一昨年多摩丘陵を歩いているとき偶然出会った花だ。昨年同じ場所に行ってみたが時期が遅かったためか見つからなかった。今年こそはと探し回ったが見当たらず、あきらめて帰ろうとしたとき目に入った。幻のような花である。
ルリ(瑠璃)という名の通り鮮やかな青色の花だが、咲き始めはピンク色で青く変わる。今年は時期が早かったせいか薄赤紫色で、中央の副花冠が白く抜け、その周りの色がやや濃い。花の直径は1㎝弱、4~6輪ぐらいしかついていない。本当に小さくて目立たない。
ムラサキ科。ワスレナグサの仲間である。東京都では絶滅危惧種II類に指定されている。近場で見られるのはここ一か所しか知らない。古い民家裏の道路わきの斜面で、高い木のため薄暗く、枯れ葉がつもり苔むしてちょっと神秘的な雰囲気の場所である。ただ、すぐ近くまで宅地開発が進んでいる。何とか咲き続けてほしいものだ