トキリマメ

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 晩秋の季節。里山公園を歩いていると、ツツジの生け垣の中にハッとするような赤い実を見つけた。つる性で葉は三つの小葉を持っておりマメ科と思われた。辺りを探すと結構同じ実があり、一つは莢が裂けて中に二つの黒光りする種(豆)が覗いていた。

 後で調べるとトキリマメ(吐切豆)という植物らしい。類縁にタンキリマメ(痰切豆)というのがあるそうだ。どちらも薬になるのだろうが、あまり良いイメージの名ではない。

 名前はともかく、赤い莢が鮮烈だ。種を鳥に運んでもらうためにこんな目立つ色をしているのか。しかし、秋の里山の沈んだ緑や、紅葉の中で、この赤は意外に調和がとれていると感じるのは不思議である。

石のバラ(薔薇)

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 前回、「氷の花」について少し触れたが、それで思い出したことがある。そういえば「石のバラ(薔薇)」もあったな、と。

 画像は輝沸石(きふっせき)という鉱物の結晶群(伊豆河津町菖蒲沢産)である。全体が無色透明なのでややわかりにくいが、細長く伸びた六角板状結晶がバラの花のように集合している(直径0.5cmぐらい)。輝沸石は特に珍しい鉱物ではないが、このような形になるのはやや希である。小笠原の方では直径3㎝以上の花状の結晶群が見られるそうである。

 菖蒲沢は有名な産地で、火山性の黒い集塊岩の空隙中に結晶が見られる。「輝」と付くだけあってキラキラ感が強く、見る方向によっては真珠光沢が美しい。

 沸石の仲間には、針状結晶が球のようになっているタイプが結構ある。また他の鉱物の中にも放射状や、球状に集合して菊花石のように花に見える場合がある。しかし私の知る限りでは、実際のバラの花に見える結晶群を形成するのは輝沸石のみである。

 これをバラと言っているのは私だけかもしれない。しかし植物の花と鉱物の結晶(群)の思いがけない類似は、何らかの共通する法則性があるのではないかと考えさせてくれる。

ランタナ

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 このところ近所の住宅街で咲いているのをよく見かける。様々なパステルカラーのこの花が、晩秋の陽だまりにあると、なんか楽しくなる。

 だいぶ昔になるが、私も庭に植えたことがある。ひと夏でけっこう大きくなり花も咲いて喜んでいた。ところがある冬の冷え込んだ朝、破局が訪れた。枝が氷におおわれていたのである。見ると枝が縦に裂けて薄い膜状の氷が噴出したようになっている。高尾山や御岳(みたけ)山の氷の花(枯草から噴き出したシモバシラ)は有名だが、まさか街中でそれを見ることになるとは・・。結局全滅してしまった。

 ランタナ中南米原産の亜熱帯性植物で、水分が多く組織が柔らかいためこんなことが起こったのだと思う。

 しかし、最近は近場でも大きく育っているようだ。やはり温暖化してきているのだろうか。

ローズマリーの花

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 そろそろ「野の花」が少なくなってきた。しかし近所の住宅街には未だ「街の花」が豊富だ。中でもよく見かけるのがローズマリーである。

 小さな花が多数咲き続ける。それぞれの花は目立たないが、接写すると結構面白い形をしている。薄紫のモノトーンであるが、まるで熱帯の極楽鳥や蝶のように見える。

 うちの狭い庭でも植えたことがある。小さな苗が2、3年で大きくはびこり、手入れに往生したので、結局抜いてしまった。家内も肉料理のハーブに使う気は全くないようだし。

 気候温暖で雨が少ない地中海沿岸が原産地だそうである。そのためかつては関東地方では育ちにくいとされていた記憶がある。今住んでいるところは地中海性気候とはとても思えない。しかし、他の家でオリーブやローリエなどが元気に育っているところを見ると、意外と少雨温暖化してきているのかもしれない。

ヤブマメ

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 雑木林の林縁で野菊の写真を撮っていた時見かけた。ウルトラマリン色が鮮やかで野菊より目立っていた。しかし名前がわからずお蔵入りに・・・。

 今日画像を見ていた時、ふと葉が大豆に似ていることに気付いた。そういえば花にもマメ科の特徴がある。さっそくマメ科で検索してみると、ヤブマメという植物が出てきた。

 ヤブマメの花は先端だけ青紫で後は白いものが普通であるが、全体が青紫のものもあるようである。豆ができればはっきりしたことがわかると思う。野の花は花色に変異が多く名前を調べるときいつも悩まされる。

 なお近縁のツルマメという種類は大豆の原種であるとされている。私は日本人は世界一多様な大豆の食べ方を編み出した民族だと思う。それは縄文時代以前に祖先が山に生えていた豆を見つけた時に始まったに違いない。

松田断層

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 「3D地形図で歩く日本の活断層」(柴田元彦著 2016)を読んだ。日本の代表的な活断層とそれが作った独特の地形について解説したものである。そのうちの一つが私の故郷にあるため興味を持った。子供のころは、近くの山が平野から急に高くなり山の稜線が直線的に続くことが不思議であった。活断層によるものとは知っていたが、今回正確なところを再認識した。

 さて、活断層による地形について、近場で以前から気になっているところを訪ねてみた。神奈川県北部を占める丹沢山地の南西の端になる松田町付近である。

 小田急新松田駅付近は南方に足柄(あしがら)平野が相模湾まで続いており、その中央を酒匂(さかわ)川が流れている。この付近から海岸沿いの国府津(こうづ)まで、北北西から南南東に一直線に続くのが「松田断層」である。

 活断層特有の直線状地形は、隣の開成(かいせい)駅付近の堤防から見ることができた。画像手前は酒匂川で、遠景に丘陵地が直線状に続いている。そこが断層線に当たり、断層崖やせり上がった丘陵地は水田にならないので、明らかに違った景色になる。

 以前、丹沢山地がはるか南方で形成された火山島がフィリピン海プレートの北上により日本列島の一部になったものであることを紹介した。その南側からの押す力は現在も働いており、断層面で北東側がせりあがった(逆断層)ものだそうである。

 活断層と言えば地震との関連が気になるところであるが、日本全国が活断層だらけで安全なところなどない。活断層の専門家による評価については政府のデータベースがある。調べてリスクを弁えたうえで、心構えをしておくのが大切であると思う。 

 

野菊の仲間

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 神奈川県津久井湖付近の低山の林縁で見かけたこの花。いわゆる「野菊」という感じであるが、正確な名称がわからない。図鑑とネットによると、外見が非常によく似た種類が多数ある。その上それぞれの種で花の色も薄紫から白までバリエーションがあり、さらにややこしい。

 可能性としてはユウガギクか白花のノコンギクと思う。ユウガギクは柚香菊と書き、葉を揉むとユズの香りがするそうである。なんか優雅なイメージだな。