植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

2019-01-01から1年間の記事一覧

ヤブミョウガの花

近場の丘陵地や台地の谷(谷戸、やと)や段丘崖の斜面などに結構多い。藪の中や林縁などの暗がりに群生している。いずれも水が湧いているような湿った場所である。名前は「藪のミョウガ」だがツユクサの仲間で、ショウガ科のミョウガとは異なる。ミョウガに…

ゴマの花

ゴマは誰でも知っているが、元の植物や収穫のことを知っている人は少ないと思う。 花はパステルカラーの薄紫色で、花の形にはシソの仲間の特徴がある。花の後は小さなオクラみたいな実になる。中に種、つまりゴマ、が入っている。 収穫は9月頃である。1メー…

ヤマユリの花2019

7月半ばぐらいからこの花が咲き始めた。長い梅雨の間はパッとしなかった。やはり夏の強い光線にはよく映える。ヤマユリは夏の里山の女王であると思う。 何せ花径20センチの大型で、形といい質感といい重厚だ。しかも強い芳香を発している。夏草が生い茂る中…

トキワツユクサ

予報では、そろそろ梅雨明けとのこと。今年は低温で暗い雨の日が多かった。そんな雨に映える花は、アジサイとこの花だと思う。 先に紹介したムラサキツユクサ(2019.6.21)の白花バージョン。6本の雄シベのまわりの白い毛が目立つ。ムラサキの派手さはない…

ミズヒキの花

この花については植物図鑑等で知っていたが、どれがそうなのか最近まで分からなかった。 なにせ花の直径が2ミリほどしか無く、それが並んだ花穂は赤っぽい線のようにしか見えない。今の時期は雑木林の道路際などに多いのだが、誰も気がつかないと思う。 画…

ハスの花

昨年と同じ町田市の薬師池公園で撮影した。猛暑だった昨年とは打って変わって、低温雨天であった。 暗い光線のもとで見る蓮の花は、それ自体が光を発しているようである。雄シベ雌シベが金でできているように見える。花の中から神々しいものが出現してくるよ…

コヒルガオ

道端の草むらの中に、今年もヒルガオが咲きだした。白に近いピンク色で、「地味な花だな…」と思いつつデジカメに収めた。帰宅して画面で見ていると家内が興味を示した。ドラマや映画で「昼顔」が話題であったらしい。 ヒルガオについて検索してみると、よく…

ヒメヒオウギズイセン

7、8月に咲き、夏の訪れを告げる花の一つである。民家の庭先などによく植えられているが、丈夫でほとんど野生化している。草むらの中の朱色は目立ち、群落になっていると結構見応えがある。 漢字で姫檜扇水仙。雅(みやび)な名称だが、南アフリカ原産種を基…

ムシトリナデシコ

保護色で分かりにくいが、花の上に緑の虫(おそらくショウリョウバッタの幼虫)が2匹も乗っている。ただし、「虫取り」の名前は、このままワシワシ齧るということではなく、茎から粘液が出て虫が付くからだそうだ。消化することはないので食虫植物ではない。…

ネジバナ

ランの仲間は花が独特の精巧なカタチをしている。その色調も相まって神秘的ですらある。この植物も極小バージョンながら拡大するとナマイキに「ランの花」である。 地面に着いた小さな葉の根元から20cmぐらいの花穂が一本伸び、多数の小さな花がラセン状に…

インゲンマメの花

花芽が伸びてきて次々と咲き続ける。新しい花が咲くと前の花が黄色くなる。今後は実が急速に伸びてくるので、収穫が楽しみである。 子供の頃、サヤインゲンのゴマ和えを母がよく作ってくれたが、美味しいとは思えなかった。何故味のないサヤを食べなければい…

ピーマンの花

ピーマンは身近な野菜だが、その花は意外と知らないものだ。小さな白い花で、下を向いているので目立たない。拡大するとこんな感じ。 夏野菜に多いナス科だ。花弁は5~7枚で、紫色の雄シベが突き出している。ちなみにトウガラシやシシトウの花とはそっくりで…

ヤブカンゾウ

例年、水田の周辺や川沿いの土手などの草原(くさはら)に夏草に混じって咲く。そろそろ季節だと思い、多摩丘陵の谷水田の周囲を探した。まだ時期が早いのかなかなか見つからず、ようやく道路際で咲いているのを見つけた。一日花だが、ツボミが多数ついてお…

ガクアジサイ(その2)

小雨模様の相模原北公園にアジサイの花を観に行った。近場では一番種類が多く(200種!)、今咲きそろっている。「アナベルの洪水」と私が勝手に名づけているものなど、色々と見どころがある。お勧めデス。 先にガクアジサイの話で、華やかに目立つ外周の装…

ムラサキツユクサ

6月初旬から民家の庭などでこの花を見るようになった。次々と咲き続け、今は実をたくさんつけている。 日本に自生するツユクサを改良した園芸種かと思っていたが、北アメリカ原産である。結構見栄えするので、花壇などで使われて大いに広まったそうである。…

