トロピカルフルーツのような派手な赤色だ。しかし草が枯れ木々が葉を落としたところに、萎れた葉とともにこれがぶら下がっていると、かえって晩秋の侘しさが増すように感じる。
中に入っているのは黒い種と若干のオレンジ色の果肉が絡みついた繊維のみ。苦くて食べられない。そのため冬の終わりごろまで残っていることがある。しかし、いつの間にかなくなっているのは、春先の餓えた鳥(カラス?)がくわえていくのか。食べられずにそのまま遠くで落としてくれれば、種が蒔かれて都合がいいのだろう。
夏に白いレースで作られたような妖しい雰囲気の花を咲かせる。撮影を狙っていたのだが、崖や繁みなどに多く、真夜中に咲くため今年もついに見ることができなかった。