植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

蛾の大発生

多摩丘陵の新緑も濃くなって、湿気を帯びた風にサワサワ微かな音を立てている。気持ちいいなと思ってみていると、木々の間になにか白いものがチラチラ見える。ああまたあの季節だ。 何年も前に気づいたがことだが、毎年今頃白い蛾が大発生する。固まっている…

イチモンジチョウ

暗い雑木林の中でウグイスカグラの赤い実を探していたら、その枝でちょうど羽化したところのこの蝶に出会った。しばらく見ていたが、翅を拡げなかったので、裏側の模様しかわからない。ネット画像の比較からこの種類と思われる。スイカズラ科の植物を食草と…

ハナウドの花

多摩丘陵や相模原台地を流れる川は、台地を削って段丘を形成している。段丘の縁は高い崖になっており、その真下を含めて開発が及びにくいため、昔ながらの雑木林が残っている。その林縁の川沿いの道の脇で群落を作っていた。 草丈は1.5mぐらいでがっしりした…

ユスラウメの実

民家の庭先。ここのところの雨は止んだが、街はまだ冷んやりした空気に包まれている。径1㎝ぐらいの小さな実が膨らんで赤くなり始めている。この赤色は彩度が高く目を引く。サクランボと近縁だが、産毛が生えているので独特の柔らかい感じのツヤになる。 漢…

ヒルザキツキミソウ

昼に咲く月見草とはちょっと変だが、同じアカバナ科のユウゲショウ(夕化粧)も朝から咲いている。どちらも最初は観賞用に輸入されたもので、花壇から逃げ出したものが今は道端で普通に咲き乱れている。ピンクの彩がきれいなので雑草視されないようだ。近場…

メキシコマンネングサ

近所を散歩していると路側が黄色い塗料をぶちまけたようになっていた。草丈は10㎝ぐらいで地面をびっしり覆う。民家の庭先から逃げ出して、野性化したもののようだ。今の時期は町の至る所で見かける。 多肉植物系の姿で派手な花は、いかにも中南米の乾燥地帯…

方沸石(ほうふっせき)のキラキラ

径1-2ミリのコロッとした小結晶の集合体である。結晶は偏方24面体(トラペゾヘドロン)。一つの面が不等辺四角形をしているが、結晶同士の干渉のためか段差があって理想的な形にはならない。直接光を反射するだけでなく、結晶内部を通過した他の面の反射光が…

カキネガラシ

垣根芥子。「垣根枯らし」ではない。花の終わったヤマブキの垣根の前の道端に生えていた。 草丈は50センチぐらい、葉や茎は青白い緑色をしている。茎は分岐が多く、その先に小さな花を付ける。花を持つ腕を横に大きく張り出したような微妙にカーブした直線状…

ノアザミの花

野薊。つい1か月前は地面に葉を広げているだけだった。かしのき山公園の里山再現区域は整備されて日当たりがよく、5月の強い陽光を受けて一気に大きくなり花を付ける。独特の花と濃い緑の葉色のためすぐそれとわかる。 日本固有種。日本にアザミの仲間は多い…

黄色い花の道

雑木林の林縁の道に黄色い花が咲き乱れていた。道沿いにずっとこの景色が続く。いろいろな種類があるが、全てキク科なのが面白い。このブログをやっていて名前がわかるようになった。 花だけ見ると、大きくて花弁がこんもりしているのはブタナ。同じぐらいの…

5月の木の実

少し汗ばむような日々。近場の雑木林で見つけた木の実4種類である。場所は以前花が咲いていたところ。あれから1-2か月。いずれも長径1㎝ぐらいの大きさで、甘くて食べられる。 上の二つはキイチゴの仲間である。クサイチゴ(草苺、左上)は実が葉の上に突き…

ノイバラの花

日本に自生するバラの原種の一つ。1-2mの高さの小低木で、葉は奇数複葉。枝はややツル性を持つ。トゲが多く、「茨(いばら)の道」という比喩に使われる。 一方花は可憐で、小さな花を多数つける。花弁は5枚で先端がくぼみいわゆる「ハート形」をしている。…

タツナミソウ

立浪草。花の形を波が大きく立ち上がって波頭が砕けた様子に例えている。シソ科の青は印象に残るものが多いが、サファイアブルーの花は目が覚めるような色彩だ。やや日陰の草むらの中に群生していた。 波(浪)といえば、NHK大河ドラマ「麒麟が来る」で齋藤…

ヤブデマリの花

かしのき山公園の池の畔にある小高木。花で木全体が真っ白になり鬱蒼とした雑木林の中で目立っていた。花はガクアジサイに似ている。中央の粒は両性花で周辺が飾り花である。飾り花は5枚の花弁が非対称で蝶のような形に見える。質感も微妙な脈のシワがあり奇…

ナワシロイチゴの花

近場で自生するキイチゴの一種。他の種類がすべて白色の大きな花であるのに対して赤紫色の小さな花である。近所のヒラドツツジの植え込みに紛れて多くの花を付けていた。後ろにある同じ色でぼやけたものはツツジの花である。 他の種類より一月ほど遅れ、稲の…

ハコネウツギの花

これもウツギだがスイカズラ科だ。やはり枝の中が中空なので空木。公園や庭でよく見かける2-3mぐらいの灌木である。大き目の新葉が木漏れ陽に映えて美しい。 画像のように1本の木に白、ピンク、赤の花がイイカンジに入り混じっている。なんとこの順番に変化…

ハナムグリとハナカミキリ

近所の垣根のバラ。今年も咲き誇っているが人通りがほとんどなく寂しい。花の香りを確認(匂いを感じないと大変だ…)しようとのぞき込むと、先客が2匹いた。 ハナムグリは小型の甲虫で、仲間のコガネムシのように金属的な色をしておらず、緑色のビロードみた…

イヌガラシ

道端でよく見る雑草。アブラナ科で花弁は4枚。ただしどういうわけか、近場のものは皆潰れたようになっておりまともな花がない。なぜだろう。草むらに紛れて咲いている花はまともなので、踏まれたせいか…。 近縁のスカシタゴボウやカキネガラシとの区別は、図…

スイバの雌雄

菜の花畑沿いの道脇の草むらに、いつの間にか穂が多数突き出していた。改めて見てみると穂が不気味なほど赤い。どうなっているのか? スイバは雄株と雌株が別々である。穂の高さはほぼ同じ。スリムな雄株(右)は拡大すると6枚の花弁を持つ雄花がビッシリつ…

コゴメウツギの花

せいぜい2mぐらいの低木で雑木林の林縁をびっしり覆っている。落葉樹で今頃一気に葉を広げる。葉の形は同じバラ科のモミジイチゴに似ているがトゲがない。 コゴメ(小米)と表現される小さな白い花がユキノシタ科のウツギ(ウノハナ)を思わせるのでこの名が…