植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

2018-01-01から1年間の記事一覧

丹沢山地の石灰岩

以前「丹沢の有孔虫化石」(2018-09-07)で、丹沢山地の石灰岩が、1500万年前にはるか南にあった火山島にできたサンゴ礁の化石であることを述べた。 今回は、さらにこの石灰岩の特徴についてみてみたい。 画像上は、酒匂川支流の一つで見つけたものである。…

丹沢の変成岩

神奈川県南西部を流れる酒匂(さかわ)川は、丹沢山地西側を構成する岩石を集めて流れている。河原の石を調べると、この山地の成り立ちがわかる。 画像左は、丹沢を代表する岩石である緑色凝灰岩である。海底火山が噴出した火山灰などが固まったものだ。白い…

石の花:頑火輝石(がんかきせき)

これも今度の池袋ミネラルショーで手に入れたもの。野の花を思わせる鉱物結晶の一つである。 耐火性能に優れているので、「頑火」と名付けられた輝石の仲間である。「菊寿石」の名で水石として鑑賞されているそうだ。 鉱物の大きな結晶は母岩の空隙にできる…

石の花:方沸石(ほうふっせき)

水晶みたいだが全く異なる鉱物で、火山の熱水の作用でできる沸石の一種である。溶岩の空隙などによく結晶ができている。丸っこい結晶の結晶面を花びらに見立てると、連なって咲いている植物の花にも見えてくる。 画像は今年のミネラルショー(池袋)で入手し…

季節はずれのバラ

5月13日付で、ウチの小さなバラの話を書いた。それが、この寒いのに結構花をつけている。例年チラホラぐらいは秋に花をつけるのだが、まさに狂い咲きである。 12月の初めまで暖かい日が続いたせいだと思うが、今年の猛暑や度重なる台風などが影響しているの…

センリョウ(千両)の実

里山公園の管理棟の近くに植えてあったものだ。今頃からたくさんの赤い実をつけるので、よく目立っていた。冬中、葉も実もつけているので、冬の彩りとして重宝されているようだ。 葉も実もよく似た植物が何種類もあることが知られている。それぞれマンリョウ…

トキリマメの実(2)

以前里山公園で見かけたトキリマメの赤い実が、どうなったか見に行った。ちょっと驚く変貌を遂げていた。画像のように、サヤが割れてめくれ上がり中の二個の種が落ちずに外側についている。何とも不思議な造形である。 赤いサヤと黒い種(実?)の造形は、一…

ゴンズイの実

初冬の里山公園は、ほとんどの紅葉が散り落ち、雑木林の色彩は沈んだ灰緑色が基調になる。しかし少し歩くとサザンカやロウバイの花の彩に気がつく。さらに、葉が大部分落ちてしまった木に、色鮮やかな実が残っていることがある。 画像はゴンズイの実である。…

ナンテンハギの実

11月6日付で紹介したウルトラマリン(群青)色の花がその後どうなったかを見に行った。他の草はほとんど枯れていたが、なんと12月なのにこの植物は残っており、花まで咲いていた。画像のように花はかなり実に変わっていた。サヤエンドウみたいで、このまま茶…

ハンノキの花

なぜ今ハンノキかというと、じつは私の花粉症の原因だからである。以前検査したとき判明した。程度はスギを黄信号とすると、「ハンノキ属(ハンノキ、ヤシャブシなど)」はレッドゾーンだった。しかも厄介なことに、喉の痛みやフルーツ(リンゴなどバラ科)…

ハンノキ(榛の木)

今回はちょっと変わって樹の花である。以前から気になっていたハンノキだ。 ハンノキはカバノキ科で、シラカバなどと類縁である。植物図鑑によると、雌雄異花で、花期は2-3月である。雄花は小さな花の集まりが紐状に垂れ下がる。雌花は小型のマツカサのよ…

ツワブキ

名前は、葉がフキ(蕗)に似ていてツヤがあるので、艶葉蕗(ツヤハブキ)が変化したという説がもっともらしい。フキも同じキク科だが類縁ではないとのこと。 朝晩冷え込むようになって咲きだし、冬も枯れないので、晩秋から冬の庭の彩としていろんなところに…

ノボロギク

いつも車が停まっている近所の空き地に生えていた雑草だ。キク科だが外周の舌状花がなく中央の筒状花のみである。遠目には花が咲いているのかいないのかわからない、目立たない花である。ガクに生えている毛のようなもの(小ガク片)が黒くて少し奇妙な印象…

トキリマメ

晩秋の季節。里山公園を歩いていると、ツツジの生け垣の中にハッとするような赤い実を見つけた。つる性で葉は三つの小葉を持っておりマメ科と思われた。辺りを探すと結構同じ実があり、一つは莢が裂けて中に二つの黒光りする種(豆)が覗いていた。 後で調べ…

石のバラ(薔薇)

前回、「氷の花」について少し触れたが、それで思い出したことがある。そういえば「石のバラ(薔薇)」もあったな、と。 画像は輝沸石(きふっせき)という鉱物の結晶群(伊豆河津町菖蒲沢産)である。全体が無色透明なのでややわかりにくいが、細長く伸びた…

