植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

アタミカンザクラ

郊外の公園。色々な花木が植えられていて、次々と咲いていく。ウメはほぼ散っており、ツバキやカワヅザクラも終わりかけだ。今は別の種類の早咲きのサクラが満開になっている。名前は熱海寒桜とある。5,6羽のメジロが来ていてゴソゴソ動き回っていた。

 

薄紅色の花が大きな花房になっている。花びらは一重で完全には開かない。熱海市のHPによると大寒桜とも呼ばれ、カンヒザクラ(寒緋桜)とオオシマザクラ(大島桜)の交雑種と考えられている。1月下旬から2月上旬の真冬に咲くあたみ桜という種類もあるが別種のようだ。カンザクラには多くの種類があり、土地柄や気候により咲く時期が異なるのでややこしい。

 

このサクラはソメイヨシノより一週間位早く咲く。花の季節もいよいよだ。

3月初旬の花

春を通り越して初夏を思わせるような日があったと思ったら翌日は真冬のような冷たい雨が降る。極端な気温の変化は温暖化によるものなのか。均せば暖かい方になるだろう。様々な植物の固いツボミが動き出した。2月末から3月初旬の花。

 

ネコヤナギ(画像上)

 白銀の産毛(うぶげ)に覆われたツボミは暖かそうである。一つ二つ花が咲き始めている。

 

ハナモモ(画像下)

 いつもの街中の川の護岸や中州に木が生えていて花を付けている。どこかの庭から実(種)が流れてきて野生化したものか。

 

フクジュソウ 

真冬に花が咲く草は貴重だ。多彩な園芸種を見かける。

 

アセビ 

近づくと甘い香りを感じる。地味な木だが、今の時期は花が咲いて民家の庭や雑木林の中など至る所に生えていることがわかる。最近は派手な品種もある。

 

ミツマタ 

小さいツボミは銀色をしている。すぐに大きくなって、開花すると花びらは明るい黄色だ。

 

キブシ 

まだツボミがわずかに膨らんだ程度だ。今後暖かい日があると一気に花房が伸びて垂れ下がる。花が木全体をおおう様子は早春の風物詩だ。

 

ヒヨドリ

里山の畑にヒヨドリの群れが来ていた。10羽ぐらいが、トラクターが走った後の野菜の残渣をつついている。圃場に残ったプロッコリーが花を付けており、花びらやつぼみも食べているようだ。

 

ムクドリと同じぐらいの中型の鳥で全身が灰色だ。曇りの日などは黒っぽく見えて見分けるのが難しい。目の後ろの赤茶色い丸印と胸のまだら模様が特徴。画像でははっきりしないが頭に短い冠毛があり、逆立ってモヒカンのように見えるときがある。

 

名前の由来は「ヒーヨ」と聞こえる鳴き声からとされている。私は息を吸い込んでする口笛のように感じた。飛び立つときに鋭くさえずる。よく通る声なので何度か聞いているうちに聞き分けられるようになった。

 

都会に適応した鳥で、年中見かける。雑食性。木の実や昆虫などなんでも食べる。街中は民家の庭などで実を付ける樹木が豊富だ。最近は野良猫のような天敵もいなくなって安全なのだろう。

ウメの蜜にメジロが来る

強い北風が吹いて寒い日の午後、郊外の公園の梅林に行った。いま満開だが人はほとんどいない。先日街中のカンツバキに来るメジロを撮ろうとしたがうまくいかなかった。今日はそのリベンジだ。予想通り5、6羽の群れがいた。花の中を動き回って一心不乱に蜜を吸っている。ちょっと近づくぐらいでは前回のように逃げていかない。

 

頭から羽根にかけて黄緑色で柔らかい若草を思わせる。腹側は茶色がかった白。喉のあたりとおしりが黄色い。目の周りの白い輪が特徴的だ。小さな黒いクチバシがちょこんと付いている。ストローのようにして花の蜜を吸っているのだろうか。

 

冬の間、蜜源の花はサザンカ(カンツバキを含む)から始まり初春のウメに移る。これからは早春のツバキだ。近くの神社のヤブツバキの大木がポツリポツリと花を付け始めていた。

コガモのダンス

穏やかな冬晴れの日。いつもの街中の川。おなじみコガモたちが何やらワイワイやっている。オスの「チッチッ」という高い鳴き声がいくつも聞こえる。どうやら今年も恋の季節が始まったようである。

 

1羽のメスの周りを5-6羽のオスが輪になって泳ぐ。川の中なので流されて輪は伸び縮みし、崩れたりまとまったりを繰り返している。その間メスは中心でじっとしており、たまに「クワックワッ」と声をたてる。気がなさそうだと次のメスに移っていくようだ。

 

今の段階ではまだカップルはできていない。カップルが固まり始めるのは3月から。気が合って相手が決まると求愛ダンスを始める。伸びあがって奇妙なポーズを取り合うのを何度か見たことがある。その後は2羽でいて、ゴールデンウイーク頃に連れだって北へと旅立つ。

雪の日の翌日

 

先週、雪が降った日の翌日。暖かい陽が差して雪はかなり溶けた。いつもの街中の川沿いに歩いていると、見慣れない小鳥が飛んできた。大きさはスズメくらい。少し緑がかかった薄茶色で尾がオレンジ色の丸っこい鳥である。初めて見るものだ。低く飛んで木から木へと渡っていく。追いかけて何枚も写真を撮った。

 

面白いことに、同じ日に何キロも離れた別の住宅地の公園でも同じ種類の鳥を見た。その時は「ヒッヒッ」か「キッキッ」と聞こえる電子音のような鳴き声を立てていた。

 

目が大きくて丸く、周りが白いリングになっていて、熊本の「くまモン」的な愛嬌がある。ところがこれが何者かわからない。色々調べたが一致するものがいない。雪を降らした低気圧に付いてきた南方の迷鳥か?‥しばらく放っておいた。

 

その後、図鑑を眺めていたら小さく写真があり、やっと正体がジョウビタキのメスとわかった。そんなに珍しい鳥ではない。派手なオスに比べるとすごく地味。共通するのは両側の羽根の真ん中にある白点だが、上の画像では木の枝で隠れている。わからないはずだ。羽根の白点が見える画像を下に示す。暗い木の中にとまったので逆光になってしまった、次はちゃんと撮りたいと思う。

 

 

カンツバキにメジロが来る

街中を歩くと民家の庭などでカンツバキが咲いている。盛りは過ぎているが厳寒の今頃には貴重な彩(いろどり)である。そこにスズメより小さな鳥が飛んできた。目の周りが白いのでメジロのようだ。画像の左下に写っている(下に拡大図)。

 

メジロ科。頭から羽根が黄緑色で喉から体の下側は黄色である。見た目はウグイスによく似ている。留鳥で、年間を通じて街中でもよく見かける。今頃ウメやカンツバキの花に来るのは蜜を吸うため。花粉を運ぶので授粉にも一役買っている。夏場は虫も食べている。

 

目で追っても葉と紛れてすぐ見失ってしまう。非常に敏捷に動き回り、高速で飛び去る。今回も慌ててカメラを取り出してシャッターを切ったのでピンボケになってしまった。来る木がわかったので、次こそはちゃんと撮りたいと思っている。

 

なおカンツバキは「ツバキ」という名前だが、冬に咲くサザンカの仲間である。本物のヤブツバキは近場では初春の花で、今はまだつぼみが膨らんだぐらいだ。