植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ナツメの花

郊外の農家の垣根。見覚えのあるツヤツヤした葉の木に小さな花が付いていた。接写して後で調べると以前実を紹介したナツメ(棗)であった。 花は小さく径2-3㎜程で薄黄緑色をしているため地味だが、拡大するとクッキリとした造形で美しい。いくつかの部品を…

ネムノキ

暗くなると小葉が閉じて眠ったようになるのでネムという。大木になるが、どういうわけか小さな草本のオジギソウと似ている。ただしネムノキは触っても葉を閉じない。子供の頃、大きなオジギソウがあると思って触ったりしたことを思い出す。 日本及びアジア大…

野生のミツバ

ミツバは誰でも知っているセリ科の野菜だが、近場の林野で自生しているのを知っている人は少ないのではないか。 結構あちこちで見る。画像は多摩丘陵の雑木林の中で群生していたものだ。葉は市販のハウス栽培のものより大きめだが形は明らかに三つ葉だ。その…

自生のジャノヒゲ

丘陵地の雑木林の中の小道。高木の下に低木が生えており葉を広げているので、足元は昼なお暗く雑草すら生えない。雨が降ると小道は川のようになり水に漬かってしまう。そんな場所にこの植物は花を咲かせていた。白色に紫色が掛かった独特の色である。 スズラ…

オカトラノオ

花穂の形を虎の尾に見立ててトラノオという。確かに猫の尾のようにイイカンジで波打っている。乾燥した丘陵地(オカ)に生育する。多摩丘陵では明るい林床や林縁に群生している。今頃は至る所で咲いているのがみられる。 近づくと小花がカワイイ。サクラソウ…

ミソハギ

真夏の花で、東京では新盆(7月中旬)のころに一斉に開花し、盆花としてお供えに使われる。赤紫色が夏の法事によく似合う。ハギ(萩)に似ていて禊(みそぎ、お清め)に使われるので禊萩(みそはぎ)である。 谷水田近くの湿地に固まって生えていた。まだ咲…

ミズオオバコ

多摩丘陵の谷(谷戸、やとという)は一番奥に湧水があり、下流は谷水田として利用されている。湧水のあたりは湿地か小さな池のようになっていることが多い。そこに奇妙な花が咲いていた。水面から径3㎝ぐらいの三弁の花だけが出ている。ピンク色で中央が白く…

タケニグサ

ひなたが好きな植物である。多摩丘陵では林が切り開かれた場所によく生えている。近所の空き地でこのような情景を見た方も多いだろう。大きな葉の裏が銀白色で、風にそよぐと周囲と色合いが異なって目立つ。 今頃は竹みたいな中空の茎をニョキニョキ伸ばして…

ハンゲショウ

梅雨の晴れ間に郊外を歩くと、雑木林の一部が白い布(きれ)が散っているようになっていることがある。よく見ると瑞々しい黄緑色の葉が部分的に白くなっている。病的な白さではなく花びらのようにも見える。調べるとハンゲショウという植物であった。 画像は…

ウツボグサの花

多摩丘陵の谷水田沿いの道を登っていくと、日当たりのよい草地にウツボグサの花が見えた。高さ15㎝ぐらいだが鮮やかな紫色が目を引く。明るい所では赤紫色に見えてかわいい花だ。陽がかげった時に斜め上から接写するとこんな感じ。蛍光色の光を発しているよ…

6月の木の実

以前花を紹介したバラ科のキイチゴ三種類とヒメコウゾ(クワ科)の果実ができていた。大きさは径1㎝程度である。場所は雑木林の縁(へり)。芽が出てから2-3か月にもなると、風に擦れたり、虫に食われたりで痛んでいる葉が多い。 キイチゴは小さな水分の多…

テリハノイバラ

ノイバラの開花から約一月、ようやく咲き始めた。日本原産のもう一つのバラの原種がこれだ。花はやや大きくて径3㎝ぐらい、一輪ずつで咲く。葉は複葉で小葉は小さく鋸歯(ギザギザ)が強い。葉にノイバラのような毛がなくツヤツヤしているのがテリハ(照葉)…

ハナショウブ

6月の陽射しは強いが、大気はまだヒンヤリしている。場所は東京都町田市薬師池公園の花菖蒲園。様々な色の花が咲きそろってきた。まだ七分咲きといったところだが、葉や水面とのバランスがちょうどよいと思う。手前の花は花弁が上がって蝶のように見える。 …

八重咲きドクダミ

今頃はどこに行ってもドクダミの花を見る。たくさん咲いていると少しは見るべきものはあるが、地味でちょっと陰気な印象はぬぐえない。日陰に群落を作る。全体に特有の臭いがある。そしてドクダミという名のイメージ…。じつは毒はなく、それどころか民間薬と…

イヌシデの果穂

以前冬の多摩丘陵で葉を落とした木の幹が、滑らかで縦に裂けたような模様があり美しいとして紹介したものだ。今は花の時期が終わって葉が広がり、緑が濃くなっている。雌花がちょっとホップを思わせるような緑の翼(よく)がついた果穂になっていた。 カバノ…

ムラサキシキブ(花)の香り

近所の谷戸公園。今の時期雑木林はシラカシなどの花のちょっと生臭い香りに包まれている。歩いていると少し変わった香気を感じた。どこかシナモンを思わせるような甘い香りだ。こんな感じの西洋菓子があったような…。探すと灌木の小さな花だった。 拡大する…

テイカカズラの花

以前テイカカズラの幼木について紹介したが、成樹になってこれほど印象が変わる植物も珍しい。初めのころは蔓(つる)から気根を出して木の幹を這い上る。成長とともにへばり付いていた丸っこい葉は幹を離れ、披針型(笹の葉のような形)に姿を変える。目立…

アリジゴクの穴

多摩丘陵の昼なお暗い雑木林の中には、幅2メートルぐらいの舗装されていない道がくねくねと続いていることがある。これは「鎌倉古道」と呼ばれる古い道で、その由緒は鎌倉時代以前まで遡るという。神秘的な雰囲気があり好きである。 かなりの部分が切通しの…

アジサイ開花

梅雨の走りか曇って小雨の降る日が多い。近所の庭先でアジサイが咲き始めていた。つい2,3日前は小さな薄緑のツボミだけだったのに…。昨日の雨でびっしょり濡れているが、こんなにそれが似合う花もない。まだ開き切っていないようだが、花ごとに色が違うのは…

コウゾリナの花後

菜の花畑の道沿いに早春からタンポポ型の黄色い花を次々につけていた。それが、いつの間にかこんな姿に変わっている。上から見ると枯れた花茎と綿毛に変わった花穂が面白い模様を描いている。 ほかの植物が旺盛に伸びている今の時期に、次々と枯れてしまう。…