植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ノハカタカラクサ

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 今頃は野外の草はだいたい枯れて、日向に枯れ残ったものがあるぐらいだ。その中で冬に葉を出すヒガンバナやこれから花が咲くスイセンの生き生きとした葉が目立っている。

 画像は、雑木林の枯葉の中で群生していたもの。以前紹介した白花のツユクサの仲間である。冬も枯れないので別名トキワツユクサ。トキワ(常盤)は常緑の意味。5~7月の梅雨時が花期で、雄シベに毛の多い純白の花はそれなりに見ごたえがある。

 南アメリカ原産で、昭和初期に観賞用に導入されたハカタカラクサが野生化した。漢字で野博多唐草と書く変わった名前は、当時の園芸家のセンスによるものと思う。同じような経歴に姫檜扇水仙などがあり、ゴテゴテした名前が流行ったようだ。

 日陰の湿ったところを好む。生えていたのは段丘崖の下の水が湧き出している所である。このような場所は日本固有の貴重な植物が残っており、冬も枯れずに分布を広げるこの草はちょっと困ったやつである。

 トキワツユクサの花:2019-07-24