植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

街の花

ジョウゴゴケ

児童公園の桜の木の根元で見つけた。これも地衣類で、ハナゴケという派手な種類の仲間である。子器(しき、胞子を付ける器官)が中空のジョウゴ(漏斗、ろうと)の形をしているためこの名がある。全体の広がりは10㎝ぐらいで、子器の高さは1~2㎝、径2~8m…

ロウソクゴケ

背の高いユリノキの並木の幹が、オレンジがかった黄色になっていた。遠目にはカビかシミのようにしか見えない。接写するとこんな感じだ。直径1㎝ほどの小さな地衣類の個体が群落を作っているのが分かる。よく見ると形はウメノキゴケに似ている。人によっては…

ユリノキとチューリップ

近くの公園にユリノキの大木が数本ある。モクレン科で、初夏にチューリップに似た小さな花を付ける。日本名はそれをユリに見立てて百合の木というが、英名はチューリップ・ツリーである。 昨秋は早めの紅葉の後、あっという間に葉が散って枝だけになった。そ…

タブノキ

以前から気になっていた大木。20m以上あるだろうか。多摩丘陵にある神社の杜(もり)の端にあり、常緑なため他の木が葉を落とした今頃はさらに目立つ。色々な方向から撮ったのだが、この画像が一番特徴が表れている。ちょうど昼下がりで太陽が頭上にあり、見…

冬の緑色

天気が良いので、近場で真冬でも緑の植物を探してみた。画像はイチョウの木の幹を覆っていた苔である。住宅街を歩いていたとき緑地帯で目についたもの。葉緑素のため緑色であるが、普通の被子植物の緑色と微妙に色合いが違うように思える。鮮やか過ぎて、深…

ウラジロチチコグサ

冬もそろそろ折り返し点である。草木がみんな枯れて殺風景な街角を、緑の植物を探して歩いてみた。 場所は普通の民家の庭先だ。この植物は近場ではごく普通に見られる雑草で、南アメリカ原産の帰化植物である。画像のように、サラダ菜を思わせる黄緑色の葉は…

ノハカタカラクサ

今頃は野外の草はだいたい枯れて、日向に枯れ残ったものがあるぐらいだ。その中で冬に葉を出すヒガンバナやこれから花が咲くスイセンの生き生きとした葉が目立っている。 画像は、雑木林の枯葉の中で群生していたもの。以前紹介した白花のツユクサの仲間であ…

イノモトソウ

葉が単純なタイプの白っぽいシダ植物で、冬も枯れない。街中のほぼ垂直の古い石垣に生えていた。昔は石垣が組んであった井戸のたもと(許)、という意味の名前が納得できる。以前紹介したオオバノイノモトソウよりずっと小ぶりで、画像の左右10㎝ぐらい。 よ…

ハナミズキの実

ツヤのある赤い実が弱い日差しを浴びて冬の青空に映える。見ていると、寒さに負けずに頑張ろう、という気になる。実だけでは何の木かわからないので、残った葉を一枚入れてみた。 ハナミズキは、花びらに見える4枚のガクが散った後、中心部の本来の花の後が…

ヤツデの花

朝晩冷え込むようになってきた。サザンカなどと並んで、この花も寒さにめげず晩秋から初冬(10‐12月)にかけて咲く。タラノキやウドと同じウコギ科。葉は似ていないが、ボール状の白い花をたくさん付ける点は同じである。地味だがよく見ると味がある。 直径5…

ビワの花

花は径1㎝の白い5弁で、多数の雄シベとツボミが茶色く、全体に薄茶色の地味な色合いの微細な毛に包まれている。そのため目立たず、バラ科と聞いて違和感があったが、花をしげしげとみるとバラやサクラに似ており納得した。 原産地は中国南西部で、我が国には…

オオバノイノモトソウ

シダ植物は、被子植物にない不思議な佇まいで、興味をそそられるものも多い。しかし、目立つ花が咲くわけではなく皆似ている印象がある。そのため特徴があって確実に見分けられるものを紹介したい。 画像のものは、丹沢山地の杉林の林床に群生していたもの。…

コンギク(紺菊)

今の時期近所の民家の庭先などに咲いている青紫色の菊。この色はコバルトでもターコイズでもいわゆる紺色でもない、何というのだろう。晩秋の弱い陽光にもよく映える。 画像はその中で一番大きくて色が鮮やかだったものだ。野山に多いノコンギク(野紺菊)の…

招かれざる木

街を歩いていると、路側帯の植え込みの中や、民家の生垣から延びている「招かれざる」木を見ることがある。以前紹介したクワ科もそうだが、並木や色々なところに残っている大木から、種が風や鳥に運ばれてとんでもない所に芽を出した木だ。 その代表が同じニ…

キダチダリア

小春日和の青空に映える。画像のものは高さが2階建ての屋根ぐらいなので4-5mはある。最大8-10mまで成長するそうだ。昔初めて見た時、この巨大さと晩秋から初冬にかけて咲くということが信じられなかった。 派手な花が下向きに咲くが、見上げるとちょうど目…

