今頃は野外の草はだいたい枯れて、日向に枯れ残ったものがあるぐらいだ。その中で冬に葉を出すヒガンバナやこれから花が咲くスイセンの生き生きとした葉が目立っている。
画像は、雑木林の枯葉の中で群生していたもの。以前紹介した白花のツユクサの仲間である。冬も枯れないので別名トキワツユクサ。トキワ(常盤)は常緑の意味。5~7月の梅雨時が花期で、雄シベに毛の多い純白の花はそれなりに見ごたえがある。
南アメリカ原産で、昭和初期に観賞用に導入されたハカタカラクサが野生化した。漢字で野博多唐草と書く変わった名前は、当時の園芸家のセンスによるものと思う。同じような経歴に姫檜扇水仙などがあり、ゴテゴテした名前が流行ったようだ。
日陰の湿ったところを好む。生えていたのは段丘崖の下の水が湧き出している所である。このような場所は日本固有の貴重な植物が残っており、冬も枯れずに分布を広げるこの草はちょっと困ったやつである。
トキワツユクサの花:2019-07-24