植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

街の花

ヤマボウシの花

今頃花で真っ白になっている少し高い木はだいたいこれだ。少し前ならミズキだった。横に伸びる枝から垂直に花序が伸びて、上向きの花がずらりと並ぶ。画像はたまたま民家の庭にあった小さな木で見たもの。花が大きくなっていく様子が表れている。緑色の水の…

梅雨どきの黄色い花

今年は季節の進むのが早くもう梅雨のような気候になっている。今頃、民家の庭や公園の植え込みなど至る所で黄色い花を次々とつけている木がある。キンシバイとビヨウヤナギである。どちらもオトギリソウ科の樹高1~1.5mの小低木で、外見はよく似ている。実際…

アメリカフウロの実

黒光りする角ばった釘のようなものが多数突き出し、根元が膨らんで5つの房になっている。よく全体が真っ黒になっており、道路脇の草地などでこれを見かけると一瞬異様なものを感じる。ウニ?、フェンシングの刀のようにも見える。この画像では写っていない…

ケムリノキ

ハンカチやブラシの木は知っている。実物を見るとなるほどと思う。ケムリの木というものもあることは知っていた。街中でそれらしきモヤモヤした花(?)を付けた木を見ることも多い。最近郊外を歩いていて、民家の庭からちょうど目の高さに花穂が出ているも…

スイレンの花

睡蓮と書くと、眠ったようなけだるい午後の蓮(はす)の花のイメージが浮かぶ。同時に湿り気を帯びた暖かい空気と、とろんと濁った池の水面の雰囲気も感じる。 ある住宅地の中の公園の池でもう睡蓮が咲いていた。目を奪われるようなピンクのグラデーションの…

トウダイグサの花

トウダイグサの花はじつに変わっている。全体に黄緑~黄色の葉が折り重なっているので構造がわかりにくいが、奇妙な形の丸っこいものは雌シベが膨らんだ若い実で、黄色い粒は雄シベだ。同じ科でよりシンプルな花のニシキソウのところで解説したので(2020-09…

マメグンバイナズナ

4月下旬に近所の駐車場になっている空き地で見つけたもの。草丈は30-40㎝で雑草の中では大きい方。どんどん咲き上がって実に変わっていく。初め花穂は一本であったが、急速に分岐し、今は5本以上になって高さも50㎝を越えている。周囲はあっという間にこの花…

ノミノツヅリの花

道路脇の街路樹の根元をよく見ると、ハコベをずっと小型にしてスリムにしたような植物が生えていることに気づく。夏には多数枝分かれして広がり、実をびっしりと着けているのを見たことがある。アスファルトやコンクリートの隙間などにも平気で生えている。…

ホタルカズラの花

しばらく身近な草の地味な花が続いたので、目が覚めるようなものを入れてみた。 この植物は草丈がせいぜい20㎝と小柄。花の直径は1.5㎝ぐらい。ワスレナグサなどの仲間(ムラサキ科)の中では大きい部類である。草むらに紛れるように点々とルリ色の花を咲か…

アマドコロの花

茎に沿って長さ2㎝ぐらいのカワイイ花がずらりと並ぶ。昨日の雨で水滴がいっぱい残り、緑のグラデーションのフレッシュな感じを引き立てている。 花や葉は先に紹介したイヌサフラン科のホウチャクソウそっくりだ。しかし、花ビラが固着して筒状であることと…

ヘラオオバコ

オオバコより全体に大きく、花穂の高さは40~50㎝もある。何本もシュッと伸びた先に小さい円錐型の花穂を付ける。花穂は下から咲き上がる。雄シベが白く取り巻いて持ち上がっていく感じ。向きは逆だが、棒型の花火が火花を出して燃えていく様に似ている。ま…

オニタビラコ

今の時期、街中から田舎まで至る所で大量に見かける。地面の放射状の葉から不釣り合いに長い花穂を一斉に伸ばして、集合花を付けている。中には高さ1メートル近いものまである。林縁など半日陰に多いように思う。 日本全土に分布するキク科植物で、花の直径…

アメリカスミレサイシン

名前から明らかなように外来種。北米原産で明治期に園芸用に移入されその後野生化した。そういわれると、花も葉も大ぶりで色合いも華やかだが、造形が雑で色に深みがない。在来種のような慎ましやかな可愛らしさがない…。どうも外来種には点が辛くなる。 実…

ヤエムグラ

「むぐら」とは密生して藪を作る草のこと。この植物はアカネ科で、街中でもちょっとした空き地でよく見る雑草だ。断面が四角い茎を取り囲むように6~8枚ぐらいの葉が付いて段々になっている。 茎や葉には下向きに細かいトゲがついていて、他のものにひっか…

ハナグルマ

丘陵地の林縁で、新緑の中で目立つピンクの花を見つけた。大きさと全体の感じからモチツツジだろうと思って近づくと、様子が違う。一般のツツジと違ってラッパ状の花が根元まで5枚に裂けている。 調べると、モチツツジの変種でハナグルマという種類であった…

