ナツメの実

f:id:M_majipan:20190821170252j:plain

 初夏に遅く葉が出るので夏芽(夏目?)が名前の由来。ただし「棗」という漢字がある。ちなみにスパイスのナツメグは全く違う植物だ。

 画像ではリンゴの実みたいだが、大きさは1~2センチぐらい。9月頃赤く色づき収穫される。独特の形は、茶道の茶入れであるナツメの原型だ。

 中国~西アジア原産で、広く食用とされている。滋養強壮作用があるとのことで薬膳料理等にも使われる。以前食材店で干しナツメを見かけ、食べてみたことがある。甘いがちょっと癖があり、残してしまった。

 外見は華奢な感じの小高木である。昔はよく庭先や畑の隅に植えられていたが、今はあまり見かけなくなった。

 今の時期、実も葉もテリがある鮮やかな緑色をしている。毎年この実を見ると、夏が折り返してそろそろ秋の気配だなあ…と思う。

何の花?

f:id:M_majipan:20190814094925j:plain

 正解はヘクソカズラ。花弁にフリルがついていたり、赤紫のグラデーションで正五角形が浮かんでいたりで、正面からのアップには不思議な魅力がある。花の内部が毛におおわれているのは今回拡大して初めて知った。

 最近雑草の話ばかり書いているが、これまた厄介なヤツである。葉から実まで全草に悪臭があるのだ。草取りの時うかつに触るとしばらく匂いが抜けない。経験のない人は名前から匂いを推測してください。

 そのにおい成分はメチルメルカプタンとのこと。敢えて挙げないが、日常の「クサイい」ものにはこれか関連成分がよく含まれている。極微量でそれと分かるので、ガスの漏れ検出用にも添加されている。

 匂いと言えば、今年も野菜にカメムシが大発生している。これも触ると刺激のある悪臭を出し、エライ目にあう。

 この花もカメムシも真夏の風物詩ではあるが…。ウットウシイ話になってしまった。

ヤブガラシ

f:id:M_majipan:20190811055003j:plain

 笹薮を覆って枯らすと言われるほどの雑草。街の至る所に生えているが、近場ではあまり幅を利かせているのは見たことがない。こうみえてブドウ科である。

 変わった花なので以前から気になっていた。

 子供の頃「やいとばな」と言っていた覚えがある。関西ではお灸のことを「やいと」という。黄緑の小さなツボミが集まっており、咲くとポツポツと赤くなるのをお灸の火に見立てたのであろう。

 拡大すると色々な段階の花が見えてくる。調べると次のように変化するとのこと。

 ツボミに十字に切れ目が入って開くと、4枚の花弁が反り返り、中心の白い雌シベのまわりを4本の雄シベが囲む。オレンジ色に見えるのはにじみ出た蜜である。朝に花が開くと、これを狙って様々な昆虫がやって来る。午前中に雄シベと花弁は落ちてしまい、ピンク色の花托(かたく、花の根元の部分)と突き出した雌シベが残る。見たことはないが、ブドウを思わせる実がなるそうである。

 更によく観察すると、様々な大きさの小さな水滴のようなものがついている。これは真珠体と呼ばれるもので、植物由来の栄養体だそうである。アリなどを呼ぶ蜜腺のようなものか。ちなみに、ブドウにも同じものがあるそうである。

 この草の困るところは、地下茎のしぶとさだ。草取りの時は簡単に引き抜けるのだが、少し深いところに地下茎がしっかり残っており、ちょっと目を離すと次々と芽を出してくる。一度掘り返して地下茎の長さと広がりに呆れたことがある。

レンゲショウマ

f:id:M_majipan:20190809050213j:plain

 画像は数年前のちょうど今頃、東京都青梅市の御岳山(みたけさん)で撮影したものだ。標高1000メートル近くまでケーブルカーで行ける。山上は御嶽(みたけ)神社に続く広大な別天地で、意外に開けている。猛暑の地上より3度ぐらいは気温が低い。

 ケーブル駅から少し上がった緑滴る林の中で群生して開花していた。気品がある花で、薄紫が涼しげであった。

 キンポウゲ科で日本特産だそうである。開いた花弁に見えるのはガクで、内側の花弁は紫色の口紅をつけているようだ。隣についている緑の丸っこいのはツボミである。透明感があり、まるで翡翠(ひすい)の珠玉だ。

