植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

2021-01-01から1年間の記事一覧

朝のコガモ

これもいつもの街中の川。コガモ(小型のカモ類の一種、子鴨ではない)の群れが居着いて生活している。足元に食草の藻が見える。赤茶色の頭に目の周りが緑色なのがオス、右上の茶色の斑点模様がメスである。 場所は、川の曲がり具合と周辺のビルの高さの関係…

ガマの綿毛

いつもの街中の川。12月も末だが、冬晴れで日向はまだ温かい。川面には快晴の空が映ってさわやかだ。微風が吹いており、小さな綿毛のようなものがチラホラ飛んでいる。川を見ると枯れた長い葉と白い綿毛のカタマリが付いたものが並んでいた。ガマ(蒲)の穂…

ヤブソテツ

近場でよく見かけるシダ。場所は丘陵地の雑木林の中で、古いコンクリートの石垣の隙間から多数葉が出ていた。小葉に切れ込みがなく、大きさが先端まであまり変わらない単純な形(1回羽状複葉)である。その点で似たものが他にほとんどなく、シンプルなところ…

線路のユリ:冬

今年の夏、街中でやたら見た白い花シンテッポウユリの花ガラである。場所は駅構内の線路で、手前は砂利だ。いまだに長い花柄の先にガクが残っている。冬至過ぎの弱い陽光を浴びて淡く光っており、別種の花のようだ。 在来種のテッポウユリと台湾原産のタカサ…

ツタが描いた絵:その後

1か月ほど前(11月17日付)に、駅のフェンスに広がったツタが描く模様が風景画のようだと紹介した。その後紅葉が進むとともに葉が落ちて、葉に隠れていた枝(張り付いたツル)が現れ、より大きな絵として眺めることができるようになった。隣のフェンスのもの…

ガマズミの実

晴れた日に多摩丘陵を歩いていると赤い木が目についた。木々はあらかた葉を落としているので目立つ。確かあそこにはガマズミがあったなと思って近づいた。2か月ほど前まだ葉が緑の頃から赤い実が見えていた。今は紅葉した葉が落ちてほとんど実だけになってい…

ツルウメモドキの実

2週間ほど前、雑木林の林縁で見つけた黄色い実。径7~8mmぐらい。冬景色の中、少し痛んだ丸っこい葉が寂しげだ。「黄色い実」で検索しても何の木かわからない。色々調べてようやくツルウメモドキだと分かった。分かりにくかったのは、「赤い実」に分類され…

天然のドライフラワー

木枯らしが吹いて、雑木林は木々が葉を落とし、草も枯れて明るくなった。見るべきものもないように思えるが、普段目立たないものに気が付くようになる。 オケラ(植物)は9-10月頃地味な花を咲かせる。素朴な感じの野の花でつい見逃してしまう。何か所か見ら…

サネカズラ

赤い実(み)が美しい蔓(つる)性の木なので昔の呼び方で実(さね)蔓(かずら)。古事記や万葉集にも記載があり、かつては蔓から出る粘液が男性の整髪料として使われたので別名ビナンカズラ(美男蔓)という。 マツブサ科というあまり聞いたことのない種類…

クラマゴケ

コケという名だがシダの仲間である。これもシダらしくない。初めて見たのは箱根の雑木林の中で、湿っていてコケがビッシリ生えているような場所。独特のみずみずしい緑色が印象的だった。拡大してみると、鱗片状の葉に光が一部透過して、真珠か金属のような…

池のキンクロハジロ

ここのところ街中の川に来る鳥の話だったが、池に来るものは種類が違う。ここは東京都町田市の薬師池公園。例年水鳥の飛来が多い。大体は人を警戒して池の中央付近にいるが、この種類は2~3メートルの近くまで平気で泳いでくる。金色の目と白黒の羽色ですぐ…

ハクセキレイ

これもいつもの街中の川。雨上がり。側道を歩いているとセキレイが飛び出してきた。後ろ姿なので丸っこく見えるが、ほっそりした印象の鳥である。白黒灰の色分けが美しく、尾羽がシュッと伸びてカッコいい。 敏捷で警戒心が強く、いつもは近づくとかなり距離…

シダの名前

シダについては、これまで紹介してきた特徴のある(シダらしくない)ものを除いて、私にはほとんど見分けがつかない。花を持たないのと陰気な印象なので敬遠していたためだ。ところが図書館やネットではシダ植物に関する情報はたくさんある。近場で最も身近…

動かないアオサギ

いつもの街中の川。歩いていると川に向かってスマホを向けている人たちがいる。「何ですか?」と聞くと、指さす。そちらを見ると枯れたアシの繁みの中にこれがいた。私「アオサギですね」。「青くない…?」。「青っぽいでしょ」。「そういえば…」という会話…

ホウライシダ

冬が近づき、近場の植物も少なくなってきた。そのため冬も枯れないものが多いシダ類なども扱ってみようと勉強中である。 画像は、新興住宅地の中のかつての里山を残した公園で見つけたもの。水路沿いの湿ったところに群落になっていた。場所は本来日陰だが、…

