植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ハマダイコン

三浦半島荒崎(あらさき)近くの海岸。訪れたのは10日前でまだ風は肌寒く、海辺の植物はほとんど枯れていて、咲いているのはこの花だけだった。いたるところで見られる。花期は3月~5月。名前の通り葉も花も野菜のダイコン(花期は4、5月)によく似ている。

 

十文字の花は整った形ではないがそれも素朴な感じでよい。花びらの先が赤紫で中心に向かってグラデーションになっている。この淡い色合いが、のどかな早春の海岸によく似合う。

 

アブラナ科。主根をまっすぐ伸ばすがあまり太くならない。栽培種のダイコンが逃げ出して野生化したものと言われているが、古くダイコンとともに日本に伝わった野生種の末裔らしい。海の近くは普通の植物が生えず、海浜植物という独特の一群がみられる。強烈な日差しや強風と、塩分という過酷な環境に適応したものだ。