植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ムラサキシキブの実

今頃は、園芸種のコムラサキ(小紫)の実を街中でもよく見かける。ところがムラサキシキブ(紫式部)の実がどこにもない。花は特徴的な甘い香りがあり、雑木林の中などで結構見かけたのだが…。 以前花を見かけたところを探して、里山公園の一角でようやく見…

ヤマハッカ

里山の畑の畦の草叢に群生していた。シソ科の花の青紫色はいつ見ても爽やかだ。つい2,3日前はもっと花がついていてもう少し明るい感じに見えた。一斉に咲いてすぐ終わってしまうタイプの花のようである。 草丈は30‐50㎝ぐらい。山薄荷というぐらいで、葉が…

草木の実10月

里山や河川敷で見つけたもの。草木の実も春夏と違って地味で、くたびれた感じのものが多い。しかし、それは風雨や酷暑に耐えた結果であり、なかなか渋くて好きである。 【左上】テリハノイバラ 相模川の河原。水面より1mほど高い所に多い。少し増水すると水…

ガマズミの実

近場の里山。林縁でガマズミがどっさり実を付けていた。輝くような赤色が秋らしい木の実の一つである。紅葉の方は残念ながらあまりきれいではない。山の中みたいな寒暖差が大きい所は真っ赤になって見事だそうだ。 食べられる木の実だが、鳥が先に食べてしま…

キタテハとコセンダングサ

キタテハがとまっているのはコセンダングサ(小栴檀草)の花である。今頃の相模川の河原はこの花でいっぱいだ。その間を色々なチョウが飛び回っている。花びら(舌状花)がなく、花を包む総苞が小さいので、他のセンダングサの仲間と見分けられる。 このチョ…

イシミカワの実

相模川の河原は草がそろそろ枯れ始めており、コセンダングサの花ばかりが目立っている。その中でルリ色の実がパッと目に付いた。丸っこい黄緑の葉に乗っており、枝は紅く強烈な取り合わせである。しかも枝には強い逆トゲが並んでいる。調べるとイシミカワと…

ヤマホトトギス

多摩丘陵にある神社の林縁で見つけたもの。先ほどの雨で濡れている。昨年一度紹介したことがあるが、花びらの反り返りが極端で面白いと思い再度アップした。またホトトギスの名のもとになった花の斑点も、前回より赤っぽくファンシーだ。 花びらが反り返るこ…

城山の成因

城山(神奈川県相模原市)を相模川の下流、西側の新小倉橋の上から見ている。このブログでも何度か触れたが、興味は尽きない。右側の平坦な相模原台地は、相模川で急な崖になって落ち込む。谷にかかる城山ダムは高さが75mなので比高差はそれ以上ある。対岸…

イヌタデの群落

先ほどの時雨で濡れている。里山の雑木林が新たに切り開かれた場所で、色々な草が群落を作っている。今花が咲いているのはキツネノマゴ、チヂミザサ…。多いのがこの草だ。街ではびこるイネ科や帰化植物はまだ入り込んでいないので大きな群落になる。 ツボミ…

セイタカアワダチソウの花

キク科である。肉眼ではわからないが、拡大するとそのことがよくわかる。花序(穂)は多くの小穂(しょうすい)からなる。要するに花はキクに似た小さな花の集まりだ。舌状花の花弁は小さく、内部の筒状花の方が大きい。全体が少しオレンジ色っぽい黄色であ…

チヂミザサの花

地味な野草だが、デジカメで拡大すると肉眼ではわかりにくい所がはっきりして面白い。ただしピントが合いにくくて苦労した。 稲のモミのような形の花は、花穂の途中に二つ対になって付き、長い紫色のトゲ(芒、のぎ)をのばす。2本の白い羽毛のような雌シベ…

クワクサの花

名前の通りクワの仲間である。以前紹介したヒメコウゾなどと違って一年草だ。葉と花の形にクワ科の特徴が出ている。近所の民家の周囲の地面にいつの間にかビッシリ生えていた。 よく見かける雑草。これほど地味な草もない。草丈は30~50㎝ぐらいで小さく、沈…

ノブキの花と実

城山山麓の遊歩道沿い。雑木林に入ったあたりの薄暗い谷間のような場所である。葉が同じキク科のフキに似ているので野蕗。長い葉柄があり、葉の大きさは10-20㎝。ただし花はフキノトウには似ておらず、径1㎝ぐらいの白い集合花だ。 外周の小花(雌花)が先に…

