秋らしくなってきて里山(かしの木山公園)はハギ(萩)の花があちこちで咲いている。この植物もその仲間だ。ごく小さい花はマメ科の特徴がある。花の後は数倍の大きさの面白い形をした豆ができる。
赤紫の斑紋がある二つの豆が曲がってついている。花も含めて秋らしい渋い色だ。肉眼では見えないが、表面にごく小さい鉤状の毛が無数に生えていて衣服にくっつく。要するにマジックテープの原理である。一説では、気が付かない間に服についていることから「盗人、ぬすびと」の仕業とされ名前の由来となったという。
近縁の外来種アレチヌスビトハギは三~五連の豆を大量につけて分布を広げているそうだ。日本原産のこちらのほうは性質が控えめのようで、あまり見かけなくなった。