児童公園の桜の木の根元で見つけた。これも地衣類で、ハナゴケという派手な種類の仲間である。子器(しき、胞子を付ける器官)が中空のジョウゴ(漏斗、ろうと)の形をしているためこの名がある。全体の広がりは10㎝ぐらいで、子器の高さは1~2㎝、径2~8mmといったところ。意識して探さないとまず気づかないだろう。
表が灰緑色で裏が白い葉状体も面白いが、グラノラの顆粒で作られたような子器の質感はどうだ。今にも胞子の煙を噴き出しそうではないか。風の谷のナウシカの腐海(ふかい)のような光景が足元に広がっている。ネットで調べると、これでもかと画像が出てくる。よほど官能に訴えかける形態のようだ。
冬場には花が少ないのでコケや地衣類に注目したが、このままこちらの世界に行ってしまいそうだ。2月も半ばを過ぎ、花盛りの春はもうすぐ。待ち遠しい限りだ。