植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

2019-01-01から1年間の記事一覧

ツリフネソウ

さわやかな秋晴れの今日、東京調布市の神代(じんだい)植物園に行った。ちょうどツリフネソウが満開だった。 見れば見るほど奇妙な形の花である。3-4センチの結構大きい花が宙に浮いて見える。長軸方向に茎がないためのようだ。画像のようにじつは中央で…

うちのホトトギス

ホトトギスの花が気に入ってしまい、昨年園芸店で数鉢買い込んだ。あまり楽しむ間もなく冬が来て、地上部は枯れてしまった。地下茎?は残っており、春には芽を出した。 しかし伸びるのが遅い。日陰で湿った場所を好むため、夏の日差しと乾燥に弱い。少し葉を…

ホトトギス(白花)

この画像はかしの木山公園で撮ったものだ。里山が残された、薄暗い林間の藪から何種類かのホトトギスが突き出して花を付けていた。公園の方が種を蒔いたのかもしれないが、キレイだから許す。殺風景な秋の藪の彩(いろどり)にはぴったりの花だ。 その中に白…

イタドリの花穂

子供のころイタドリは野山に生えている野草だった。春先の新芽は食べられると父から教わった。酸っぱい味をまだ覚えているが、シュウ酸を含むそうなので齧るのは止したほうがよい。最近は街中でも線路際などでよく見かける。 今の時期は、花穂に羽状の翼(よ…

ヤブミョウガの実

相模川自然の村付近の川沿いの道を歩くと、山側は崖になっている。木が多くて日陰になっているが、川の景色はよい。あちこちで水が湧いているため、日陰の湿地を好むヤブミョウガが群落を作っている。 初夏から花が咲き始め、いまだに咲き続けている。一部は…

マルバルコウソウ

ルコウソウとは不思議な響きだが、漢字では縷紅草と書く。「縷、る」は細い糸(例:一縷の望み)や解けた布の意味で、葉がコスモスのように細いため。そして花が深紅色なので「紅、こう」、なのだそうだ。江戸時代初期に熱帯アメリカから渡来したものであるた…

タマスダレ

9月下旬になって、近場でこの花が大量に咲いているのを見かけるようになった。私が子供のころからあるが、その頃より花が大きくなったような気がする。品種改良されたか? 光沢のある葉が地面から直接出ており、その深緑色が白い花の色とよく映える。オレン…

シロバナヒガンバナ

今年のヒガンバナは開花時期が数日遅れたように思う。日本全国、大体同じ時期に一斉に咲く。これは種ができない性質で球根だけで増えるため、すべて同一の遺伝子を持つからだそうだ。つまりこの花は皆人の手で植えられたものである。 赤い群落の中に一本だけ…

ヤブマメの花

里山の一角の林縁で、笹薮にツルを絡ませて花を咲かせていた。花の後はエンドウ豆に似た小さな実ができる。まさに「薮豆」である。葉は三枚の小葉からなり大豆の葉を小型にしたような形だ。なお種(豆)は食べられるそうである。 接写するとマメ科の花特有の…

ヌスビトハギ

秋らしくなってきて里山(かしの木山公園)はハギ(萩)の花があちこちで咲いている。この植物もその仲間だ。ごく小さい花はマメ科の特徴がある。花の後は数倍の大きさの面白い形をした豆ができる。 赤紫の斑紋がある二つの豆が曲がってついている。花も含め…

オミナエシ

秋の七草のひとつ。万葉集以来多くの歌に詠まれてきた日本の美である。個別の花は小さいが結構大株になり、これだけ集まると見ごたえがある。 この色が好きだ。明るい少し緑がかった黄色。何故か懐かしい感じがする。セピア色や、古びて色があせたりくすんだ…

ヤマホトトギスの花

秋風が吹くと私の好きなホトトギス(ユリ科)の仲間が次々と開花する。場所は町田市薬師池公園の林の中である。近場では珍しいヤマホトトギスという種類だ。花は小型だが大変ユニークな形をしている。 六弁の花びらが大きく反り返り、雄シベ雌シベが上方に高…

イチモンジセセリ

今年もニラの白い花が咲きそろってきた。その花から花へ高速で飛び回っていたのがこの蝶イチモンジセセリである。セセリチョウという小型の蝶の仲間で、下の翅(はね)に白い斑点が一直線に並んでいることからこの名前がある。蜜を吸うのに夢中らしく近づい…

キジ(雉)

場所は東京都町田市の七国山地区。咲き始めたソバ畑の横の小道を歩いていると、聞き慣れない鳴き声がした。ちょっと渋い声で「キョー」と聞こえた。振り向くとなんとキジ(♂)だ。野生のものは初めて見た。こんな住宅地のすぐ近くで…、驚いた。 あわててカメ…

オヒシバとメヒシバ

夏から秋にかけての雑草といえばこれ。日当たりがよくて土があればあっという間に生い茂る。すぐ野菜畑に入り込むので都市農業には大敵である。見た目も緑一色だし乱雑に折り重なっているのはいただけない。 題名の二種類は一緒に生えていることが多いので、…

