また別の里山。散りつつあるサクラを 観ながら歩いた。多摩丘陵にある神社の境内周辺で、草刈りなどよく手入れされている。1週間前は薄紫のタチツボスミレが花盛りだったが、もう花が終わってきている。
中に紫色が濃いものがあった(画像上)。花の中心部が白く抜けた感じである。葉の形などそっくりだが、顔を近づけるとタチツボと違って香水のようなふくよかな香りがする。ニオイタチツボスミレだ。北海道南部の一部以南に分布する別種である。花ビラが微妙にぽってりしていてビオラ(西洋スミレ)を思わせる。花柄にビロード状の毛があるのも特徴だ。下に普通のタチツボスミレを示す。
香りを表現するのは難しいが、少し調べてみた。香水の世界ではスミレ系の香りはよく使われる。成分も研究されており、主なものはα(アルファ)イオノンという物質である。化学合成されて色々なものに香料として使われている。そのためどこか身近な感じがする。
昔は丘陵の尾根などに群生しており、そこはよい香りに包まれていたそうだ。今は近場では意識して探さないと見つからなくなっている。