ソバ畑

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 ソバ畑が満開となった。この畑は広大な斜面に続いており、一面の真っ白な花がみごとである。風向きによっては肥料のような臭いがする。この花本来の香りだそうである。不快というほどのことはないが、もともと救荒作物であったこの植物の地味なイメージそのままである。

 これは「秋ソバ」という種類で、11月ごろ収穫する。援農で何度か刈り取りから脱穀までやったが、刈束を抱えて広い斜面を動き回るのでいつも大変疲れる。但し、ソバの実が粉になり、自分で打って食べる蕎麦は格別である。(毎年蕎麦打ちの講習会に参加しているが、未だにきれいに切れない。)

 関東地方の山間部の観光地では、祖先形ともいえる素朴なそばに出会える。奥多摩の御岳山の山頂付近にある蕎麦屋では薫り高い独特の蕎麦に感激したし、箱根の強羅ではツユではなく味噌と辛み大根のおろしで食べる蕎麦を堪能した。山の中の痩せ地でも栽培できるために、各地で発達したものなのであろう。

 いろいろ思い出していると、おいしい蕎麦が食べたくなった。

 

クズ(葛)の花

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 大きな葉の下に隠れているので目立たないクズの花。甘い香りと鮮やかな紫色で咲いていることに気づく。そこらじゅうに蔓延っているにもかかわらず、なかなか絵になる花がなかった。きれいだが花全体はちょっと爬虫類ぽい印象を受ける。

 

 クズで思い出すことその1。この甘い香りの成分は、ブドウと同じだそうである。全然違う植物なのに面白い。ちなみにファンタグレープにも使われている香料だ。

 その2。思い切り葉を広げて光合成している。できたデンプンは根にためこんでいる。いわゆるくず粉である。

 くず粉で作ったトコロテンみたいものに黒蜜をかけて食べるのが「葛きり」。京都祇園の名店「鍵善」で食べたが、とにかく甘かった。案内してくれた女性は「水上勉は二杯お代わりした」と言って薦めてくれたが、私は一杯で甘さで頭が痛くなってしまった。何かの間違いだったのだろうか。

 その3。葉など大柄の植物で成長力が旺盛である。時には山全体を覆ってしまい、もとからあった樹木を枯らしてしまう。秋の七草にも入っている由緒正しい植物であるが、ちょっと遠慮願う方法はないものか。

アレチヌスビトハギ

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 相模川べりの遊歩道を歩いていたら、この花が咲いていた。色だけ見ると萩みたいだが、明らかに花の形が違う。典型的なマメ科の特徴があり、花の中央に二つの緑色の目みたいな模様がある。接写すると結構きれいである。

 この花の名を漢字で書くと「荒地盗人萩」と結構トンデモナイ。悪意が込められているみたいなので調べてみた。

 野草にヌスビトハギというものがあるのは知っている。種の莢に鉤爪があり、衣服にくっ付く。いわゆる「引っ付き虫」の一種である。どうやらそれに似た実を大量に付け、始末に困るものらしい。しかも北米原産の侵入植物で、繁殖力が強く、造成地や河原などの「荒地」に急速に分布を広げているとのこと。ネットでは「警報」「駆除」などというワードが踊る。

 日本の繊細な自然や田畑がこれに侵害されていると思うと、私も何か憎たらしくなってきた。

センニンソウ

 

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                            (相模川自然の村)

 8月末ぐらいから咲き始めたこの花。急にあちこちで目立つようになってきた。白い花の塊が結構目を引く。そして近づくと甘い香りがする。初秋の空気の香りの一部をなしているようだ。

 花の後の実に突起があり、中国の仙人の髭に見立ててセンニンソウとのこと。つる性のキンポウゲ科で、クレマチスの仲間である。

 近縁の派手なカザグルマなどは絶滅危惧種だが、こちらは結構はびこっている。やはり地味に花を咲かせて空気として生きるのが正解なようである。

丹沢の有孔虫化石

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 有孔虫とは、石灰質の殻をもつ海洋プランクトンの一種である。多くは直径1ミリ以下の円盤形であるが、直径数ミリの大型のものやユニークな形をしたものもいる。南の島の「星砂」もその仲間の殻だ。大体熱帯から亜熱帯の海に広く分布している。

 何故これが「近場の地学」かというと、神奈川県の丹沢山地でこの生物の化石を含む石灰岩が採れると聞いたからである。一度見てみたくて、酒匂川流域の丹沢山地の河川の河原などを探しまわり、ようやく見つけた。

 画像は、その石灰岩の一部を研磨してスキャナーで取り込み拡大したものである。黒っぽい円盤や唇を思わせる形のものがそれである。大きさは1ミリ以下なので肉眼ではほとんどわからない。フリスビーの大小のディスクを二枚合わせたような形をしており、画像はそれを横から見たものになる。この形について、私は空飛ぶ円盤か、銀河星雲を連想するのだがいかがであろう。

 

 サンゴ虫は海水中のカルシウムを集めて石灰質のサンゴ礁を形成する。これが長い年月堆積して埋もれ岩石化すると、石灰岩になる。要するに石灰岩は太古のサンゴ礁の化石である。但し古生代中生代のもののようにあまり時代が経つと、石灰質が均一化してしまいサンゴの形が残らないものが多い。この石灰岩新生代のもので比較的「新しい」ため、サンゴ等の形が複雑な模様として残っている。そのサンゴの間を有孔虫が泳いでいてその殻も一緒に堆積したのであろう。

 ネットで調べると、神奈川県や博物館のHP等で「丹沢の化石サンゴ礁」という言葉が多数出てくる。門田正人という方の発見だそうである。丹沢の石灰岩を調べると、1500万年前に南洋で形成されたものとわかった。丹沢山地は大体火山噴出物の堆積岩である凝灰岩などからできている。総合すると現在のフィリピン付近の低緯度地方の海で海底火山の噴火により浅い岩礁や火山島が形成され、サンゴ礁ができた。その後、その火山島の乗ったフィリピン海プレートが北上して500万年前に日本の本州に衝突して日本列島の一部となった。有孔虫化石はその証拠である・・・何とも壮大な話だが、これ以上は別途書きたいと思うので、今回はこれぐらいにしておく。

 

ニラの花(その2)

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 ニラの花が満開だ。地味だが一斉に咲くと見ごたえがある。但しニラの畑ではなく、ネギ畑の傍らの農道みたいな場所である。他にも気を付けてみていると、いろいろな場所で見かける。ちょうど今頃、僅かにさわやかさを感じる風が吹き始めた、晩夏から初秋にかけての風物詩だ。

 ネットで調べていると、いろんな薀蓄が出てくる。種類的にはヒガンバナなどと近縁だそうだ。これで突然花が現れることも解せる。またニラの花のテンプラなんてものがあるとのことで、季節感を大事にする日本料理は素晴らしいと感じた。

ニラの花

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 例年秋口に畑の端や畦道に群生して咲いているこの白い花。近寄ると結構きれいなのだが名前を知らなかった。雑草として摘んでみてその臭いから初めてニラの花であることを知った。

 小さな花が半球形に集まっており、立体的で接写がうまくいかなかったので、一つ摘んでスキャナーで取り込むと画像のようになった。正多面体かサッカーボールのような花の配置である。

 この植物で不思議なのは、ちょうど今頃突然出現することだ。葉が地味で目立たないためかも知らないが、短期間に一気に伸びて花を咲かせるせいだと思う。葉が畑のニラよりよほど小さく細く、餃子に入れるのは難しいかもしれない。昔の農家さんが植えたものが野生化したものだと思う。