ガクアジサイ

花びらに見えるのは萼(ガク)である。周囲のガクのみからなっている花は種はできず、装飾花と呼ばれる。一方、中央部には小さな両性花(雄シベ雌シベを備えていて、種ができる)が密集している。この装飾花が額縁(がくぶち)に見立てられ、額アジサイと言…

ブタナと空き地

カワイイ見た目に対して気の毒な名前だ。他にヘク〇カズラやオオイヌノフグ〇などもそうだ。(字ズラがちょっとナニなので、一部伏せ字)原産地のフランスで「ブタのサラダ」と言っていたものをそのまま訳したようだ。英語ではcat’s ear ネコの耳という。葉…

梅雨入りとホタル

(開成町 2018.6.12) 南関東は梅雨入りしたようである。梅雨時の花と言えばアジサイとタチアオイだ。これらを見ているとうっとうしい雨や蒸し暑さも浄化されるようで気持ちよく感じる。 もう一つ、今の時期にだけ現れるのがホタルだ。梅雨入りの発表があっ…

ナガミヒナゲシの実

キキョウソウの周囲に、ナガミヒナゲシの枯れた花穂がたくさん風に揺れていた。ついこの間までオレンジ色の花が咲き誇っていたのに、今はもう白っぽく枯れている。奇妙な形で、ちょっとシュールな眺めである。 実が細長いところが園芸種のヒナゲシとの違いで…

ヒナキキョウソウ

キキョウソウを見つけた同じ日に、電車で20分ぐらいの別の場所で似た花を見つけた。繁華な通りに面した放置された更地みたいな場所である。草むらの中で小さな瑠璃色の花が咲いていた。先にキキョウソウを見ていなければ見逃しただろう。 花は直径1.5cmぐら…

ニワゼキショウ

漢字で庭石菖。芝生と紛れるぐらいの草丈だが、意外にも今盛りのショウブ(菖蒲)と同じアヤメ科である。晩春の今頃、ちょっとした空地などで他の草に混じって咲いているのをよく見かける。 北アメリカ原産の帰化植物である。画像の花は、白地に紫色の放射状…

キキョウソウ

最近急にこのルリ色の小さな花を見かけるようになった。場所は車が2,3台停まった近所の空地である。接写すると、まさに秋の花の代表キキョウ(桔梗)とそっくりだ。先に紹介したユウゲショウのピンクの花もまだ残っているので、草むらがちょっとイイ感じに…

愛川層群の礫岩(れきがん)

画像の石は、神奈川県愛川(あいかわ)町の塩川滝(しおかわたき)で採集したものである。この付近は厚い礫岩層があることが知られている。以前紹介した相模湖層群の角礫岩や丹沢の凝灰角礫岩と異なり、丸くてよく磨かれた大きめの礫からなっている(画像中…

ムラサキカタバミ

ムラサキカタバミは子供の頃から身近だった。葉が三つ葉でクローバーみたいであるが、マメ科のクローバーとは全く異なるカタバミ科である。画像は多摩丘陵の畑の片隅で見つけたものである。 花はパールピンクで、中心が白くて少し緑がかっている。一部の花の…

ユウゲショウ

「夕化粧」とはなんとも艶(つや)っぽい名前だ。アカバナ科でツキミソウの仲間だが、昼間に堂々と咲いている。なお、和風の姿と名前にもかかわらず南米からの帰化植物とのこと。 今年はこの花を見ることが多いような気がする。近場では、空き地や新築の家の…

ウノハナ:夏は来ぬ

今の季節、野山の新緑を見ていると、「卯の花の匂う垣根に…夏は来ぬ(なつはきぬ)」という歌を思い出す。 旧暦4月(卯月、うづき)に咲くからウノハナである。5月の山道の林縁はごく小さな白い花をたくさんつけた木であふれる。これが何種類もある。ノイバ…

相模湖層群の角礫岩

近場で最も古い地層といえば、中生代白亜紀後半(1億年~6千5百万年前)の小仏(こぼとけ)層群である。以前、そこに含まれる岩石として、強い力を受けた硬い砂岩について紹介した。今回はその次に古いものをあげてみた。 新生代古第三紀に堆積した「相模湖…

ヤブヘビイチゴ

ヘビイチゴの仲間で、やはり小さな赤い「イチゴ」ができる。ただし、蛇のイチゴだから食べようとする人はいないだろう。黄色い花が鮮烈であるが、普通のイチゴは花が白い。右下に延びる赤黒い線はツルだ。 ちょっと見にくいが、五弁の花のガクの下に、さらに…

キツネノボタン

ボタン(牡丹)は華麗な花だが、名前にキツネ(狐)ノが付くと、イヌなんとかと同じで、役に立たない始末に困る雑草ということになる。別名は実の形からコンペイトウグサ。 水路の脇や湿地のような所に群生していて、今花盛りである。 キンポウゲ(ウマノア…

シロバナマンテマ

街のアスファルトの隙間に見たことのない花が咲いていた。接写すると花とつぼみの赤紫がかわいい。ただし草丈はせいぜい10㎝で花も小さく目立たない。花の中心に白いフリルのようなものがついているのが特徴的だ。 調べてみると、ナデシコ科のシロバナマンテ…