雑木林の木の葉が落ちてしまうとこんな光景が現れた。フジ(藤)のツル(蔓)である。これまで何度も前を通っているが、全く気付かなかった。高さは3‐4m、奥の方まで続いている巨大な株だ。右のほうに見える絡みつかれた木は、枯れて白骨化している。
藪に近寄れなかったので何本あるかわからないが、ざっと見たところ一本の木とその枝分かれからなっているようである。ツルも、垂れ下がったものが再び上に伸びて輪になり、大きなラセン構造を取っている。ここまでなるのに何年かかったのだろう。
日本固有種のマメ科植物。ヤマフジという種類と思う。5月に独特の青紫(藤)色の花が咲き、花房が垂れ下がる。多摩丘陵の他の場所で、シラカシの巨木に絡みついたもっと大きな株を見たことがある。大蛇がぶら下がっているような壮観だったが、花はあまりついていなかった記憶がある。画像の木に気付かなかったのはそのせいだろう。ともあれ近場でジャングル気分が味わえて楽しい。