植物(花)や岩石鉱物など大地に根差した自然のものは何でも好きです。また人為であっても古いものには興味があります。東京都と神奈川県の境界ぐらいの郊外都市に在住。周辺の市街地と多摩丘陵を中心として、近場に残された自然を探検しています。時々丹沢山地、相模川流域、三浦半島などにも足を延ばしています。

谷戸の植物5月初旬

台地の一部に深い谷(谷戸:やとと呼ばれる)が穿たれ、奥に水が沸いて小川が流れている。近場に公園として保存されている所がある。木々が鬱蒼として暗く湿度が高い独特の環境である。夏にはヤブミョウガが大きな群落をつくり花畑のようになる。今はまだ芽を出したばかりのところである。

 

ノイバラ(画像上)

林縁はノイバラの花が満開だ。中に1株だけピンク色の花を付けたものがあった。ほのかに色づく程度だが他の株とは明らかに違う。ノイバラはツボミの段階ではピンク色がかったものは珍しくない。しかし開花すると白くなるのが普通。個体差の範囲かもしれないが、初めて見たのでちょっと得した気分だ。

 

コゴメウツギ(画像下)

林縁の薄暗いところに多い高さ1~2mの低木。今は小さな花を大量につけている。香りは無い。ウツギの仲間ではなくバラ科だが、イバラとは全く印象が違う。

 

ヤブジラミ

セリ科の在来種雑草。草丈は50㎝ぐらい。ほとんど日が当たらない場所でも育つためこの谷戸に入り込んでいる。実には先がかぎ状になった細かいとげが多くついており、マジックテープのようになって服に付く。いわゆる引っ付き虫だ。

 

セリバヒエンソウ

中国原産の雑草。この谷戸では暗い林床で群落になっている。木々に高さがあるので樹間から間接光が入るのだろう。かわいい花だがキンポウゲ科の例にもれず有毒。

 

キンランとギンラン

通路の脇にキンランがポツンと1本咲いていた。すぐ近くに小さなギンランも。地味で小さくて、漫然と歩いていたら見落としてしまう。ここでは数年見られなかった。消えたと思ってもまた現れる。儚げな外見に反してなかなかの生命力だ。