多摩丘陵の畑の近く。朝露が残る草むらは寒さで勢いがなくなってきた。その中で紫の花が一本ヒョロリと立っていた。タムラとは群れる様子を指すが、近場ではなぜかポツンと離れて咲いている。花は長い花穂に段々につくが、風で折れたかもう1段しか残っていない。後ろに枯れた花穂が見える。
花は2個の黒っぽい雄シベの葯(やく)と、下弁(下側の花びら)の白い模様がアクセントになっている。毛が多いのも特徴だが、透明感のある青紫の花色のせいか、嫌な感じはしない。
次々に変わっていく秋のシソ科の花の最終ランナーである。というか長距離ランナーで、今年最初に見たのは初夏である。その後は良く似たヤマハッカなどが次々と咲いて紛れてしまうが、最後まで咲いているのはこの花である。
(初夏のこの花:2020-7-4)