植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

2019-01-01から1年間の記事一覧

クロガネモチ

寒い冬に赤い実をつけた木を見るとちょっと明るい気分になる。その中では大木である。10-20メートルにもなるとのこと。画像は木のテッペンの方だが、実の房が垂れてまさにたわわという感じ。下の方は比較的実が少なく、遠目には意外に目立たない。実を食べて…

葉山層群:黒緑色の地層

ここ3回、蛇紋岩についての話題であった。これには、先日の立石海岸での観察(11月12日付)が動機になっている。付近は三浦半島で一番古い葉山層群(2000-1500万年前)と呼ばれる地層からなる。 画像はその時拾った小石である。左側は「立石」に続く海岸を…

近場の蛇紋岩

神奈川県にも蛇紋岩が見つけられる場所がある。三浦半島横須賀市の海岸だ。そこで拾ったツヤのある黒緑色の石を示す。波で磨かれて丸くなり、表面はツルツルしている。 前回示した北海道の標本と比べると、白い脈は見えず、柔らかくも脆くもない。しかし、①…

蛇紋岩(じゃもんがん)

これもミネラルショーで買った北海道産。かんらん岩が変化したものだ。表面に光沢がある濃い緑色の岩石である。比較的柔らかく鉄釘で傷がつく。割れた面もツルリとしてスベスベした手触りだ。 接写すると、濃いモスグリーンと白い半透明の脈が乱流のように混…

かんらん岩

画像は今年の池袋ミネラルショーで入手したもの。90%以上が薄い緑色の苦土かんらん石からなり、ダナイトと呼ばれるものである。透明感のある緑の色合いが美しい。なお濃い緑色の粒は透輝石、黒光りする鉱物はクロム鉄鉱である。ちなみに「かんらん(橄欖)…

カンアオイ

アオイというと、夏の風物詩、タチアオイ(アオイ科)思い浮かべるかもしれない。しかし、これは真逆で、なんと冬に花が咲く。地味というかやや陰気な感じのする植物だ。特徴から見てカントウカンアオイという種類と思われる。 日本固有種のウマノスズクサ科…

街の紅葉:ドウダンツツジ

民家の生け垣などで真っ赤に色づいている。ちょっとパステル画のような風合いがあり、赤と橙のグラデーションが美しい。 何か所か見て歩くとそれぞれ色合いが微妙に違うことに気づいた。色がくすんだり沈んだ色になったりしているものも多い。画像はその中で…

四季の森の紅葉

神奈川県立四季の森公園の紅葉四種。 左上 イロハモミジ 日本のモミジといえばこれだろう。街中のいたるところで見るが、広い公園で枝を拡げているものはやはり見応えがある。晩秋のアカネ色を帯びた陽を浴びるとさらに引き立つ。 右上 アキニレ ニレの仲間…

テイカカズラ

これも木の幹に張り付いているのを見かけた。いろいろなところでキヅタと競うように生えている。丸っこい葉はどこか作り物めいている。ネットや図鑑で調べたがなかなかヒットしない。ようやくテイカカズラの幼木らしいことが分かった。 つる性の木には成長す…

雑木林とキヅタ

かしの木山公園は、雑木林の葉が落ちて明るくなり中が見通せるようになった。すると地面や木の幹など至る所で濃い緑色のツタが見受けられた。当たり前のように生えていて今まで気にもしていなかったのだが、調べてみると(セイヨウ)キヅタという名前だった…

ピラカンサ

晩秋の郊外。民家の庭で見事に実を付けていた。寒くなって花が少なくなる季節に、独特の風情が好ましい。学生時代、冬の帰り道でよく見かけた。ちょっとノスタルジーを感じた。 昔はタチバナモドキといって橙黄色の実がなる種類が一般的だった。実の形が少し…

クコの実

191129 川音川 郊外の川辺を歩いているとほぼ枯れた草むらの中に赤いものが見えた。近づいてみるとクコの実であった。種が川に流されてきて野生化したものだろう。この透きとおったようなサンゴ色と、流線形が何ともカワイイ。 日本を含む東アジア原産のナス…

ヒメツルソバ

小花が集まった丸い花は、最初は紅がかっているがそのうち白くなる。名前は花が可愛らしくて同じタデ科のソバに似ているからとのこと。…とてもそうは思えない。ツル性でもないし。 ヒマラヤ原産で、造園用に明治期に導入されたが、今は半野生化している。最…

ダイサギの飛翔

紙飛行機みたいにスーッと、低くゆっくり飛ぶ。羽先の風切羽が開いた手のようだ。水面の微妙な気流をつかんでいるのであろう。見ていると自分の手に空気の感触を感じる。 …と思いつつ、撮影は大変だ。カメラを構えると飛び立つ。斜め後ろからソーっと近づく…

シラサギ+α

シラサギを見た。場所は東京都下、小田急線鶴川(つるかわ)駅近くの鶴見(つるみ)川だ。この辺は市街地で人通りも多いし、川の護岸もコンクリートで固められている。例によって咄嗟のことだったのでひどい画(え)だが、こんな街中で…という驚きを知ってい…

