植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ヤドリギ(宿り木)

郊外でバスに乗っていたとき、葉の落ちた雑木林の端の木にヤドリギを見つけた。行ってみると7、8mの高さに直径1m以上の緑のボール状のものがいくつも付いている。宿主の木はサクラで、隣のケヤキの木にも1個見られる。ヤドリギは探しても見つからず、偶然出会うことが多い。

 

ビャクダン科(遺伝子によるAPG分類)の常緑広葉樹。普通の根を持たず宿主から養分を盗るが、葉緑体を持ち光合成もおこなうため半寄生植物とされる。よく見ると果実がどっさり付いている。径6㎜ぐらいの球形。通常は淡黄色をしているが、画像のものは橙黄色で、アカミ(赤実)ヤドリギという種類かもしれない。

 

果期は冬で、鳥がついばむ。果実の中の種は粘液に包まれており、鳥の胃腸を通り抜けて排出され、とまった木に付着する。そこで発芽し、寄生根を出して宿主の木にとりつく。何度か巨大なものを見たことがあるが、宿主を枯らしてしまうことはないようだ。神社の木などに付いていると不思議な神秘性を感じることがある。