セツブンソウ

f:id:M_majipan:20190220202235j:plain

 先日四季の森公園の観察会に参加したのは、セツブンソウ(節分草)が見たかったからだ。昨年は3月初旬に行ったところ、花は枯れて葉だけが目立っていた。今年こそはと期待したが、寒風の中1輪だけ咲いており、それもあまりに小さくて寂しげであった。

 1週間後に再度見に行くと、暖かい日があったせいか花の数が3,4輪に増えていた。咲いているのは石垣の上の急斜面で、近づけないようになっている。不届き者から守るためには仕方がないと思うが、私の小さなデジカメのズームでは撮影は大変であった

 というわけで,苦労してやっと撮れたのが上の画像である。逆光だしピントが合っていないので、花の詳細は分からないと思う。

 しかし、今回はこの花のたたずまいを見てほしい。

 花の少し下の茎の途中から柄のない葉が一対出ている。葉は切れ込みが深くて掌のようである。春の気配を感じてひょいと顔を出した小さなイキモノが、「ばあっ」と言っているようではないか。

 ちょうど童話のムーミンに出てくる「ニョロニョロ」のようである。ネットで検索すると、案の定、この花をニョロニョロに見立てている人がいくつも見つかった。皆考えることは同じである。

 キンポウゲ科で、例によって白い花びらに見えるのは萼片だ。紫色の雄シベの周りを、花びらが変化した黄色い蜜腺が首飾りのように取り巻いている。その見事な造形はネットで美しい画像がたくさんあるので参照されたい。

新型虹発生装置

f:id:M_majipan:20190219212013j:plain

 

 これも四季の森公園で見たもの。草木の花を探しに行ったのだが、設置されている噴水にきれいな虹が出ていて思わず見とれてしまった。

 よくある噴水と異なり、霧状に噴霧するタイプの新型のようである。最初から虹を出すように設計されているのかもしれない。

 陽光はようやく春めいてきたが、虹はまだ淡い感じだ。いつ見ても神秘的なものが感じられて引き込まれる。右側の親子には見えているのだろうか。

何の葉?

f:id:M_majipan:20190216185529j:plain

 二月半ばとはいえまだ真冬の寒さである。四季の森自然公園の南向き斜面に青々とした葉が茂っていた。水仙に似ているが、葉にツヤがあって主脈部に筋がある。以前から何の植物なのか気になっていた。

 観察会に参加して初めてヒガンバナの葉だと知った。秋に花だけ咲き、その後葉が出て冬の間茂り、春には枯れてしまう、ということは知っていた。しかし花の頃とは全く様変わりで、同じ植物と思えなかった。

 比較のため秋の花盛りの様子を示す。(2017.9 大和市

f:id:M_majipan:20190216185544j:plain

 種ができないので、もっぱら球根で増える。従って、この花は全て人によって植えられたものである。しかしイメージは立派な「野の花」だ。秋の野の景色を思い浮かべるからかもしれない。

 一度この葉が見分けられるようになると、民家の庭先などに植えられていることがわかるようになった。やはりヒガンバナが好きな人は多いようだ。

タチヒダゴケ

f:id:M_majipan:20190216183650j:plain

 ケヤキの樹皮に着生していた。指摘されないと樹皮がちょっと緑色になっているようにしか見えない、小さなコケだ。神奈川県立四季の森公園で、里山研究会の観察会に参加して教えていただいたものである。

 コケは独特のみずみずしい緑色と柔らかい感触が昔から好きだ。スギゴケの仲間は頭にサクという丸っこい胞子嚢をつける。これには帽子のようなフタがついていて、熟すと外れて中から芥子粒のような胞子が出てくる。子供の頃、つついて遊んだ覚えがある。

 このコケは眼を凝らしてみると、全体が卵を立てたような形で、筋のあるニット帽のようなフタをつけていることわかる。今の時期は乾燥しているので丸まっているが、温かい季節はもう少し葉(?)を広げているようだ。名前は、「立ち」上がって「襞(ひだ)」のある帽子をつけることから立襞苔とのこと。別名コダマゴケ(小玉苔)。

 極小ながら見れば見るほど愛嬌のある造形である。こういう世界もあるんだなと再認識した。

博物誌:プリニウスと皇帝

f:id:M_majipan:20190216152148j:plain

 ブログの題名にちなんで雑学を一題。

 「博物誌」といえば、古代ローマプリニウス(AD23-79)のものが有名だ。帝国の高官でありながら森羅万象に好奇心を燃やし、広大な地中海世界を旅して膨大な著作を残した。ヤマザキマリとり・みきさんのコミック「プリニウス」では、科学者的な変わった人物として描かれている。博物学の祖ともいうべき人である。

 プリニウスは皇帝ヴェスパシアヌスと親密で、その理解を得て博物誌37巻を著した。この皇帝は大変勤勉で、皇帝ネロの暴政後の混乱を収拾して帝国を繁栄に導いた名君なのだが、ちょっと変わっている。(おやじ)ギャグが大好きなのだ。コミック中でも、属州総督時代の皇帝がプリニウスと再会したときギャグをやって、同行者に「ローマの高官の変人がたまたま二人揃ってしまっただけだ」とあきれられている。

 

 画像は同時代に造られたデナリウス銀貨(ホンモノです)に描かれた、皇帝ヴェスパシアヌス(在位AD69-79)である。見ての通り丸頭のオッチャンだ。しかしその眼光と引き締まった口元はやはりただ者ではない。

ごあいさつ(題名変更)

f:id:M_majipan:20190213072437j:plain

                       (雪割草 相模原市 2017.3.27)

 Mマジパンです。このブログも100回目となりました。どうせ続かないからと、ちゃんと題名をつけておりませんでした。この節目に、今後は「近場の博物誌(ちかばのはくぶつし)」にしたいと思います。よろしくお願いします。以下はその由来についてです。

 

 博物学は動物、植物、鉱物などの自然物を記載したり分類したりする学問だ。歴史的には、各専門分野に分かれる前の総合自然学みたいな位置づけになる。そして、博物学の成果を豊富な図版とともに記載したものを「博物誌」と呼ぶ。

 もちろん学問とか大それたことは考えていない。植物や鉱物については、子供のころから好きで永年採集したり本を読んだりしてきた知識のみで、全く素人だ。自分なりに調べて書いているつもりであるが、資料的価値はないと思う。

 

 「近場」(自宅から公共交通で日帰りの範囲)の自然界の森羅万象を、自分の興味のままにデジカメに収め、ネットや本で調べて、納得したり、驚いたり、素朴に感心したりしたことを紹介していきたいと思っている。

 なお、このブログは花の画像から始まりコメントも付けやすかったので、「野の花」のカテゴリーが多くなってしまった。今後は他のカテゴリーも増やしていくつもりである。

マンサクの花

f:id:M_majipan:20190211210440j:plain

 早春の木の花の中でいち早く咲く。周りがみんな枯れているのでよく目立つ。この寒いのにもう満開に近いようだ。画像は里山公園のものだが、民家の庭などでも見かける。もともと日本で自生していたもので、赤花種などいろいろ園芸品種もある。

 名前については、「まずさく(先ず咲く)」が訛ったという説が面白い。万作という字があてられているが、豊年満作の意味も込められているのだろう。

 黄色い花弁と赤黒い色の萼片が4枚ずつある。花びらがちょっと失敗した錦糸卵みたいでヨレている。非常にユニークな造形で、宇宙生物に見えなくもない。

 しかしこの黄色い花びらは、陽の光が当たると何とも言えない暖かい色合いになる。冬には貴重である。よく植えられていて人気があるのもうなずける。