植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

水辺の植物:多摩丘陵

多摩丘陵には水辺を好む植物も多い。水田の周辺などに多いヤブカンゾウ(ユリ科)はその代表だ。丘陵地は乾燥しているが、深く切れ込んだ谷(谷戸、やと)の奥に湧き水があって常に小川が流れ、その周囲が湿地になっているせいである。それを利用して谷水田…

アジサイ・プラスワン

相模原北公園にアジサイを観に行ってからしばらく経つ。画像をたくさん撮ったが、どうも月並み。何度か取り上げたのでもういいかと思っていた。ちょっと惜しいのでまとめてアップすることにした。寒色系の花が多いのでバラのおまけつき。観にいくならまだ間…

クサボケの実

庭木として植えてあるボケは中国原産の園芸種で、日本の固有種はクサボケといわれるものである。多摩丘陵では多く自生しており、まだ春が浅い3,4月頃に朱赤色の花を咲かせる。背が低く「クサ(草)」が名前に付いている。 「ボケ」の名の由来として、実が…

アカンサス

相模原北公園の花壇に植えられていたもの。草丈が2mぐらいあり、葉も花も大型で異様な力感(りきかん)がある。これだけ揃うとなかなかの迫力だ。大きくても間が抜けて見えないのは、黒光りするような濃い緑の葉とシャープな花の形状によるようだ。 地中海沿…

種の消失ミステリー

先月のことである。急に思いついて枝豆を植えた。プランターは大型のものを使い、土も野菜用の新しいものを用いた。足りなかったので市販の黒土を上に足して、早生種の枝豆の種(大豆)を蒔いた。ところが2週間たっても芽が出ない。様子を見るため一か所掘っ…

ミツバウツギの実

雑木林は「緑したたる」と表現される季節だ。今回は、変った木の実である。以前から時々見かけて、なにであるのか気になっていた。実の形は何というか、先の尖った楕円形の扁平な袋が2つくっ付いたような形で、中に種が入っている。資料では折り紙の奴さんの…

大雨の後の空

多摩丘陵の援農でナタネの収穫をした。黄一色だった広い菜の花畑が今は白っぽく乾燥した実の塊に変わっている。これを刈り取り、シートの上で実の中の種をたたき出して殻を取り除き、フルイがけして種を集めるところまでやる。場所が急斜面なのですべて人力…

6月の果樹

多摩丘陵のなだらかな斜面は果樹園として利用されていることが多い。雲の多い晴れの日に果樹を見て回った。時折湿気を帯びた涼しい風が吹き、気持ちが良い。 都会近郊のためか、ケーキに用いられるような欧米系の果物が多い。梅の収穫は終わった後、今の時期…

アジサイの仲間

相模原北公園にアジサイを見に行った話をしたが、今回一番印象に残ったのがこれだ。雑木林の日陰に生える白一色の植物だが、陰気な感じはまったくしない。逆に色がないため純粋にこの花の造形の美しさが際立つ。周囲の装飾花は非対称で、3,4枚のガク片は…

テリハノイバラ2021

多摩丘陵の3種類ある野バラのなかで最後に咲く。例年6月初旬である。花は大きめ(径2~2.5㎝)であるが、葉が小さくツルが地を這う性質があるので比較的目立たない。葉は小葉9枚で、毛がなく油を塗ったような光沢(照り)があるのが特徴だ。 道沿いに数多く…

キツリフネの花

以前多摩丘陵で自生のツリフネソウを見た時、宙に浮いたような不思議な造形の花に驚いた。類縁に黄花の希少種があることは知っていたが、ようやく最近出会えた。 相模原市の北公園にアジサイを観に行ったとき、植え込みに紛れて咲いているのを見つけた。この…

ホタルブクロとドクダミ

今頃の多摩丘陵、林縁や田畑の近くの木陰で咲いている草の花はほぼこれだ。春の野草は花期を終えて種を付け、枯れ始めている。一方夏草が急に伸びてきた。 ホタルブクロが目立っている。ちょうどホタルの飛びだす時期と一致するのが面白い。沢山ある花を見て…

コモチマンネングサ

多摩丘陵の畑地の近くで咲いていたもの。雑草に紛れても黄色い花は良く目立つ。道端や家の周りにもいつの間にか生えていて、むしってもすぐ生えてくる。以前紹介した近縁のメキシコマンネングサやツルマンネングサはよくプランターなどで植えられている。栽…

6月の木の花

さて何の花でしょう?実(み)と葉は誰でも知っています。俳句では、花は夏の、実は冬の季語です。 ガクが微かに薄紫色の白いツボミが開くと、次々と花弁がめくれていき、6本の黄色いスジのある雄シベが現れる。雄シベの黄色い部分は先の方から黒くなる。中…

6月のタチツボスミレ

3月から咲き始め春の間あれだけ見かけたタチツボスミレ。どこへ行ってしまったのだろうと思っていたら、住宅街の路傍でたまたま見かけた。花はなく、葉緑素が抜けて白っぽくなった葉が印象的だ。種を飛ばした後の茶色く枯れた果穂の殻が残っていた。 よく見…

梅雨時に咲くハギ

萩といえば漢字の中に秋が入っており、秋の花の代名詞みたいな植物である。ところが6月初旬の今咲いているものがある。見た目は花も葉もマメ科のハギである。ただ、秋のものはどこか寂しげな風情があるのに対し、元気いっぱいな印象を受ける。場所は前2回と…

ボダイジュ(菩提樹)

小雨の中、前回の寺院の庭をそぞろ歩いていると爽やかな甘い香りがする。探すとこの木であった。地味な黄色の花がどっさりと付いている。調べると菩提樹であった。考えてみるとここはお寺だ、有っても不思議はない。よく境内の清浄な雰囲気と調和している。 …

トキソウの花

この花は、横浜市郊外のある禅宗寺院の庭に植えられていたものだ、小雨の中、目立ち過ぎず楚々とした風情である。 名前は花の色が朱鷺(トキ)の羽根の色であるトキ色に近いことによる。草丈は30㎝以上あり華麗にスラリと伸びた姿はまさに朱鷺である。 東ア…

6月の木の実2021

近場の公園。台地に切れ込んだ谷戸の奥に水が湧いており、その周りに里山の樹林が残されている。なぜかキイチゴのたぐいが集中しているゾーンがあり、毎年見に行っている。 左上 ニガイチゴ:透明な赤い宝玉のような色が美しい。苦みがあるはずだが、鳥に食…

赤と黒のカメムシ

街中の道路沿いにある切れ端のような公有地は花壇になっていることが多い。世話は近隣の有志の方がボランティアでされていて、よく整備されたものを見ると町の住民の意識の高さが伝わってくる。 カメムシは苦手だが、これだけ目立つと思わず見入ってしまう。…