植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

アキノタムラソウ

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 多摩丘陵の畑の近く。朝露が残る草むらは寒さで勢いがなくなってきた。その中で紫の花が一本ヒョロリと立っていた。タムラとは群れる様子を指すが、近場ではなぜかポツンと離れて咲いている。花は長い花穂に段々につくが、風で折れたかもう1段しか残っていない。後ろに枯れた花穂が見える。

 花は2個の黒っぽい雄シベの葯(やく)と、下弁(下側の花びら)の白い模様がアクセントになっている。毛が多いのも特徴だが、透明感のある青紫の花色のせいか、嫌な感じはしない。

 次々に変わっていく秋のシソ科の花の最終ランナーである。というか長距離ランナーで、今年最初に見たのは初夏である。その後は良く似たヤマハッカなどが次々と咲いて紛れてしまうが、最後まで咲いているのはこの花である。

(初夏のこの花:2020-7-4)