ユリノキ

澄んだ青空に紅葉が映える。見上げた時の葉の透過光が赤や黄で美しい。近所の公園で通りすがりに撮影したものだ。 昔はちょっと広い公園の木といえばプラタナスだったが、いつの間にかこの木が多くなっている。どちらも30メートル以上の大木になり葉が大きく…

ムクロジの実

これもかしの木山公園。地面に変わった形の木の実が落ちていた。見上げるとシラカシと肩を並べるぐらい高い木だ。葉は複葉で、数えると14枚の小葉からなる。木全体はなんとなく南方の植物の雰囲気がある。 画像のように、薄い飴色の丸い実に旧式のポットのフ…

コバノガマズミの実

11月も半ばを過ぎると多摩丘陵も寂しくなってくる。かしのき山公園を歩いてみたが、紅葉もパッとしない。多い樹種のシラカシなどは緑のまま、山桜などはいち早く散ってしまうためだ。近年は温暖化のせいか時期が遅れ、色もくすんでいるように思う。 画像はコ…

シラカシのドングリ

町田市かしのき山公園付近では多摩丘陵の自然林が保存されている。林の中に入ると大木が空を覆い一気に暗くなる。ひんやりした独特の空気に包まれる。 このあたりの樹林を特徴づけているのは、公園の名のもととなったシラカシの大木である。20メートルはある…

イソギク

立石海岸の崖の上などでは海浜独特の植物がみられる。今の時期、草はほとんど枯れているが、その中で黄色い花が目についた。二種類あり、一つは街でもよく見かけるツワブキだ。そしてもう一つがイソギクだった。 キク科の花は中心部の筒状花と、周辺の花びら…

立石海岸

横須賀市に属するが、逗子(ずし)駅から路線バスで葉山(はやま)を過ぎてすぐの位置にある。まさに湘南。キラキラの海と遥か富士を望む海岸線が絶景である。 「立石(たていし)」は、海岸から突き出した高さ12メートルの岩だ。波の浸食による造化の妙であ…

城山(相模原市)

東側、相模原台地の方向からみている。台地上を近づくと急に落ち込んで谷になり、その向こうに城山が現れる。近づくほど威圧感が高まる。山の斜面は急傾斜の崖だ。平らな土地の向こうに台形の山が伸びあがって迫ってくるような印象である。 標高375m。近場…

相模川/城山/津久井湖

峰の薬師から 191027 城山湖(山頂)付近から相模川の下流方向に城山と城山ダムを見ている。ダム湖(津久井湖)はここのところの大雨で濁り、満水状態である。 独立峰のような城山の南西側には神奈川北部の山地、さらに丹沢連峰が続く。広域地図を広げると山…

アキノキリンソウ

城山湖191027 黄色い花が房(ふさ)になった花穂がシュッと突き出している。画像のものは先日の台風で倒れてしまったのか、林縁の斜面で下向きに咲いていた。 キリンソウというものはあるが花色以外似ていない。花の周囲の舌状花とともに、中央の筒状花の一…

ヤマハッカ

これも城山湖へ登る道路際に点々と咲いていたもの。色は宝石の菫青石(きんせいせき)のような澄んだ青紫色。思い切り晴れて高い秋の空のようだ。青紫系の花のシソ科植物は多いが、なかでも色の純粋度が高いように思う。 ネットの画像では花穂が長く伸びてい…

コウヤボウキ

今回は山の植物である。といっても300メートルぐらいの低い山、神奈川県相模原市の城山湖周辺だ。山の上に人造湖があり、それを利用した発電所があるため立派なアスファルト道路が上の方まで続いている。 この道の周りがもう山の中である。今の時期は野菊(…

ノブドウ

ブドウのシーズンもそろそろ終わりだ。近年はいろいろな種類のブドウがスーパーに並んでいて、視覚と味覚を楽しませてくれる。 さて、画像はノブドウ(野葡萄)である。ヤマブドウなどと違って、食べると不味いらしい。しかし、白、茶、紫、青(紺)色のツヤ…

ノコンギク

野紺菊。秋に咲く菊の仲間は多いが、「野ギク」といえばこの植物である。住宅地の中に残った雑木林の林縁や田畑の近くの道端などでまだ見られる。秋草に交じって淡青紫色の花が咲いていると、楚々とした風情(ふぜい)を感じる。 野ギクにはほとんど見分けが…

ミゾソバの花

調布市立野草園の中には小川が流れている。川沿いにミゾソバが可憐な花をつけていた。この植物は土砂が溜まった用水路などにぎっしりと茂っていることが多い。また、ソバと同じタデ科で全草の形がよく似ている。(ソバの花は普通白だが、赤花も存在する)文…

シュウメイギク

東京調布市野草園は神代植物公園の近くの武蔵野台地にある。ここは多摩川の河岸段丘が発達しており、その崖(がけ)は雑木林になっていて水が湧いているような場所だ。しかし、開発により今はかなり失われている。野草園はそのような武蔵野の原風景を保存し…