ツリガネニンジンの花

まさに釣り鐘だ。それもヨーロッパの教会のものだ。鐘の中にぶら下がっていて内面をたたいて音を出すものを舌(ぜつ)というが、めしべがその形をしている。茎に対して、花と舌の角度が全部異なっていて、何か曲を奏でているようだ。 キキョウ科である。確か…

キバナコスモス

普通のコスモスより大きく育つが、花は小さめ。葉の切れ込みも浅い。夏から咲き始める。強壮で最近は雑草化しているものもよく見かける。 一般のコスモスとは同属別種に当たり、互いに交配することはないとのこと。 オレンジ~黄色の花が気に入って、我が家…

ヒオウギの花

この花は立川の昭和記念公園のHPで知り、一度見てみたかった。真夏の花と聞いていたので、9月に入りまた来年かと思っていたが、今日偶然近場の公園で出会った。 日本の野山に自生するアヤメ科の植物。オレンジ色で赤い斑点を有する六弁花は直径5,6セン…

ハキダメギク

この画像は数か月前のもの。夏の間はいつでも咲いている。暑さの中ですぐ大きくなり、今は一抱えもある株になっている。除草の時は簡単に引き抜けるのだが、そのたびに種がこぼれるらしく…。また生えてきてキリがない。しかも2,3センチの小さな株にも花が…

蝶二種

これもかしの木山公園である。近場ではちょっと珍しい蝶だ。ひらひら翔んで来て、何故か逃げもせず意味ありげに眼の前の灌木にとまった。 画像上はジャコウアゲハ。全体にスリムな印象で、翅は薄そうだが透けてはいないようだ。しかしよくできた模様だ。こん…

オトコエシ

かしの木山公園(町田市)では一部で昔の野原の再現をおこなっている。侵入種を排除していくと自然の植生が戻ってくるとのこと。 今の時期あまり見るべきものがない中で、そこで咲きそろっていたのがこの花である。はじめはキク科のヒヨドリバナかと思ったが…

キンミズヒキの花

小さい黄色の花が長い房状になっており、夏草の中でも結構目立つ。拡大すると五弁で雄シベが多くバラ科の特徴が出ている。 花の根元に棘のようなものがたくさん見える。花の後は根元が三角形に膨らんで実になる。棘の先はかぎ状になっていて、衣服などにくっ…

ナツメの実

初夏に遅く葉が出るので、夏芽(夏目?)が名前の由来。ただし「棗」という漢字がある。ちなみにスパイスのナツメグは全く違う植物だ。 画像ではリンゴの実みたいだが、大きさは1~2センチぐらい。9月頃赤く色づく。独特の形は、茶道の茶入れであるナツメの…

何の花?

正解はヘクソカズラ。花弁にフリルがついていたり、赤紫のグラデーションで正五角形が浮かんでいたりで、正面からのアップには不思議な魅力がある。花の内部が毛におおわれているのは今回拡大して初めて知った。 最近雑草の話ばかり書いているが、これまた厄…

ヤブガラシ

笹薮を覆って枯らすと言われるほどの雑草。街の至る所に生えているが、近場ではあまり幅を利かせているのは見たことがない。こうみえてブドウ科である。 変わった花なので以前から気になっていた。 子供の頃「やいとばな」と言っていた覚えがある。関西では…

レンゲショウマ

画像は数年前のちょうど今頃、東京都青梅市の御岳山(みたけさん)で撮影したものだ。標高1000メートル近くまでケーブルカーで行ける。山上は御嶽(みたけ)神社に続く広大な別天地で、意外に開けている。猛暑の地上より3度ぐらいは気温が低い。 ケーブル駅…

ツルボの花

近場では9月頃の花と思っていたが、8月初旬から咲いている。雑木林の縁の陽当たりのよい斜面に群生していた。 花の印象に似つかわしくない無骨な響きの名前は、由来不明とのこと。漢字で蔓穂と書かれている資料もあるが、どうも納得できない。 ユリ科から…

ワルナスビ

外を歩くと陽差しが強すぎて景色が白トビして見える今日この頃。暑中お見舞い申し上げます。 この花はナスとよく似ている。白または薄い紫色をしており、洗濯した綿のシャツみたいで涼しげだ。まあ鑑賞の対象にならなくもない。しかしこれが困った雑草なので…

トーナル岩と角閃岩

先に紹介した丹沢山地中央部のトーナル岩ができたのは、最近の年代測定によると500-400万年前とのこと(日本地質学会のHP)。500万年前とすると、丹沢が関東山地に衝突した後になる。この時マグマが上昇してきて周囲の岩石を溶解させて入り込んだ(貫入、か…

丹沢のトーナル岩

今回は見慣れない用語が多いので先に解説しておきます。 マグマが冷えて固まった岩石を火成岩という。含まれる鉱物の種類や結晶の状況により分類され、それぞれ名前がついている。例えば、花崗岩(かこうがん)は石材としてよく使われているのでご存知と思う…