空はどんよりした雲に覆われているが雨は降っていない。梅雨入り目前の朝、近くの丘陵地の雑木林の中を歩いた。空気はひんやりしているが、湿度は高く汗が出てくる。今は葉が繁る時期で花は少ない。咲いていても地味だ。よく見ると木の葉の下に実がなっていることがある。
コマツナギ(画像上)
林縁に多い低木。花は5mmぐらいで円錐形の花房を作り、葉は羽状複葉で典型的なマメ科の特徴を持つ。
ムラサキシキブ(画像下)
シソ科。この丘陵では至る所で見かける小高木。今花盛りで付近は甘酸っぱい香りに覆われる。今年はクリの花の生臭い香りが混じっていて少し難あり。
ヒメコウゾの実
葉の下で暗くなっているが、明るい橙色の実である。食べられる。クワ科の灌木。和紙の原料になるコウゾはこの植物とカジノキ(これもよく見かける)との交配で作られる。かつて栽培されていたので里山に多い。
ホタルブクロ
キキョウ科の多年草。林の中の小道周辺の薄暗い場所にドクダミとともに多く見られる。白っぽいものから赤紫まで色のバリエーションがある。
バラ科キイチゴの仲間。花期は5-7月。花は5弁で径1.5㎝と小さく、大きなガクが目立つ。初夏に実がなるので「苗代」の名がある。
ウグイスカグラの実
スイカズラ科の低木。林縁や林床に多い。3-5月に淡紅色の小さな花を付ける。6月に長さ1㎝の透明感のある赤い実に変わる。食べられるがほとんど甘さは感じない。