シダ植物は、被子植物にない不思議な佇まいで、興味をそそられるものも多い。しかし、目立つ花が咲くわけではなく皆似ている印象がある。そのため特徴があって確実に見分けられるものを紹介したい。
画像のものは、丹沢山地の杉林の林床に群生していたもの。葉は分岐が少なくシンプルなタイプだ。名前のイノモトソウは漢字で「井の元(許)草」と書き、井戸の脇などに生えているから、とのこと。そのうち葉が大きい種類である。
シダ植物には栄養葉と胞子葉があり、今は時期的なものか栄養葉ばかりである。胞子葉は細長くなり、ソーラス(胞子嚢群)は裏側の縁に沿って長くつく。
明るい印象で全体のバランスが整っており、街では観葉植物的に鉢植えになっていることがある。類縁のイノモトソウはそっくりだがずっと小さく、葉の中軸に翼がある点で見分けられる。住宅地の石垣などに生えている。