チャノキの花

街中では生け垣になっていたりして色々なところで見かける。10月から12月の晩秋が花期。今は次々と咲き続けている。そろそろ他の花が少なくなってきたので、地味だが街の彩りとして貴重である。 ツバキ科で5枚の花弁から溢れ出すほど多数の雄シベが出ている…

アイの実

タデ科らしい植物が畑の片隅にある。野草のイヌタデよりずっと大型で50㎝以上ある。これは何だろう?と思ったら、藍染めに使うアイであった。草木染め愛好の方が栽培されているものだ。 タデの仲間は花びらがなく、紅い花被(ガクのようなもの)が開いて雄シ…

ハマスゲ

菅(スゲ)はカヤツリグサ科などの総称で、スガとも読む。画像の植物はもともと海浜に生えていたものであり、そのためハマスゲの名がある。大型の芝といった感じで地面を覆っていることが多く、秋には画像のような赤茶色の花穂を出す。噴き出している白い毛…

セイタカアワダチソウの花

キク科である。肉眼ではわからないが、拡大するとそのことがよくわかる。花序(穂)は多くの小穂(しょうすい)からなる。要するに花はキクに似た小さな花の集まりだ。舌状花の花弁は小さく、内部の筒状花の方が大きい。全体が少しオレンジ色っぽい黄色であ…

クワクサの花

名前の通りクワの仲間である。以前紹介したヒメコウゾなどと違って一年草だ。葉と花の形にクワ科の特徴が出ている。近所の民家の周囲の地面にいつの間にかビッシリ生えていた。 よく見かける雑草。これほど地味な草もない。草丈は30~50㎝ぐらいで小さく、沈…

チャノキの実

耕作放棄地の一角に雑草に埋もれたチャノキがあり、白い花とともに実がついていた。面白い形をしている。基本3つのふくらみがあり。青サビが出た古い銅器のような色をしている。 下側に3本のスジがある。実を摘んで一夜置くとそこから裂けて丸い種が出てくる…

アレチウリの花

郊外の資材置き場の空き地。この植物がパイプなどの上も構わず一面を覆い、花穂が立ち上がっていた。すさまじい繁殖力だ。他に河川敷などにも多い。 北アメリカ原産の侵入種。ツル性で葉はキュウリに似ており、英名はburr cucumber(トゲのあるキュウリ)。…

イヌコウジュ

近所の空き地の草叢。ススキやヨモギが幅を利かせる中で、その根元に隠れるように地味で目立たない草が花を咲かせていた。9月初旬からずっと咲き続けている。花穂に赤紫がかかった小さな花がつくが、あまりまとまっては咲かないようだ。気を付けてみていると…

コシロノセンダングサ

今頃はちょっとした空き地があるとアメリカセンダングサが繁っていることが多い。花弁のない(筒状花のみ)オレンジ色の小さな花を咲かせている。引っ付き虫(種)が大量にできて嫌だな…。と思っていたら、よく似ているが花弁(舌状花)のある種類を見つけた…

ウドの大木

多摩丘陵の畑地の片隅。突然という感じで大きな花穂が広がった。ついこの前まで葉だけでまったく目立たなかったのに。高さは2m近くある。画像は一部分で全体はもっと大きく広がっている。これだけあるとなかなかの迫力である。 これが有名なウドの大木である…

ガウラの花

民家の庭先などでよく見かける。左右1.5㎝ぐらいの小さな花を多数付け、初夏からずっと咲き続けている。 北アメリカ原産のアカバナ科草本。マツヨイグサと同属だが、4枚の花弁が上に偏り、長い雄シベ雌シベが下向きに出る。そのため白い蝶が羽を拡げているよ…

タラノキの果穂

里山の畑の土手で白い大きな花穂を付けていた正体不明の木(8月10日付け)。その時はトゲ無しのタラノキとした。その木に実が成った。黒い液果のボール状の集合で、予想は当たっていたようだ。考えてみるとこの場所は定期的に草刈りなどの手入れがされており…

ジンジャーの花

生姜の園芸種はジンジャーと呼ばれ、民家の庭などでちょくちょく見かける。別名 ハナシュクシャ。1.5m~2mぐらいの草丈で、葉は40‐50㎝あり大柄である。茎の先に白い花を付ける。甘いフローラルな香りが強く、ちょうど食べる生姜の臭いから刺激や土臭さを取…

イヌホオズキ

近所で見かける雑草。今頃はキク科の花は疲れが見えるし、地味な緑色のイネ科やカヤツリグサ科ばかりで、他に目立つ草花が少ない。白い五弁の花から黄色い雄シベの束が突き出しており、他のナス科植物とよく似ている。ただ比較的小さな花なのでカワイイと感…

ヒメムカシヨモギ(姫昔蓬)

名前は小さなムカシヨモギの意味。しかし、「ムカシヨモギ」の実物が見当たらず、意味も不明である。図鑑などでも説明がなかったので、ネットで調べてみた。 同じキク科の雑草だが、ヨモギとは直接の類縁関係になく明確に見分けられる。あるブログ(「雑草を…