植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

里山初秋の花:9月初旬。

肌寒い小雨が続く。あれほど繁茂していた夏草も勢いがなくなり、枯れ葉が目立つようになった。最近よく行く湧き水の多い里山公園を歩いた。

 

ヤマジノホトトギス

林縁の足元で見つけた。花びらが水平に開き、花柱(花の中心の白い柱)に斑点がない。よく似たヤマホトトギスは花びらが反り返る。ユリ科。「ヤマジノ(山路の)」に出会ったのは初めてだ。

 

ハナタデ

湿った場所に生えていた。草丈30~40㎝。花期は8~10月。楚々とした佇まいである。良く生えているイヌタデよりは派手だ。

 

ノダケ

暗い雑木林の林縁に花穂を伸ばす。濃赤紫色の花は光線によっては黒く見える。セリ科。関東以西の山野に自生。花期は9~11月。

 

タイアザミ

春のノアザミに対して、晩夏から秋にかけて最も普通に見られるアザミ。花は上を向かず、横向きが多い。総苞片(花の根元の膨らんだトゲトゲ)は反り返る。

 

クズ

夏の終わりごろ葉の下に花房を付ける。甘い香りが強い。秋の七草の一つ。かつては至る所に蔓延っていたが、食害する虫(コフキゾウムシなど)が増えて落ち着いてきた。

 

ノアズキ

花に対称性がなく捻じれている。よく似た種類にヤブツルアズキ(大型)がある。日本原産のアズキ(小豆)の原種だ。この植物は三小葉がひし形なのでノアズキと判断した。ヤブツルはやや大型で小葉が三裂する。

 

シュロソウ

林内の日陰に大きな花序を出していた。暗すぎて露出が悪い。花は直径1cmぐらい。花期は6~8月。緑色の実ができている。シュロソウ科。

ウオーキングで出会った花:8月末~9月初旬

9月に入って雨模様が続き気温も低くなってきた。湿度が高く、少し歩くだけでも大汗をかきしかも乾かない。ウオーキングがしたいのだが最悪のコンディションである。今回は主に8月末に街中や郊外を歩いて出会った花。秋の気配を感じる。

 

メマツヨイグサ(画像トップ)

駅前の空き地で見つけた。日没とともに開花し、朝には萎れるが、雨だったせいか10時頃でもまだ咲いていた。草丈は1.2m、花の直径2~3㎝。アカバナ科。北米原産の帰化種。オオマツヨイグサやマツヨイグサはツボミが赤っぽく、花の大きさや付き方が違う。

 

ニラ

秋の気配がすると急に目立ち始める白い花。農村地帯に多いが、街中でも道端で見かける。かつては畑だった証拠だ。

 

シンテッポウユリ(8/23)

駅の線路際にずらりと並んでいたもの。最近は雑草化してどんどん増えている。今は全て散って濃緑の実になっている。

 

ヤブラン

夏の雑木林の林縁ではおなじみ。民家の庭でも見かける。キジカクシ科。花期は8~10月。

 

アキノタムラソウ

好きな色の花だ。雑草にまぎれていても目立つ。花期は7~11月で、夏から咲き続けるが秋が本番。シソ科。

 

ツルボ

郊外の神社の境内で草が刈られた斜面に群れ咲いていた。キジカクシ科。春に葉が出て一旦枯れ、初秋に2,3枚の葉を出して一斉に花穂を伸ばす。下の方から薄紫色の花が咲いていく。

 

ジンジャー

要するに花を観るショウガの園芸種。畑の縁に植えられていたもの。ショウガの特徴があるスッキリした甘い香りだ。

 

シマツユクサ

沖縄から九州南部に自生するため「島」ツユクサ。最近は本州各地に広がっている。花も葉もツユクサより小さめで薄い色。

雑木林の木:8月末

住宅地の中に取り残された小高い丘陵地。雑木林に覆われ土の尾根道が通っている。多様な種類の木々が見られるので時々歩いて回っている。真夏は葉ばかりが繁っているように見えるが、8月末にもなると季節の変化が感じられる。

 

コウヤボウキ(画像トップ)

薄暗い林間の道の脇に草むらのようになっている。背が低く枝が細いので草かと思えるが木である。しかもキク科。ポツポツと花が咲き始めている。

 

ゴンズイ

秋の林を彩る派手な木の実の先駆けだ。赤い袋のような実がはじけて、ツヤのある黒い種皮に覆われた種が出てくる。ミツバウツギ科。

 

マユミ

まだ緑色だが小さな袋のような実がたくさんできている。もう少し大きくなるとピンク色に変わり、裂けて赤い種が見えるようになる。ニシキギ科。

 

クヌギ

近場の雑木林には必ず何本かクヌギの大木がある。今はまだ小さく青い実だ。一番大きなドングリになる。

 

コナラ

この雑木林では一番多い木だ。一時ナラ枯れが広がって古木が減ってしまったが、入れ替わりで新しい世代の木が育っている。

 

クサギ

8月中咲き続けていた。白く地味だが近づいて見るとなかなか美形の花である。シソ科らしく香りも良い。よくチョウが蜜を吸っている。

里山の花8月中旬

このところよく行く里山公園。雑木林に覆われた丘陵地で山裾に水が湧いており湿地になっている。季節の進行とともに特有の植物が次々と入れ替わっていく。

 

キツネノカミソリ

今頃が花の盛りだ。林縁の草むらに点々と鮮やかな朱色の花が見られる。薄紫のコバギボウシと並ぶとなかなかカラフルだ。

 

カノツメソウ

薄暗い雑木林の下草から突き出して楚々と咲く白い花。葉が特徴的で、3枚の小葉からなる葉が3つ出る、2回3出葉というタイプだ。セリ科の特徴がありカノツメソウとした。漢字名「鹿の爪草」は根茎の形由来。花期は810月。

