植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ステイホーム中の気配

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                       ペリドット橄欖石

 最近、家の中にいることが多い。外は晴れて寒いが風はない。

 午前10時過ぎ。家の中は私一人で、一階のリビングの隅にあるパソコンに向かっていた。しばらく集中した後、ふと周囲が無音であるのに気づいた。エアコンの音は微弱だ。

 そんな時、二階の方で微かな音がして、人が歩くような振動を感じた。今は誰もいないはずだが?…また音がした。今度は「ミシッ」という重さがあるものが動く音である。誰かいるのかと思ってこわごわ見に行くが、何もない。そんなことが何回か続いた。

 ある日同じように一人でパソコンに向かっていると、今度は一階で同じような音を感じた。部屋の外は廊下で、摺りガラスの入ったドアで繋がっている。音は廊下を忍び足で歩くような「ミシッ、ミシッ」というものである。しばらく聞き耳を立てていると「カチャッ」と微かな音がした。ドアの前に誰かが立ち止まって、ドアノブに手をかけたような気配だ。思わず振り返ったがもちろん誰もいない。

 再びパソコンの画面に向かう。ふと目の隅に何かの動きを感じた。見るとドアの摺りガラスの向こうで、白いものが一瞬ふわりと動いて消えた…。