植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

街の花

イヌホオズキ

近所で見かける雑草。今頃はキク科の花は疲れが見えるし、地味な緑色のイネ科やカヤツリグサ科ばかりで、他に目立つ草花が少ない。白い五弁の花から黄色い雄シベの束が突き出しており、他のナス科植物とよく似ている。ただ比較的小さな花なのでカワイイと感…

ヒメムカシヨモギ(姫昔蓬)

名前は小さなムカシヨモギの意味。しかし、「ムカシヨモギ」の実物が見当たらず、意味も不明である。図鑑などでも説明がなかったので、ネットで調べてみた。 同じキク科の雑草だが、ヨモギとは直接の類縁関係になく明確に見分けられる。あるブログ(「雑草を…

ノアサガオ(野朝顔)

街を歩いているとよく見かける。暑い今頃が一番繁っていて花も多い。普通のアサガオとの違いは昼間も咲き続けること。花は直径10㎝と大きく、開花時は青紫色で、午後には淡紫紅色に変化する。画像は正午ぐらいのものだ。 ヒルガオ科の多年草。別名宿根アサガ…

メマツヨイグサ

日没とともに開花し、日が昇るとしぼむので待宵草。月見草(ツキミソウ)や宵待ち草(ヨイマチグサ)の方が通りがよい。夜行性の蛾による受粉に特化した植物だ。近所の空き地などに多いのだが朝9時には皆しぼんでいる。この画像は朝のまだ薄暗い時間に撮っ…

タカサゴユリ

新しく造成された宅地の草むらの中に白いユリが顔を出していた。テッポウユリに似ているが花の根元に紫がかった茶色のスジがある。花期もテッポウユリの6月に対して8月頃である。両者は交配が容易で、ほぼ純白で大柄の園芸品種はシンテッポウユリと呼ばれ…

アベリアの花

今頃は至る所で咲いていてもう街の背景のようになっている。真夏は咲いている花が少ないので蜂や蝶が来ている。植栽されている園芸種にはあまり興味がなく、今まで名前も知らなかった。 甘酸っぱい香りのある小さな花をたくさんつける。拡大してみると瑞々し…

ヒャクニチソウ

夏から秋まで咲き続けるので、百日草。強烈なパステルカラーが夏に似合う。原産地メキシコのキク科植物で、ジニアとも呼ばれる。 花の周囲を一列の舌状花が取り巻く。よく見ると中心部のオレンジ色は雄シベではなく独立した小さな5弁の筒状花である。つまり…

クワ科の葉

路側帯や民家の垣根の中みたいな変なところによく生えている木だ。外見の特徴からクワ科と思われるが、花がついていないので特定できない。また木ごとに葉の形が少しずつ異なっていて、ますますわからない。 クワ科の仲間、クワ(マグワ、ヤマグワ)、ヒメコ…

カンナ

梅雨も明けたらしいが、これは3日前の画像、小雨の降る中だ。曇天でも真夏の日差しを感じさせる植物である。熱帯アメリカ原産で、欧米で改良されて、古くに日本に入ってきた。カンナ科だがショウガと近縁で、派手な花びらは雄シベが変化したもの。そういえば…

ヒマワリ

子供の頃の夏休みに見たヒマワリはとても大きかった。背丈は2m以上あったと思う。花も中央の黒い部分が大きく、周りの花びらは短めだった。スジのある種がたくさんできて、取って遊んだ記憶がある。最近は色々な種類があり、小さな花をいくつも付けるものや…

ヤナギハナガサの花

南アメリカからの帰化植物。熱帯原産のため今頃から9月まで咲いている。花の少ない日本の夏には貴重。1.5mにもなる大型の草であり、このパステルカラーの花色なので、いかにも外国由来の雰囲気だ。雑草化して空き地などに何本も生えているとちょっと場違い…

アメリカオニアザミ

名前からしてデカくてゴツくて痛そうであるが、まさにその通り。そんなにトゲを付けてどうするの?と言いたくなる。ただし、ヨーロッパ原産で、アメリカを経由して日本に入ってきたもの。 牧草に交じって持ち込まれ、北海道などの牧場で芽を出した。ところが…

街の花:ヘメロカリス

今頃咲きそろうノカンゾウ、ヤブカンゾウやキスゲの仲間は、ユリ科ヘメロカリスHemerocallis属に分類される。これらは園芸種も含めてヘメロカリスと総称される。花が一日限りで終わる性質があるために、ギリシャ語のヘメラ(一日)とカロス(美)を組み合わ…

ペラペラヨメナ

このところ雨続きで近場を見て回ることができない。そろそろユリの季節で楽しみにしているのだが…。というわけで今回は1ヶ月前のもの。本来今頃から秋にかけて咲くが、春頃から街のあちこちで見かける。どういうわけか垂直の石垣などの隙間が好きなようで、…

街の花:アガパンサス

一戸建ての多い古くからの住宅街を歩いていると、どの家でも庭や軒先などに様々な植物を栽培されている。いずれも種類と数が多く、丹精を競い合って見事なものになっている。 雨に映えるアジサイはほぼ終わり、今はこの花をどこでもと言っていいほど見る。梅…

