植物園の近くに有名な玉川上水(たまがわじょうすい)が流れている。江戸に飲料水を提供するために江戸時代前期に作られた大規模な水路である。両岸は雑木林になっており遊歩道が通じている。コナラなどの落葉高木が多く明るい日陰を作っており、歩くと気持ちが良い。大昔の武蔵野(むさしの)はこんな感じだったのだろうか。
画像は下生えの低木の中で見つけた木の実である。赤黒い果皮からツヤのある朱色の種が1、2個顔を出しており色合いが美しい。調べるとコマユミというニシキギ科の植物であった。マユミ(檀、真弓)の実は派手で野山で見ることが多い。確かにこれは小型のマユミと言えるかもしれないが、どちらかというとニシキギのほうによく似ている。
ニシキギは高さ1~3mの低木で、錦(華麗な織物)と書かれるほど紅葉が美しいのでよく庭に植えられている。枝に薄いコルク質の出っ張り(翼、よく)があるのが特徴だ。コマユミはそっくりだが翼がない。雑木林の半日陰に生えていたので紅葉はきれいではないが、その分実が引き立つようだ。