マツバウンラン

近所の住宅の庭先。レンガの敷石の間から30-40㎝のヒョロっと細長い花茎を伸ばし、花を付けていた。他の場所で見たものも同じような環境だった。 石垣や敷石の隙間などは寒暑の差が激しく、過酷な環境と思われるが、そういうところを好む植物である。自然状…

ノジシャの花

薄青いかわいい花が奇妙な形の葉に包まれている。個々の花は径2、3㎜で非常に小さい。それが5個ほど集まったものが湾曲した楕円形の苞葉(ほうよう、小花を包むガクのような役割)に包まれ、さらにそれが数個集まって花序を作っている。白く見えるが、拡大す…

イロハモミジの花

ムクロジ科カエデ属で、日本ではもっとも普通の種である。秋の紅葉も良いが新緑の今頃もなかなかである。大きな日本庭園に行くと、新葉が赤かったり、形が変わっていたりと様々な園芸種がある。細かく見ていくと飽きない。 ちょっと変わった名前は、切れ込ん…

ツルニチニチソウ

冬にも枯れず、花を付けているのを見ることがあり、一年中どこかで咲いている花である。本来の花期は春から初夏で、今頃は住宅地の庭先など至る所で見かける。逸出して野生化したものも多い。 花が径5㎝ほどもある大型で、青紫のパステルカラーも目を引く。…

ナノハナとスタジアム

与謝蕪村の「菜の花や月は東に日は西に」の句は、春の夕暮れ時の菜の花畑を詠んだものとされている。しかし、昼と夜だけでなく過去から未来への時間の流れや、宇宙的な空間の広がりまで感じられる。好きな句である。 彼の時代(江戸中期)、庶民にも安価な菜…

ヒメスミレ

このブログを始めてそろそろ3年。夢中になって植物と接しているうちに、近場の植物の名前は大概分かるようになった。ところがこの花を見つけたのはついさっきで、自宅のすぐ近くである。あまり小さいので見逃していたようだ。 花色などから普通のスミレの小…

白いサクラ

朝はまだ寒いが、晴れると四月並の暖かさになる日々である。何かの花に出会えないかなと思い、相模川の河川敷に行ってみた。大きな川は様々な植物の種を運んでくる。そのためしばしば意外な出会いがある。ただ過酷な環境なので、園芸種は定着しないようだ。 …

オオアラセイトウ

花期が3-5月なので、この明るい紫色を見ると春のイメージが湧く。鉄道線路の脇などに蒔かれており、花畑になっているのが電車から見えると嬉しくなる。雑草化したものがちょっとした空き地に群生しているのもよく見かける。 アブラナ科で花弁は4枚。ギザギザ…

街のウグイスカグラ

鶯神楽。好きな植物である。昨年のちょうど今頃、この花にハマって野山を探し回り、色々な花色があることを知った。多摩丘陵には多く生えているのだが、茂みの中であり、細い枝に小さな葉であるためか普段はまったく目立たない。だが、花の季節は別だ。 今年…

早春のノボロギク

今までどこにあるのかもわからなかったが、2月の季節外れの温かさで一気に大きくなり、花までつけてしまった。この株は直径20㎝以上ある。すごい成長力だ。特徴的な花びらの無い花をたくさん付け、総苞片(花全体を包むガク)には黒い点々模様がはっきり見え…

ユキヤナギ2021

ここ2,3日暖かい日が続いたが、今日は一転して真冬のような寒い風が吹いている。まだ2月なのでさすがに花はまだだろうと思っていたが、街を歩いていてこれを見つけた。日当たりのよい生け垣の中なので、先駆けて咲いてくれたのだろう。 日本や東アジア原産…

ジョウゴゴケ

児童公園の桜の木の根元で見つけた。これも地衣類で、ハナゴケという派手な種類の仲間である。子器(しき、胞子を付ける器官)が中空のジョウゴ(漏斗、ろうと)の形をしているためこの名がある。全体の広がりは10㎝ぐらいで、子器の高さは1~2㎝、径2~8m…

ロウソクゴケ

背の高いユリノキの並木の幹が、オレンジがかった黄色になっていた。遠目にはカビかシミのようにしか見えない。接写するとこんな感じだ。直径1㎝ほどの小さな地衣類の個体が群落を作っているのが分かる。よく見ると形はウメノキゴケに似ている。人によっては…

ユリノキとチューリップ

近くの公園にユリノキの大木が数本ある。モクレン科で、初夏にチューリップに似た小さな花を付ける。日本名はそれをユリに見立てて百合の木というが、英名はチューリップ・ツリーである。 昨秋は早めの紅葉の後、あっという間に葉が散って枝だけになった。そ…

タブノキ

以前から気になっていた大木。20m以上あるだろうか。多摩丘陵にある神社の杜(もり)の端にあり、常緑なため他の木が葉を落とした今頃はさらに目立つ。色々な方向から撮ったのだが、この画像が一番特徴が表れている。ちょうど昼下がりで太陽が頭上にあり、見…