まさに釣り鐘だ。それもヨーロッパの教会のものだ。鐘の中にぶら下がっていて内面をたたいて音を出すものを舌(ぜつ)というが、めしべがその形をしている。茎に対して、花と舌の角度が全部異なっていて、何か曲を奏でているようだ。
キキョウ科である。確かに小さなキキョウの花が並んでいる感じだ。この花は薄紫だが、株ごとにそれぞれ白に近いものから紫色のものまであった。花の形も微妙に違っていて見て回ると面白い。なお根が漢方の人参に似ているのでこの名がある。
もともと日本の山野に自生するとのこと。しかし見つけたのは近場の住宅地の中に取り残された里山風なところだ。そこは何故か珍しめの花がよく咲いている。野生の点からは結構怪しいのだが、まあ固いことは言わずに楽しませてもらおう。