植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

4月後半の木の花

今頃の雑木林の中で咲いている木の花は白いものばかりで地味だ。咲いていることすら気づかない人も多いだろう。葉が鬱蒼と茂って薄暗く、赤や黄色の花では授粉してくれる虫たちに対して目立たないのだろうか。ともあれ爽やかな印象で、今頃の空気感の一部に…

ミズキの花

ミズキは高木で、今頃樹冠に白い花をつける。小花は径8㎜ほど。細い花びら4枚が十文字型につき、4本の雄シベが交差するシンプルな作りで、密集した花序をつくる。遠くから見るとワタを被ったようだ。甘酸っぱい香りがする。 ミズキ科。春先に枝を切る(やっ…

ツリバナ(吊花)

宅地化された丘陵地。その一角に残された雑木林の中の道を歩いた。樹高3mぐらいの木の枝から小さな花が長い柄でぶら下がっている。花が空中ブランコに乗っているような奇妙な感じだ。「吊(つり)花」という名前はよく花の様子を表していると思う。 ニシキ…

カマツカの花

4月も下旬になり、多摩丘陵の新緑も落ち着いた色に変わってきた。今の時期、木の花は爽やかな印象を受ける白色のものが多い。そんな雑木林の林縁でウメに似た花をつけていたのがこの木である。わずかに紅色の入った白い球のようなつぼみも点々と星のようで…

サワフタギ

丘陵地の雑木林の中。コナラなどの高い木の下に高さ3mぐらいの木があり、純白の花をいっぱいに付けていた。花は直径8㎜ぐらい。筒状の花が根元で5枚に分かれている。多数ある雄シベは花びら(花冠)より長く、フワッとした羽毛のように見える。香りはな…

4月下旬の野の花

多摩丘陵の春は、野の花が次々と入れ替わっていく。3月下旬から4月初旬に一度スミレなどの開花のピークがあり、その後しばらく間があって、例年はゴールデンウイークごろにもう一度一斉に花が咲く。新緑の下で目立たないが、個性的な植物群である。 今年は…

竹林の中

雨上がりの日曜日。管理を任されている多摩丘陵の竹林でのタケノコの試し掘りに参加した。雨後の竹の子というから期待したがほとんど出ていなかった。一時間ぐらいでようやく人数分採れた。昨年は多かったので今年は裏作のようだ。 画像では竹が密に生えてい…

高尾山の植物:春

高尾山は標高600mである。山道を歩いているとスミレ類のほか、ヒトリシズカ、イカリソウ(画像上)、ヤマルリソウなど、近場の丘陵地(里山)ではほとんど見かけなくなった植物が普通に咲いていた。一方、山地でしか見られない春の花には、すでに紹介したも…

ヨゴレネコノメ(汚れ猫の目)

これも高尾山。登山道の渓流沿いにヨゴレネコノメが群生していた。花は終わっているようで、茶色い粒状の実が葉の上に乗っている。濃い緑に黄色い苞葉(ほうよう)が、そこだけ日が当たっているようで美しい。以前から見たかった植物である。 山地は、標高に…

フタバアオイ

徳川家の紋所で有名な三つ葉葵のもととなった植物である。葉の形と葉脈の様子を見ると納得できると思う。大きな園芸店の山野草コーナーで鉢植えを見たことはあったが、高尾山では普通に自生していて群落になっている。しかも今回は花まで付けていてうれしく…

ナツトウダイ(夏燈台)

画像だけ見せられると「何じゃこりゃ」となるが、ナツトウダイという植物の花である。何かに似ていると思ったら色といい形といい岡本太郎の作品ぽい。(前の)大阪万博(1970年)のシンボルである太陽の塔をつくった芸術家である。 この植物の花序は独特で複…

カスミザクラ

高尾山を登っていくと中腹あたりに満開の桜の木があった。今頃?花色は白で、わずかに紅色を帯び、春の日差しに輝いている。山の上でもほぼ終わっているヤマザクラとは違うようである。 カスミザクラだと教えてもらった。なるほどそれで納得だ。一番遅く、深…

高尾山で出会ったスミレたち

よく晴れた日曜日、高尾山(東京都八王子市、高さ600m)のフットパスに参加した。目当ては今盛りの色々なスミレ。先導するのはスミレ博士といわれる先生である。(カッコ内は漢字名と代表的な花色) タカオスミレ(画像上、高尾菫、白に紫の筋) 高尾山の名…

道端の花4月初旬

いつもの川沿いの道路で見かけた花。要するに雑草だ。これからイネ科やキク科の夏草が一気に伸び始め、生育が旺盛なのであっという間に場所を占領してしまう。その前の春の一時期、急速に成長し、花を咲かせ種を作る植物群である。 セイヨウカラシナ(画像上…

4月初旬の野の花

ここ1,2週間、多摩丘陵のあちこちで見つけた花の画像集。 イチリンソウ(上)は神社の林縁で毎年花をつけている。今年は花が多いようだ。本当に1輪ずつ咲く。すぐ近くにニリンソウの葉が見えたが花はまだだった。画像下は1週間後のもの。こう見ると似て…

クサイチゴの花

いよいよ4月。多摩丘陵は様々な花が咲き次々と入れ替わる。草刈りがされた里山の斜面に白いものが見えたので近づくと、一叢(むら)のクサイチゴの花だった。今年もこの花が咲く季節になったなあと思う。 背丈が20㎝ぐらいしかなく小さいのでクサ(草)と…

ヤマルリソウ2023

一昨年多摩丘陵を歩いているとき偶然出会った花だ。昨年同じ場所に行ってみたが時期が遅かったためか見つからなかった。今年こそはと探し回ったが見当たらず、あきらめて帰ろうとしたとき目に入った。幻のような花である。 ルリ(瑠璃)という名の通り鮮やか…

マルバスミレ2023

多摩丘陵に多い白いスミレだ。今至るところでタチツボスミレの花盛りだが、たまにこのスミレが混じっていたりする。雑木林の林縁など明るい日陰のような場所を好むようだ。 花は少しヨレた感じで先日のヒゴスミレほど整っていない。花色は白色~ピンク色とさ…

ムサシアブミの芽

雑木林の下の地面から不思議なものが伸びだしていた。異様な形といい肌色に近い色合いといい不気味なものを感じる。よく見るとまだらの模様や斑点があり、蛇か毒キノコを思わせる。 近くに更に成長したものがあり、すぐムサシアブミ(武蔵鐙)の芽生えと分か…