赤とんぼ

ススキの葉にとまった赤とんぼは秋らしい風景だ。わずかにピントが合っていないが、近づくと逃げるので、私のデジカメのズームではこれが限界である。 正式名はアキアカネだが、他にナツアカネというものもいる。赤とんぼについて昔から本当かどうか疑問に思…

キチョウ(黄蝶)

郊外を歩いていると、道路脇の斜面のあちこちで飛んでいた。見回すとメドハギの茂みに覆われている。このチョウはマメ科の植物を食草とするのでよくその周辺にいる。 羽根を閉じてセンダングサの花にとまっている。裏面は薄茶色の斑点を散らしたようになって…

トリカブトの花

これが有名なトリカブトの花。毒草の多いキンポウゲ科の中でも最強とされている。場所は近場の山の林縁。野生のものは初めて見たが、思っていたより大きく派手だった。例によって花弁に見えるものはガク片で、プラスチックのような独特の質感がある。 名前の…

アズマヤマアザミ

アザミは地方により多くの亜種がある。画像は関東地方(吾妻、あずま)の山地を中心に分布する種類である。近場の里山に多いノハラアザミに対して、山地の林縁などでみられる。 全体にスリムな印象で、葉が細長くギザギザの先が鋭くとがることが特徴である。…

ツルニンジン

神奈川県相模原市の城山は近場の手ごろなハイキングコースで、山麓もよく整備されて自然公園になっている。所々に山野草の説明板が設置されており、愛好家にはうれしいことである。この花は遊歩道沿いの林縁で咲いていたもの。 可憐なツリガネニンジンと同じ…

チャノキの実

耕作放棄地の一角に雑草に埋もれたチャノキがあり、白い花とともに実がついていた。面白い形をしている。基本3つのふくらみがあり。青サビが出た古い銅器のような色をしている。 下側に3本のスジがある。実を摘んで一夜置くとそこから裂けて丸い種が出てくる…

アカネ(茜)の花

前回「朝焼けがアカネ色」と書いたが、植物のアカネはほとんど知られていないのではないか。画像がそれである。ちょうど今頃、径3-4㎜ぐらいの薄黄緑の小さな花を付ける。どっさり花を付けているものもあるが、草丈は50㎝もなく、草むらの中で全く目立たない…

朝焼け

朝起きて外に出ると、空がアカネ色に染まっている。薄曇りで少し靄(もや)がかかっているためか、空の半分ぐらいが赤くなり低い雲が光っている。大急ぎでデジカメを抱えて広く見渡せる場所に向かった。 ちょうど太陽が昇り始めたところでどんどん明るくなっ…

カナムグラの雄花と雌花

漢字で鉄葎。鉄のような強靭なツルで、それが生い茂って絡み合っている様子(むぐら)が名前の由来だ。研修農園の草取りを少しサボっていたら、隅の草叢から溢れ出して畑を浸食していた。ツルを触るとザラザラした固い毛が生えていて、引っ張ると強い抵抗が…

アレチウリの花

郊外の資材置き場の空き地。この植物がパイプなどの上も構わず一面を覆い、花穂が立ち上がっていた。すさまじい繁殖力だ。他に河川敷などにも多い。 北アメリカ原産の侵入種。ツル性で葉はキュウリに似ており、英名はburr cucumber(トゲのあるキュウリ)。…

ボタンヅル

丘陵地の日当たりのよい道路沿いを歩いているとき、強い甘い香りで気が付いた。以前紹介したセンニンソウと似ているが、花がやや小さくよく見ると葉の形も違う。どちらも複葉で、センニンソウの小葉が丸みを帯びているのに対し、これはボタン(牡丹)の葉に…

ノダケの花

雑木林の薄暗い林床から奇妙な草が伸びていた。高さは1m以上あってヒョロリと立ち上がり、先端に黒い大きな花序(かじょ、小花の塊)を付けている。近づくと小さな花弁が暗い紫色をしていて、白い雄シベの葯が見える。茎の途中に大きめの総苞(そうほう、花…

カラスノゴマ

山間部に入るところの幹線道路沿い。50㎝ぐらいの草丈で、径1㎝の黄色い花をつけている。俯(うつむ)いて咲いているので、やや下から覗き込むように撮影した。 かつてはシナノキ科などとされていたが、最近のゲノム解析に基づくAPG分類により、アオイ科に含…