外を歩くと陽差しが強すぎて景色が白トビして見える今日この頃。暑中お見舞い申し上げます。
この花はナスとよく似ている。白または薄い紫色をしており、洗濯した綿のシャツみたいで涼しげだ。まあ鑑賞の対象にならなくもない。しかしこれが困った雑草なのである。
ナスに似た葉には鋭いトゲが並んでおり、抜く時に苦労する。花の後はミニトマトのような実がなるが、有毒。ナゼか害虫のニジュウヤホシテントウが好み、これを根城に増殖する。
しかし一番の問題はその強い繁殖力だ。種だけでなく地下茎を縦横に伸ばして増える。地下茎を少しでも残すとまた生えてくる。そのため一度畑に入り込むと駆除は難しい。この花を見かけたら、地下茎ごと掘り取るしかない。
北米からの帰化種。道路際や空き地などに群生しているのを見かける。植物学者の牧野富太郎が100年ほど前日本に入り込んでいるのを見つけ、観察のため庭に植えた。しかしその性質の悪さに辟易(へきえき)して、「悪ナスビ」と言う和名をつけたのは有名な話である。これは当たっているかもしれない。