植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

イノモトソウ

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 葉が単純なタイプの白っぽいシダ植物で、冬も枯れない。街中のほぼ垂直の古い石垣に生えていた。昔は石垣が組んであった井戸のたもと(許)、という意味の名前が納得できる。以前紹介したオオバノイノモトソウよりずっと小ぶりで、画像の左右10㎝ぐらい。

 よく見ると2種類の葉からなっていることがわかる。葉の周りにギザギザ(鋸歯、きょし)があるのが普通の葉(栄養葉)で、細長く伸びて鋸歯がない葉は、裏側の縁に胞子嚢が筋状についていて胞子葉と呼ばれる。オオバ-との違いは葉の柄にも細い葉(翼、よく)が付いている点である。

 胞子葉は鋭くシュッと伸びていてなかなか気持ちが良い。私には普通のシダと違ってモダンな感じがする。形から、つばの付いた西洋刀(ソード)を連想するからか。