今年のヒガンバナは開花時期が数日遅れたように思う。日本全国、大体同じ時期に一斉に咲く。これは種ができない性質で球根だけで増えるため、すべて同一の遺伝子を持つからだそうだ。つまりこの花は皆人の手で植えられたものである。
赤い群落の中に一本だけ白い花が混じっていることがある。自然界で稀にある色素の抜ける突然変異かと思っていたが、調べてみると別種の植物とのこと。原産地の中国には種のできるヒガンバナがあり、それと黄色い近縁種との交配で生れたと考えられている。やや大きくて花の中央部が黄色いのはそのせいか?
最近では庭が全部シロバナ種という家も見かける。またヒガンバナを含む近縁種を総称してリコリスLycorisというが、様々な色のものが一般的にみられるようになった。なお、漢方薬の甘草(かんぞう)もリコリスというが全く別物で、こちらのスペルはLicoriceである。