノキ科の落葉低木。葉や枝ぶりがウメに似ているのが名前の由来とのこと。花期は6月。ツヤのある赤い実は葉が落ちても残る。

 

オトコヨウゾメ

ガマズミ科の低木。ガマズミに似た実はやや細長く垂れさがる。花期は5月。いわくありげな名前の由来は不明。2~3個の実がまとまってぶら下がって美しいのだが、あまり良い画が撮れなかった。

 

サルトリイバラ

落葉つる性植物。茎には巻きひげとトゲがある。果実は径7mmほどでもっと赤くなる。サルトリイバラ科。

 

ガマズミ

ガマズミ科(APG分類)の落葉低木。4mほどの大きな木も見かけた。5月頃の白い花も美しいが、冬まで残る赤い実もなかなかのものだ。緑茶色の毛の生えた実は虫コブである。ガマズミミケフシタマバエという小さなハエの寄生によるものだそうだ。

 

カマツカ

バラ科の小高木。花期は5月で白い5弁の花。実は径1㎝と小さいが、リンゴを思わせる色と形をしている。

 

ヤマノイモ

ヤマノイモ科のつる性多年草。日本原産。花期は7月頃で、白い小さな粒のような花をつける。雌雄異株。実は円い3枚の稜(翼)があり、中から丸い翼を付けた種が出る。葉は細長いハート形。

葉の根元にムカゴ(小さな芋状のもの)をつけ、これからも芽を出して殖える。

 

オニドコロ

ヤマノイモと似ているが、芋は食べられない。葉はヤマノイモより大きく幅広のハート形。実は楕円形で三つの稜がある。ムカゴは作らない。

ススキとオギ

秋晴れの連休、少し足を伸ばして狭山丘陵(東京都と埼玉県にまたがる広大な丘陵地)を歩いた。昼下がりにオレンジ色を帯びた秋の陽光を浴びたススキは、順光でも逆光でもなかなか良い。

 

オギというそっくりな植物がある。イネ科ススキ属で、どちらも2mほどになり穂の感じがよく似ている。以前から気になっていたのだが、今回まとまって生えているところを見つけた。

丘陵地の谷筋は水田になっており、その畔(あぜ)や周辺の湿地のようになっている場所である。乾いた野山に多いススキとは異なっている。

 

見た目の違いは、オギが地下茎を出して広がるため、1本ずつ少し離れて穂を出している点である。下側の葉が少なくそれぞれ独立しているのが分かりやすい。一方ススキは株立ちして何本も穂を出す。下の方の葉も多い。

 

一つ一つの花も、オギはノギ(芒、実についている長いトゲ状のもの)がないなどの特徴があるが、今回は未確認。もうこれでススキと混同することはないだろう。

秋草の花:10月初旬

里山や丘陵地散策で見かけた野草の花。イネ科など地味なものが多い。

 

ヌカキビ

イネ科。草丈は1m以上。湿地の草むらで、多数分岐した花茎の先に小さな小穂を付け、緑色の雲霞のような花穂を形成する。キビの仲間で、小穂が小さいところを糠(ぬか)にたとえたもの。花期は8-9月。

 

アブラガヤ

カヤツリグサ科。花期は8-10月。草丈は1.5mぐらいになり、油で煮しめたような茶褐色の大きな穂が目立つ。日本固有種で湿地などに多く見られる。

 

コブナグサ

イネ科。やや湿った場所を好む。丸っこい葉の形が魚のフナを思わせる。細長い穂が何本にも分岐して付く。花期は9-10月。

 

ヌメリグサ

イネ科。湿地や水田の周囲に生える。葉をもむとヌルヌルする感触があるのが名前の由来。花序は1本の細長い棒状。日本全国に普通に分布するが、地味な存在で、気づいたのは初めてだ。

 

イボクサ

ツユクサ科の水田雑草。湿地の草むらに紛れ込んでいた。花びらは3枚で先端が紫に色づく。赤紫色のボカシは和風の趣がある。花期は8-10月。

 

アキノウナギツカミ

湿地一面に広がっている。ボール状の集合花である。花茎にトゲはないが、茎に下向きの小さなトゲが並ぶ。ヌルヌルのウナギも掴めそうというのが奇妙な名前の由来だ。タデ科。ミゾソバとは葉の形が違う。ママコノシリヌグイは鋭いトゲが目立つ。

 

ツリフネソウ

湿地の奥で咲いていたため先日は遠景しか撮れなかった。これは望遠レンズで撮りなおした画像。クルリと丸まった距(きょ、ミツが溜まるところ)が写っていないのは残念。

アザミの仲間2種

丘陵地歩きで最近出会ったちょっと珍しい花。

 

