植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

ワルナスビ

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  外を歩くと陽差しが強すぎて景色が白トビして見える今日この頃。暑中お見舞い申し上げます。

 この花はナスとよく似ている。白または薄い紫色をしており、洗濯した綿のシャツみたいで涼しげだ。まあ鑑賞の対象にならなくもない。しかしこれが困った雑草なのである。

 ナスに似た葉には鋭いトゲが並んでおり、抜く時に苦労する。花の後はミニトマトのような実がなるが、有毒。ナゼか害虫のニジュウヤホシテントウが好み、これを根城に増殖する。

 しかし一番の問題はその強い繁殖力だ。種だけでなく地下茎を縦横に伸ばして増える。地下茎を少しでも残すとまた生えてくる。そのため一度畑に入り込むと駆除は難しい。この花を見かけたら、地下茎ごと掘り取るしかない。

 北米からの帰化種。道路際や空き地などに群生しているのを見かける。植物学者の牧野富太郎が100年ほど前日本に入り込んでいるのを見つけ、観察のため庭に植えた。しかしその性質の悪さに辟易(へきえき)して、「悪ナスビ」と言う和名をつけたのは有名な話である。これは当たっているかもしれない。