相模川の城山より上流は山が多くなり、津久井の町から幹線道路を外れると道の周りは自然の雑木林になる。今は紅葉が始まっており、晴れた日に歩くと何とも気持ちが良い。そんな道の林縁の茂みにヤマブドウを見つけた。
近づくと栽培種の巨峰と似た粉を吹いたような紫黒色だが、ずっと小さく径3-4㎜である。丸っこい五角形の葉が赤くなりかけており絵になる光景だ。これはやがて赤く紅葉する。
日本の冷涼地に自生するつる性低木。栽培種ブドウの原種の一つとされている。日本の野生のブドウといえば他にノブドウとエビヅルがある。街でもよく見かけるノブドウの実はカラフルだが食べられない。エビヅルは近場の畑のフェンスに絡まっているのを一度見たことがある。よく似ているが葉が3もしくは5裂しており、実がさらに小型でツヤがある点で見分けられる。
独特の渋くて甘酸っぱい味の野趣が愛されて、最近は栽培されたりワインが作られたりしているそうである。
ノブドウの実:2019-10-25.