先日紹介した城山から5㎞ほど相模川を遡ると、支流である道志(どうし)川が合流する。川沿いには、黒い泥岩と白っぽい砂岩が交互に積み重なった互層(ごそう)が露出している。強い圧力を受けており、泥岩は層状で固くなり薄板を重ねたような頁岩(けつがん)に、砂岩も硬砂岩と呼ばれるものになっている。地層もほぼ垂直で、クロスした断層線がいくつも走っている。
このような互層は、静かに泥が堆積する場所に時々洪水などによる混濁流で砂がもたらされることで形成される。大河が海に流れ込む、三角州のようなケースだ。本来は水平に堆積していくはずだ。
現在の説によると、新生代第三紀(4500万年~2300万年前)に大陸棚で堆積したもので、神奈川県付近では相模湖層群と呼ばれる。これは房総半島から沖縄に至る、日本列島の南岸に帯状に分布する四万十(しまんと)層群に含まれる。
四万十層群は、南西側からのフィリピン海プレートの圧迫により海底から盛り上がり、複雑に褶曲(しゅうきょく、地層の折れ曲がり)しながら日本列島に付加した。そのため、垂直に立ったり、断層がたくさん生じたりしているわけである。見ていると城山を盛り上げた力が実感できる。