ベニバナボロギク

草丈は50~60㎝ぐらい。ヒョロっとした姿に下向きの花をたくさんつけている。花が終わると上向きになり、タンポポのような綿毛の付いた種の穂になる。花色がレンガ色というかくすんだ朱色で独特だ。花期は8~10月とされているが気が付かなかった。寒風が吹く…

原種スイセン

古い住宅街の園芸店。丘陵地にあり、急斜面を利用した広い庭園のあるお宅を改装したものである。色々なところにセンスが光る。今の時期置いてあるのはシクラメンやスイセンが主だ。見たことのない変わった色や形の花や、珍しい原種の鉢などを見せていただい…

フユイチゴ(冬苺)

冬が迫る今、思い立って箱根に行った。湯本から少し登った須雲川(すぐもがわ)辺り。山の紅葉は終わりかけで、残った枯れ葉が寒々しい。深い谷間の暗い杉林の中を歩いていると、下生えに濃い緑色の丸っこい葉が目立っていた。葉は径5~10㎝で浅く三裂し、周…

岩に刻まれた同心円

硬い岩石に渦のような模様が刻まれている。周囲にもいくつか渦が見える。何か意味ありげで想像が広がる。場所は先日の神奈川県伊勢原市の丘陵で、丹沢山地の麓にあたる。崖に顔を出していた。 よく見ると渦は同心円で、幅1㎝ぐらいの多数の層からなっている…

マメヅタ

秋が深まり、木々が葉を落とし草が枯れてくると目立ってくる植物だ。大木の幹に付いたコケの上にキヅタと一緒に生えていた。雑木林の中など薄暗くて湿った場所を好むが、面白い形をしているのでどこかで目にされたことがあると思う。 豆蔦。「ツタ」と言って…

ヒマラヤザクラ

晴れてはいても寒風が吹く中咲いている桜だ。前回と同じ公園で教えていただいたもの。高い木で、上の方で他の木に紛れて咲いているため今まで気が付かなかった。名札にヒマラヤザクラとある。 20世紀後半にネパールの元国王から日本の桜などと交換に贈られた…

テイカカズラの実、種、幼木

かしのき山自然公園(東京町田市)にテイカカズラの大きな株がある。2mぐらいの架台がしつらえてあって、びっしりと絡みついている。自然のままだと絡みついた木を枯らしてしまうだろう。花期の6月頃は香りの 良い白い花でいっぱいになる。 キョウチクトウ科…

ヒイラギモクセイの花

秋が深まって寒風が吹き始めると、サザンカなどを除いて街の木の花も寂しくなってくる。街を歩いていて生け垣に白い花が咲いているのに気が付いた。ヒイラギモクセイ(柊木犀)だ。クリスマス(もう来月だ!)のシンボル的なヒイラギ(柊)とはちょっと違う…

晩秋の木の実2021

多摩丘陵にある大学の一角に、住宅地に囲まれて広い雑木林がある。ササ刈りなどの手入れがなされており、四季折々にかつての里山の植物が見られる。もちろん網フェンスで囲われているが、裏道にいわゆる林縁(りんえん)の植物が大きくせり出しており、散歩…

ツタが描いた絵

朝、駅で電車を待っていたら、向かいの白いフェンスにツタがツルを伸ばしていた。変わった模様だったので写真を撮った。隣で待っていた人は何を撮っているかわからないようで、変な顔をしていた。電車が来たのでそそくさと乗った。 どうです、遠くの山のよう…

街中のコガモ

いつもの住宅街の川。両岸に人通りが多いのに水鳥が多く集まる。先週短時間だが豪雨があり、かなり増水したので心配したが、カルガモたちは無事だったようだ。かえって澱(よど)みが一掃されて水がきれいになったように感じる。 見ると新顔がいる。コガモだ…

ゴウシュウアリタソウ(豪州有田草)

研修農園では玉ねぎの苗の植え付けが終わり、大根などの秋冬野菜の収穫が始まった。 画像は収穫が済んだ野菜の跡地にすぐ生えてきた雑草だ。小さい草で葉はせいぜい5㎜ぐらいしかない。地面にへばりつくように放射状に広がっている。全体でも径4~5㎝しかな…

白いミゾソバ

相模川の河原には護岸との間に水が溜まってところどころ湿地帯のようになっているところがある。そこに大きな群落を作っていた。遠目には白くしか見えないジミな花である。 よく見ると花の先端がちょっとだけ薄紅色に染まっている。私には和風の感じがして、…

トクサ

街を歩いていて民家の軒先などで見かけるトクサ。濃い緑色のストローみたいな形をしており、とぼけた魅力がある。シダ植物門トクサ科で北半球に広く分布し、日本の一部でも自生が見られる。ツクシに似た穂(胞子嚢)がついていたので接写してみた。何とも不…

カワラナデシコ

カワラノギクの近くに植えてあったもの。草丈は30㎝ぐらい。花の直径は4㎝ほどで、これも思っていたより大きい。秋が深まって淋しくなった河原で存在感を示していた。以前から探していたのだが、ついに自生のものには出会えなかった。 パールピンクの花びら…