タカオヒゴタイ

丘陵地の暗い林縁で草むらから花茎が伸びて固まって花をつけていた。草丈は50㎝程度。キク科。頭花は径2㎝ぐらいで白い鞘に入った紫色の筒状花が多数突き出している。総苞は2㎝弱の釣り鐘型。多摩丘陵に多いカシワバハグマやコウヤボウキに似ている。花期は9-10月。

 

東京都八王子市の高尾山で最初に発見されたのでこの名がある。その一帯から多摩丘陵にかけて分布する特産種。ヒゴタイはキク科トウヒレン属の植物の名前。

 

ハチオウジアザミ

八王子市で発見され、2012年に新種として登録された日本固有種。丘陵地の谷(谷戸、やと)の出口で水が湧いて湿地のようになっている場所に群生している。

 

草丈は1.5m以上あり、枝を多く出して花を多数つける。円錐形の花序である。花はタイアザミに似ているがやや小ぶりで下向きに咲く。ストロン(匍匐ほふく枝)を出して増える。

里山の野草9月末

湧き水の多い里山公園を歩いて見かけた初秋の花。多種類の花が時期により次々と入れ替わる。皆ごく小さく地味でともすれば見落としてしまう。

 

ヤマホトトギス(画像トップ)

花びらが反り返っているのが特徴。花序(花の付く枝)が分岐して階段状に花がつく。これも仲間のホトトギスやタイワンホトトギスとの違いだ。ユリ科。林縁の暗い場所なので撮影が難しい。

 

ノササゲ

暗い林縁の草むらで目立つ黄色い花。長さは約2㎝で下向き、数個で房状になっている。先端はマメ科特有の蝶形で、先日のノアズキのように捻じれていない。作物のササゲは紫や白の花で、小豆の代用とされる。

 

ヤブマメ

つる性。名前の通りヤブに絡まっていることが多い。葉は3小葉でやや尖った感じ。花は白くて先端が紫色。一部の花はピーナッツのように地中にもぐって実を付ける。

 

ミゾソバ

湿地に広がっている。草丈は50~60㎝。葉の形から別名ウシノヒタイ(牛の額)という。タデ科。白い花びらに赤い口紅を付けたような可憐な花だ。

 

ツリフネソウ

ミゾソバと共に群生している。赤い舌状の花がツリフネソウ。湿地の奥だったので足場が悪く近づけなかった。ツリフネソウ科。この花も変わった形をしている。

 

ヒメクグ

小池の周囲に多い。草丈は20~30cmと小さく、花茎の先に丸い穂を一個だけつける。緑一色でよく見ないと分からない。カヤツリグサ科。「クグ」とはカヤツリグサの一種の古い名前。

 

シロバナツユクサ

青紫色のツユクサに交じって咲いていた。たまたまの変異ではなく遺伝的に固定しているとのこと。

田園周辺の花:9月中旬

台風25号が通過した翌日。久しぶりの青空のもと都市近郊の田園地帯を歩いた。いつの間にかイネは黄金色に変わっていた。その片隅やあぜ道などで見られた花。

 

コナギ

見落としそうな小さな花。青紫色が鮮やかだ。花期は8~10月。ミズアオイ科で、ホテイアオイ(外来種)の仲間だ。稲作とともに日本に入ってきた史前帰化植物とされる。繁殖力が強く農家さんにとっては厄介な雑草だ。

 

オモダカ

独特の矢じり型の葉が特徴。花期は8~10月。白い花弁は3枚。オモダカ科。クワイは塊茎を食べる栽培種である。

 

ヤナギタデ

かじると一拍おいてピリッと来る。タデの仲間は種類が多いが唯一辛みを持つ種で、赤い芽生えは薬味に使われる。意外と普通に生えている。

 

シロバナサクラタデ

日本全国の湿地に生育する。花期は8~11月。枝先の長い花序は数個の花を付け垂れ下がる。何本か絡むと美しい。

 

ヒガンバナ

ちょうど秋のお彼岸に当たり満開だった。原産地は中国で、古い時代に渡来したもの。球根でしか増えない。あちこちに散らばっているのは、かつて植えられたものが消え残ったのだろう。

 

ニラ


8月末ごろから花が見られた。田の脇にある土手の斜面に一面に広がって花をつけていた。

 

アキアカネ

俗に赤とんぼと呼ばれる種類だ。たまたま飛んできて眼の前にとまった。オスメスが丸くつながっている。上になっている腹部(シッポ)が赤い個体がオス。下になっている薄茶色のがメスである。交尾が済むとそのまま水辺に飛んで行き、ホバリングしながらメスが腹を伸ばして水面にたたきつけ産卵する。都市近郊ではずいぶん数が減ってしまった。