 妻は妖精のランタン(灯り)みたいだと言った。私は飛び立とうと羽を出した甲虫(こうちゅう)や、アンテナを広げた宇宙探査機をイメージした。人によって感じ方が違うのが面白い。

 今年もレンゲショウマ祭りをやっていると思う。飲食店もいくつもあり食べ物も独特なものがある。何度行っても満足できる場所である。

ツルボの花

f:id:M_majipan:20190807053817j:plain

 近場では9月頃の花と思っていたが、8月初旬から咲いている。雑木林の縁の陽当たりのよい斜面に群生していた。

 花の印象に似つかわしくない無骨な響きの名前は、由来不明とのこと。漢字で蔓穂と書かれている資料もあるが、どうも納得できない。

 ユリ科から最近分離されたキジカクシ科に含まれる。聞いたことがない植物名である。要するにアスパラガスの仲間だそうだ。他に有名なところではスズラン、ヒアシンス、リュウゼツランなどもこの科に入っている。

 

 この紫色が何とも言えない。上品でファンタジックな感じがする。ツボミの先の緑色が紫の印象を強めている。

 宝石との類似ではやはりアメシスト紫水晶)だろう。それもブラジル産の色の濃いものではなく、国産の淡い色のものだ。この花とそっくりな色の結晶標本を見たことがある。

ワルナスビ

f:id:M_majipan:20190805211837j:plain

  外を歩くと陽差しが強すぎて景色が白トビして見える今日この頃。暑中お見舞い申し上げます。

 この花はナスとよく似ている。白または薄い紫色をしており、洗濯した綿のシャツみたいで涼しげだ。まあ鑑賞の対象にならなくもない。しかしこれが困った雑草なのである。

 ナスに似た葉には鋭いトゲが並んでおり、抜く時に苦労する。花の後はミニトマトのような実がなるが、有毒。ナゼか害虫のニジュウヤホシテントウが好み、これを根城に増殖する。

 しかし一番の問題はその強い繁殖力だ。種だけでなく地下茎を縦横に伸ばして増える。地下茎を少しでも残すとまた生えてくる。そのため一度畑に入り込むと駆除は難しい。この花を見かけたら、地下茎ごと掘り取るしかない。

 北米からの帰化種。道路際や空き地などに群生しているのを見かける。植物学者の牧野富太郎が100年ほど前日本に入り込んでいるのを見つけ、観察のため庭に植えた。しかしその性質の悪さに辟易(へきえき)して、「悪ナスビ」と言う和名をつけたのは有名な話である。これは当たっているかもしれない。

トーナル岩と角閃岩

f:id:M_majipan:20190803152446j:plain

 先に紹介した丹沢山地中央部のトーナル岩ができたのは、最近の年代測定によると500-400万年前とのこと(日本地質学会のHP)。500万年前とすると、丹沢が関東山地に衝突した後になる。この時マグマが上昇してきて周囲の岩石を溶解させて入り込んだ(貫入、かんにゅう)のである。私は、これが丹沢火山島の芯の部分であると思っていたのだが、違っていたようだ。

 このマグマであるが、丹沢山地の付近にあった海洋プレートの沈み込み帯の地下深く生成し、上昇してきたものという。関連の本を何冊か読んだが、そのメカニズム(「玄武岩質岩石の選択溶解」など)に関しては理解が難しかった。ただ、プレートの沈み込みの場と水の存在が必須であることは確かなようである。

 マグマの上昇はあるところで止まってマグマだまりを作る。さらに上昇して火山として噴出する場合もあるが、そのまま地下でゆっくり冷えると完晶質の火成岩となる。丹沢のトーナル岩はそれが風水の侵食により露出したものと考えられている。

 

 画像は相模川の河原で拾ったゴマシオ石の一つである。白い生地(斜長石と石英の結晶)の中で黒い角閃石の結晶が流動したような様相を示す。その中に同色の細かい点々模様の塊(捕獲岩ほかくがん)が見える。これは以前紹介した変成岩の角閃岩と思われる。

 専門家ではないので間違っているかもしれないが、この石はトーナル岩質のマグマが丹沢に貫入した時の様子を表しているように思う。

 丹沢山地の火山噴出物由来凝灰岩などがマグマの超高熱で焼かれて一部が溶解して入り混じった。溶け残った部分は変成して、角閃岩として捕獲岩になった、と考えられる。なお、相模川と源流地帯を共有する反対側の酒匂川の上流にも同じような石が存在するそうである。(「川原の石ころ図鑑」渡辺一夫)。