コムラサキの花

小紫。道路脇の植え込みになっていた。薄赤紫と黄色の取り合わせの花が美しい。近縁のムラサキシキブ(紫式部)より全て小ぶりだが実を大量に付ける。よく庭などに植えられている園芸種だ。高さは1.5mぐらいの低木で、枝は直線的に伸びて下垂する。葉は対生…

ミソハギ

真夏の花で、東京では新盆(7月中旬)のころに一斉に開花し、盆花としてお供えに使われる。赤紫色が夏の法事によく似合う。ハギ(萩)に似ていて禊(みそぎ、お清め)に使われるので禊萩(みそはぎ)である。 谷水田近くの湿地に固まって生えていた。まだ咲…

ハンゲショウ

梅雨の晴れ間に郊外を歩くと、雑木林の一部が白い布(きれ)が散っているようになっていることがある。よく見ると瑞々しい黄緑色の葉が部分的に白くなっている。病的な白さではなく花びらのようにも見える。調べるとハンゲショウという植物であった。 画像は…

ハナショウブ

6月の陽射しは強いが、大気はまだヒンヤリしている。場所は東京都町田市薬師池公園の花菖蒲園。様々な色の花が咲きそろってきた。まだ七分咲きといったところだが、葉や水面とのバランスがちょうどよいと思う。手前の花は花弁が上がって蝶のように見える。 …

八重咲きドクダミ

今頃はどこに行ってもドクダミの花を見る。たくさん咲いていると少しは見るべきものはあるが、地味でちょっと陰気な印象はぬぐえない。日陰に群落を作る。全体に特有の臭いがある。そしてドクダミという名のイメージ…。じつは毒はなく、それどころか民間薬と…

テイカカズラの花

以前テイカカズラの幼木について紹介したが、成樹になってこれほど印象が変わる植物も珍しい。初めのころは蔓(つる)から気根を出して木の幹を這い上る。成長とともにへばり付いていた丸っこい葉は幹を離れ、披針型(笹の葉のような形)に姿を変える。目立…

アジサイ開花

梅雨の走りか曇って小雨の降る日が多い。近所の庭先でアジサイが咲き始めていた。つい2,3日前は小さな薄緑のツボミだけだったのに…。昨日の雨でびっしょり濡れているが、こんなにそれが似合う花もない。まだ開き切っていないようだが、花ごとに色が違うのは…

ユスラウメの実

民家の庭先。ここのところの雨は止んだが、街はまだ冷んやりした空気に包まれている。径1㎝ぐらいの小さな実が膨らんで赤くなり始めている。この赤色は彩度が高く目を引く。サクランボと近縁だが、産毛が生えているので独特の柔らかい感じのツヤになる。 漢…

ヒルザキツキミソウ

昼に咲く月見草とはちょっと変だが、同じアカバナ科のユウゲショウ(夕化粧)も朝から咲いている。どちらも最初は観賞用に輸入されたもので、花壇から逃げ出したものが今は道端で普通に咲き乱れている。ピンクの彩がきれいなので雑草視されないようだ。近場…

メキシコマンネングサ

近所を散歩していると路側が黄色い塗料をぶちまけたようになっていた。草丈は10㎝ぐらいで地面をびっしり覆う。民家の庭先から逃げ出して、野性化したもののようだ。今の時期は町の至る所で見かける。 多肉植物系の姿で派手な花は、いかにも中南米の乾燥地帯…

ナワシロイチゴの花

近場で自生するキイチゴの一種。他の種類がすべて白色の大きな花であるのに対して赤紫色の小さな花である。近所のヒラドツツジの植え込みに紛れて多くの花を付けていた。後ろにある同じ色でぼやけたものはツツジの花である。 他の種類より一月ほど遅れ、稲の…

ハコネウツギの花

これもウツギだがスイカズラ科だ。やはり枝の中が中空なので空木。公園や庭でよく見かける2-3mぐらいの灌木である。大き目の新葉が木漏れ陽に映えて美しい。 画像のように1本の木に白、ピンク、赤の花がイイカンジに入り混じっている。なんとこの順番に変化…

アマナの花

夏の終わりから秋に咲くタマスダレそっくりだが、葉が幅広。また最近よく見かけるスリムなタイプの花のチューリップとも似ている。実際、古い資料ではチューリップ属とされていた。日本の里山に自生しており、「チューリップの原種が日本に!?」と驚いたこ…

オオジシバリ

近所を歩いていると田起こし前の水田に黄色い花が見えた。タンポポかなと思って近づくとこんな花。直径2.5-3㎝で、花弁の先に5つのギザがあってコスモスみたいな印象だ。雌シベの先はよく見ると二つに分かれてクルリと丸まりγ(ガンマ)形をしている。 東…

日陰の花:ヒメウズとヤブタビラコ

外出自粛のため自宅周辺の植物を探してみた。隣家の裏庭の隅で咲いていたのがヒメウズとヤブタビラコだ。ここは一日ほとんど日が差さない。どちらも日陰を好む、というか、他の植物が少ないところで伸び放題だ。 白い小さな花はヒメウズ(姫烏頭)だ。キンポ…