相模川支流の道志川の河原には相模湖層群(3500万年~1600万年前、新生代第三紀)の岩盤が露出している。基本的に泥岩と砂岩からなっており、よく見ていくと実に興味深い模様がみられる。先日は泥岩砂岩互層に縦横に断層線が入ったものを紹介したが、今回は砂岩層の中の泥岩層が様々な力を受けて変形したものだ。
画像では、黒色泥岩の層が波打つように変形し、それがさらに断層で破断されている。大小の破片は割れた時のままで円くなっていない。この写真では中央部が縦に20㎝ぐらいズレた後、横に15㎝程度食い違ったようだ。
この構造は大陸棚での海底地すべりにより、固まり切っていない泥岩層が砂泥とともに斜面を滑り落ち、堆積することで生成したものとされている。その後二次的に強い圧縮を受けて断層や褶曲が生じている。河原の石ころレベルの角礫岩のもとになる地層である。
残念ながら貝のような目に見える化石は含まれていない。しかし、泥岩が黒いのは生物の有機物由来の炭素を含むためであり、生命と無関係ではない。だんだん墨で書かれた字のように見えてきて、何か意味があるように思えてくる。
砂岩泥岩互層:2020-11-19. 角礫岩:2019-05-13。