 

ウバユリの実

もう花が終わって緑色の実になっている。葉が落ちてしまい独特の外見である。緑一色の周囲に溶け込んでいる。

 

ヤマホトトギス

ユリ科ホトトギスの仲間。花期は79月。雄シベ雌シベが噴水のように突き出す奇抜な形にはいつも感心させられる。花びらは鳥のホトトギスの模様に似た赤紫の斑点が特徴だが、この個体は絵の具を塗りつけたような感じだ。

 

ミゾカクシ

湧き水で湿った場所で見つけた。独特の形をした花は図鑑などで知っていたが、こんなに小さいとは思っていなかった。ちょっと感激である。キキョウ科で、花は左右1㎝ぐらいしかない。5枚の花びらは細く薄紫色。そのうち2枚が「ハの字」になり、後の3枚がその間でやや小さく「川の字」を描く。葉も長さ57mmで左右互い違いに並ぶ。

 

キツネノマゴ

キツネノマゴ科。8月半ばになると林縁などで控えめな草むらを形成し、ポツンポツンと小さな2弁の花をつける。

 

ツリガネニンジン

林縁の藪の中から伸び出して倒れていた大きな花序。以前紹介した同じキキョウ科のソバナとは、花柱(雌シベの先)が長く突き出している点が異なる。花期は810月。

 

街の花8月中旬

8月に入ってから、雲が多く急に雨が降り出すような天候不順が続く。おかげで少し涼しくなった。街中や郊外の公園などを歩いて見かけた花。

 

シンテッポウユリ

駅の線路脇や道路沿いの植栽の中などに多く見られる。在来種のテッポウユリは純白の花で、花期も4~6月だから別のもの。台湾原産のタカサゴユリとの交配で作出された園芸種で、花期は7~9月。強健で成長が早く、各地で雑草化している。タカサゴユリの特徴である花びらの赤紫色の線が色々な程度で残っている。

 

サフランモドキ

ヒガンバナ科。放置された花壇などで野生化しているものをよく見かける。最近まで白花の類縁種タマスダレが全盛だった。薬用のサフランと誤認されていたのが名前の由来。

 

タカサブロウ

キク科。丘陵地にある田の周辺の湿地に茂みを作っていた。花より大きな緑色の実になる。葉が細長いので、おそらく帰化種のアメリカタカサブロウであろう。

 

オオフタバムグラ

街中の川。河川敷の焼けた砂地に咲いていた小さな花。全く目立たない。近づいてよく見ると4枚の花弁は紫色がかかっている。アカネ科。北米原産の外来種。

 

ハルシャギク

河川敷で群れ咲いていたオオキンケイギクに似た花。黄色い花の中心部と花びらの付け根が濃赤色の蛇の目模様。北米原産の外来種。花壇用が逃げ出して野生化したもの。「ハルシャ」とはペルシャ(波斯、今のイラン)の訛り。

 

カブトムシ

前回の里山公園。マウンテンバイクの青年が林縁の木をのぞき込んでいるのが見えた。後で近づくとなるほどカブトムシだ。角がなかなか立派で型がいい。コナラの木の樹液に集まっている。数えると5匹もいる(♂4♀1)。ハチ(スズメバチではない)が威嚇してきたので早々に退散したが、里山といっても周囲は高層マンションだらけである。少し驚いた。

 

更に歩く。数人の小学生男子が林の中に集まっている。「メッチャ、カブトムシ、いる!」という声が聞こえた。虫かごに入れて大事そうに持ち帰る子もいた。

 

夏休みは家の中でゲームばかりかと思っていたが、男の子がカブトムシにときめくのは昔も今も変わらないなと思った。

 

サルスベリ

 

サンゴジュの実

真夏の花:8月初旬の林縁

真夏の暑さが今週は一段落している。空が黒い雲で覆われ涼しい風が吹いてくると生き返ったような気持ちになる。そんな休日、里山公園の雑木林を歩いた。

 

オグルマ(画像トップ) 

漢字名「小車」、小さな車輪だ。キク科の在来種。丘陵地の谷戸など湿地を好む。草丈は30~40cm。花期は7~8月で、花の直径は3~4cm。一見小さなヒマワリのようだが、細い花びらが微妙にバラけているのと、中心部の花糸が長くてモールのように見えるのが特徴的。独特の野性味がある。

 

ダイコンソウ 

花や若い実がキツネノボタンに似ているが、キンポウゲ科ではなくバラ科。5枚の花びらと多数の雄シベを持つ。日本全国に自生。名前は根生葉(根元で地面に広がる葉)が大根に似ていることに由来する。これも拡大すると花の形が整っていない。

 

シラヤマギク

花期は8~10月。秋に次々と咲くノギクの仲間の走りだ。草丈は1.5mにもなるが今の段階ではまだ伸びておらず他の夏草にまぎれて咲いている。花びらの数や形が揃っておらず素朴な感じだ。

 

ミソハギ

華やかな赤紫色の6枚花弁が特徴的だ。ハギの仲間ではなくミソハギ科の多年草。日本各地に自生する。湿地を好み、里山の谷水田の畔などでよく見かける。花期は7~8月でちょうどお盆の頃。漢字名は「禊萩」で、仏花(盆花)として使われたため。

 

コマツナギ

マメ科の落葉低木。花期は7~9月。「駒繋ぎ」という名前は馬を繋ぐと大好物で離れなくなるためという。よく見るとハギのような花が美しい。

 

マツカゼソウ

ミカン科の多年草。明るい緑色で複雑に切れ込んだ葉が特徴で、林縁でよく見かける。花期は8~10月。白い花は花びらが4枚、小さくて地味だ。松風草という名前が秋風を思わせ爽やかである。