ランタナ

このところ近所の住宅街で咲いているのをよく見かける。様々なパステルカラーのこの花が、晩秋の陽だまりにあると、なんか楽しくなる。 だいぶ昔になるが、私も庭に植えたことがある。ひと夏でけっこう大きくなり花も咲いて喜んでいた。ところがある冬の冷え…

ローズマリーの花

そろそろ「野の花」が少なくなってきた。しかし近所の住宅街には未だ「街の花」が豊富だ。中でもよく見かけるのがローズマリーである。 小さな花が多数咲き続ける。それぞれの花は目立たないが、接写すると結構面白い形をしている。薄紫のモノトーンであるが…

ナンテンハギ

雑木林の林縁で野菊の写真を撮っていた時見かけた。ウルトラマリン(群青)色が鮮やかで野菊より目立っていた。しかし名前がわからずお蔵入りに・・・。 今日画像を見ていた時、ふと葉が大豆に似ていることに気付いた。但し、大豆が小葉三枚の複葉(ふくよう…

松田断層

「3D地形図で歩く日本の活断層」(柴田元彦著 2016)を読んだ。日本の代表的な活断層とそれが作った独特の地形について解説したものである。そのうちの一つが私の故郷にあるため興味を持った。子供のころは、近くの山が平野から急に高くなり山の稜線が直線…

野菊の仲間

神奈川県津久井湖付近の低山の林縁で見かけたこの花。いわゆる「野菊」という感じであるが、正確な名称がわからない。図鑑とネットによると、外見が非常によく似た種類が多数ある。その上それぞれの種で花の色も薄紫から白までバリエーションがあり、さらに…

カントウヨメナ

これも秋に咲く野菊の代表的なものだ。外周の舌状花は淡い紫色で、中心部の筒状花の黄色と鮮やかなコントラストをなしている。 結構目立つのに、この花は私には地味な印象が強い。今頃は道路際などで泥をかぶっているのをよく見るので、イメージが薄汚れてし…

アキノノゲシ

休耕田の草むらに咲いていた。くすんだ淡い黄色で中心部が黄色く光っているような独特の風情がある。そのため少し離れてもこの花とわかる。 先にアップした春咲きのノゲシに対して、それに似ていて秋に咲くからこの名になったそうだ。しかし、ノゲシは鮮やか…

秋、バラ園

相模原北公園に行った。快晴で気持ちが良かったが、大概の花は終わっていて彩が少ない。・・と思ったら、バラ園に出くわした。大変カラフルで、嬉しくなるような光景だった。管理の方が丹精されているのが良くわかる。 豪勢な春のバラ園と違って花が少なく、…

ヤクシソウ

秋の多摩丘陵は多様な野菊の仲間が見られる。里山公園でノハラアザミと並んであちこちで咲いていたのがこの花だ。鮮やかな黄色が目を引く。花弁の先がフォークのような形になっていて幅が広く、リボンで作ったものみたいだ。花弁が少し波打っているように見…

ノハラアザミ

秋が深まってきた。里山公園を歩いていると、ススキ原の中に点々とこの花が咲いていた。この赤紫色は遠目にも目立つ。よく見ると細い雄しべ?が放射状に突き出しており、その先に花粉のようなものが見える。ユニークな花である。春咲きのノアザミより小ぶり…

ナンバンギセル

近場のススキが原にナンバンギセル(南蛮煙管)を見に行った。ススキの根に寄生する植物で葉がなく、独特の妖しい花の色、形である。現在は盛りを過ぎていて、枯れかけの状態だ。下の花は花びらが落ちてしまって雌しべが露出している。 例年ススキが伸びてく…

萩の花

萩の花が近所の民家の庭から張り出していた。後ろのフェンスが気になるが、接写するとなかなかきれいである。 萩の花、尾花、葛花、撫子の花、女郎花また藤袴、朝貌の花。秋の七草の筆頭は萩である。尾花(ススキ)と葛花(クズ)は既に紹介した。なお朝貌(…

キンモクセイ

今の時期、キンモクセイの甘い香りは印象的だ。思わず木を探すのだが、なかなか見つからない。それくらい花そのものは大変小さくて地味だ。接写で思い切り拡大してもこの程度である。但しこのオレンジクリームみたいな色合いと香りは印象がぴったりだ。 近く…

ススキ

秋の花と言えばススキである。近所の造成地の斜面に一斉に穂を出していた。出たばかりの穂は陽を浴びるとキラキラして大変風情がある。 写真を撮ろうとすると、民家や電線が入ってしまいアングルが決まらない。結局青空をバックに下から見上げるような形にな…

ゲンノショウコ

2年前の今頃、ヒガンバナの名所を訪れた時に見つけた花である。場所は山間部の谷水田の畔みたいなところで、草に埋もれていた。小さくてかわいい花だ。花弁の色は白で、中央の雄しべと放射状の筋がパステルカラーの紫色をしており上品でよい感じである。花の…