また別の都市河川。沿道を2キロほど歩いた。空は曇って北風が吹いているが、鳥や植物を探しながらだと寒さは感じない。川は街中も通るが、流域は郊外で田畑が残っている。川幅が大きくて水量も多いため水面が広がる。護岸はコンクリートでも中州などに植物が多く環境は良い。
最初に出会った黒い鳥。いつもの川にはいない種類だ。クチバシとそれに続く額(ひたい)が白くて目立つ。全体に黒光りしてムッチリとした感じである。大きさは一緒に泳いでいたカルガモと比べると少し小さいくらい。浅瀬に立った様子を見ると、白っぽくて大きな足指が見える。ヒレのようなものが付いているようだ。
ガンカモ類ではなくクイナ科。水から上がるとカモとは異なり丸っこい体形だが、水面を泳いでいるとスラリとして見える。類縁のバン(鷭)はやや小型でクチバシと額は朱色だ。夏、本州中部以北で繁殖し、冬は本州中部以南に移動する。そのため近場では冬鳥または留鳥(りゅうちょう)である。