近くの公園にユリノキの大木が数本ある。モクレン科で、初夏にチューリップに似た小さな花を付ける。日本名はそれをユリに見立てて百合の木というが、英名はチューリップ・ツリーである。
昨秋は早めの紅葉の後、あっという間に葉が散って枝だけになった。その後前を通っても気にもとめなかったが、ふと見上げると上の方の枝先に何かついている。よく見るとカップのような形をしており、チューリップの花に見えなくもない。何故今まで気づかなかったのだろう。
調べたところ、これはユリノキの実である。元々は先がとがったソフトクリームそっくりの形をしていたが、風でクリームの部分(種)が飛んでしまったあとカップだけが残っているわけだ。そういえば色合いと質感からウエハースに見えてきた。
立春後の南寄りの強風を春一番という。今年は例年になく早くて、昨日だったそうだが、近場ではあまり気温は上がらなかった。ただこの木に当たっている陽光は確実に暖かくなってきているようだ。